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MOD同好会のお仕事その③ 『VS.ホスト同好会』

「やっヤメロー! し、シニタクナイ! 社会的にシニタクナァァァイ!」

「くっくっく……安心するのですよ。別に殺しはしませんよ。ただ、私を精神的に蟲塗れにしやがった罰として、今巷で流行りの『TS物』って奴をその身に存分に味合わせてやるです! ひょっとしたら行為の最中、あまりの激痛に虫●マニア先輩は何かに目覚めてしまうかもしれません……ハッハァはあ……」


ジャッキンジャッキンとシザーマンの如く枝切りバサミを左右に開いたり閉じたりという恐ろしい動作を繰り返しながら、ジリジリと俺との距離を詰めてくるハスにゃん。彼女の俺を見つめる目は据わっており、口の端から涎がだらしなく垂れ流れている。うおおおおっ、怖えぇ!逃げ出したいっ、今すぐこの場から逃げ出したいぃぃ。しかし、拘束する四つの腕が俺の逃亡を許さない。


「ふくくく……桃は知っているのです。蓮ちゃんがこうなってしまってはお前のオットセイさんの命運も最早此処までなのです。ほら、槌ちゃんこのチンぼこ野郎に言ってやるのです」

「さようなら……おちん●んらんど。こんにちは、つるぴかパイ●ン島……」


俺の耳元で謎の二人組の女子生徒にそう囁かれる。

エッ!?ちょっと待って!俺、去勢だけじゃなくて剃毛までされんの!?聞いてないぞそんな話!シナリオにはそんなオプションはついてなかった!誰だっ、デバックした野郎は!ちゃんと仕事しろ!


「イヤダ! 女の子もとい伊藤とゆっりゆりんな行為の最中、『松阪くんって、剃ってたんだ……萎えるワァァ』とか落胆されるのは耐えられない! 密林とまでとは言わないからせめて、一センチは残しておくれやす!」

「な、何を言ってるのですかこの男は。何を言っているのか分からんのですが、桃はちょードンビキです……」

「この男、ノリノリである」


俺の妄言にドンビキィ!な謎の女子生徒二人。

おっおっお……俺の拘束が緩んだ?わっワカメ!ちょっと人が変態発言をしたくらいで怯みおって!…………そ、そうだ!俺はこの二人組の注意を逸らす為にワザと変態発言をしたのだ!決して、謎の液体に塗れた伊藤と女体のぶつかり合いをしたいとかそういうのは思っていない!


「あっ! 逃げたのです!」

「アッー桃の馬鹿! さっさと追うのです!!」


緩んだ拘束を解き、謎の女子生徒の二人の合間を縫うように脱兎のごとくその場から離れる。や、やった勝った!勝利を確信し、俺は外界を隔てる教室のドアに手を掛け。


「みなさん、待って下さい! 健児のお●んちんは正妻であるお姉ちゃんの物です!」

「ブエエエエェ(豚狂)!?」


教室のドアに手を掛け……る直前にイキナリ独りでに超高速でドアが開いた。

そこにいたのは……あ、姉貴!?いきなりのドア開きとあまりにもアレな存在のご登場に思わず死にかけのピックみたいな声を上げてしまった。な、何故この妖怪がここに?


「ヒッヒエェエ……! あ、貴方は『松阪ドリーム』! 腐女子界の超新星! おショタの国に舞い降りた天才! びーえる男子の精という精を絞り尽したあらぶる痴将! そのペン先で描いた絵を見た男子全てをエレクトロニズムに導くという危険なペン先の魔術師! ど、同人界の神が何故ここに……も、桃は今、とっても興奮しています!」

「あっ、桃だけズルい。サイン、貰ってもいいっスか?」

「えっ……あ、貴方達、私のおっかけなのね……でも、ごめんなさい。私、公私混同はしたくない主義なの。……『あンた、ケツま●こでもイケる口なんだな? ヒクヒクしてるゼ?』」

「キョエェエエ(←キョン死)! そ、その台詞はぁ……『イきの竜』のキメ台詞! か、感動ですっ、桃はドリーム先生のリップサーヴィスにもうこの場で萌死してもいいですぅ!!」

「ふぅぉおおお、うーん、キュン氏」バタン


先程俺を肉体的に拘束していた二人の謎の女子生徒は瞳を昔の少女漫画のヒロインのように輝かせ、鼻の穴を大きくしながら興奮気味でそう口走る。槌と呼ばれた少女はその場で突然事切れたように前のめりに倒れた。エッ、ナニこのホモォ空間……ぞわぞわっ……だっさ!くっさ!きんっも!吐くわ!やめて?身内の痴態を堂々と公の場で公表するのやめたげて?何で言われた本人よりも身内である俺君が恥ずかしい思いをしなきゃならんのですかね。今の俺の気分は目の前のサイコ●スの顔面に犬畜生の糞を押し付けたい衝動に駆られたが、グッと我慢する。


「『あンタ、心は嫌がっていても乳首みるくは相当正直なんだな? 肉棒マ●コ、濡れてるゼ?』」

「キャーキャー! 濡れてますぅううう! 桃は濡れてますぅうう!!」

「いつまで誰も得しないリップサービスをしてんだよ!! お前はとっとこあの世に帰れ!!」


桃という少女の黄色い声援に釣られてか、クソ姉貴はキモ台詞をキモ顔かつキモポーズで宣う。うへぇ、この桃とか言うロリ女も腐女子的なアレですか……うへぇええ。


「うっ……へ、変態が……変態がもう一匹増えました! ちゅ、虫●マニア先輩! そこにいる無駄に胸のでかい先輩は貴方の仲間ですね!」


ハスにゃんは一歩二歩と後方にジリジリと下がりながら、枝切りバサミの先端を俺とクソ姉貴の交互に向けながらそう声高々と叫ぶ。あ、あるぇ?な、何故、先刻まではハスにゃんが追いかける側で俺が追いかけられる側だったのにいつの間に攻守交替しているんだ?クソ姉貴というとっても嬉しくないビッチヒッターが投入されたからかな?あと、変態はあと二匹いると思います。貴方のお仲間二人も……あと、貴方自身も入れてあげてね!仲間外れはイクナイね、うん!


「シ、シラナイシラナイ……ボク、コンナヒト、シラナイヨ、ネ?」

「なっ何故、疑問形なのですか! ヒッ……ち、近付かないで下さい!! それ以上近付くと貴方のちん●を収穫しますよ!!」

「それより、ケンく……健児? ここはおち●ちん収穫祭の会場で合ってるのよね?」

「少しは場の雰囲気を読んでモノを言ってくれませんかねお姉さま!? あと、なんだよ……そのっ、おちなんたら収穫祭とかいう成人男性が悦……恐ろしいイベントは!! 是非、伊藤を中心に開催して下さいませ宜しくお願いします!!」


…………。

いかんっ、俺は姉貴の戯言に釣られてナニを言っているんだ。周囲がざわついているので様子を窺うと、教室にいる下級男根生徒は皆、頬を柘榴のように染め、己の愚息を服の上から両手で押さえていた。一年違ってても考えることは同じなのね、男の子……。と、どうでも良い事を考えていると下半身に何やら違和感。何か、スースーします。


「ハアハア……おち●ちん……収穫……とっても……おいちい……おちん●ん……収穫……調教……お口で……収穫……はぁはぁ」


スースーする違和感に俺は己の下半身に目を向けると、ちょうど姉貴がその場で腰を下ろして据わった瞳で、涎をダラダラと垂れ流しながら俺の制服のズボンを完全に床まで下ろし切り、俺のトランクスを観察していた。……はい、どう見ても只の痴女でごさいます本当にありがとうございません。


「ジョォオイ!!」

「ぎゃっふん!!」


台所洗剤のような掛け声で俺は姉貴の脳天にチョップを入れると姉貴は水を失った魚の如く、教室の床に倒れ込んだ。ヒュウ!あ、あぶねえ……もう少しでこのフェ●魔にヤラれるところだったぞ。


「ヒッヒェ……! つ、遂に本性を表わしましたねこの虫●マニア! こ、今度は気絶したその女の人を蟲塗れにしてヤる気ですね! あ……ま、まさか! そこで気絶してる槌やトリップしてる桃にもインセクター羽蛾的にヤッちゃう気ですね……!! う! そ、そしてあわよくば、寝ているユキちゃんにも……ひ、ひどい! き、鬼畜! この鬼畜道お下劣淫猥淫獣虫●マニア!」


ハスにゃんは枝切りバサミをブンブンと振り回しながら、泣きながらそんなことを叫ぶ。えっ、えぇ……?やだうっそん、この娘、一部始終今のやり取りを見てたよね。すっごい、すっごいよ俺、何にもしてないのにハスにゃんの評価は漏れなくダダ下がり。濡れに濡れまくった濡れ衣を着せられてるよ俺。


「いやいやいやいや……ちょっまっ……ヒュウ! あ、危ねえ! こ、ここは……逃げるです!!」

「あっ……こ、こら! 逃げるなデス!!」


俺の足元に枝切りバサミの先端が突き刺さり、危うくひじきじゃなくてえじきになるところであった。もう、会話にならないと察知した俺は教室の扉を思い切り開き、逃走を図る。


「えっ……?」


そして、時が止まる。

教室を思い切り開き、逃走を図ったのはいいもののすぐ目の前に何故かタイミングよく俺の想い人の伊藤がいた。あ、あれえ?どうして伊藤がここにいるのぉ?いや、伊藤がそこにいるのはむしろ問題ではなく。いやいや、問題どころかナマ唾物の幸福時間なのだが。


「あれ、松阪君? どうしたの…………ヒッ」


問題なのはトランクス一丁の下半身が丸出しの俺氏でした。

あっ……トランクス一丁じゃなくて、靴下も装備していたな。じゃあ、最強じゃないか。何が最強なのか自分でもよく分からないが。


「いっ……! いっやああああああ!!!!!!」


ですよねー!

俺は顔面に伊藤の拳を頂いて、その場で気絶した。


──翌日の朝、教室──


「ちょっと、健児! あんた、どうして昨日の同好会サボったのよ!!」


ユッキーちゃんを電波同好会に引き入れる作戦はハスにゃんの妨害で終わり、その翌日。ていうか、ロリ顧問の課題最終日じゃないか……と、どんよりした気分で自分の机でグダッているとこれまた疲労困憊の俺君にむち打ちする調教師こと柚香サァンが鬼のような剣幕で俺に詰め寄ってきた。な、なんだよう、イタイのは柚香サァンの性癖で充分だぞ。


「か、勘弁してくれたまいよ柚香サァン……俺だって昨日大変だったんだから」

「何が、変態よ! 変態はあんたで充分よ!! あんまり調子に乗ってるとぶん殴ってあんたの顔の形状を常時アヘ顔にしてやるわよ!?」


どうして俺の周りには難聴系の女子が多いのだろうか。


「わかったわかった……分かりましたから。俺が悪かったですごめんなさい。しれで? 何があったのですか?」

「何かムカつくけれどまあいいわ。あのロリ会長……! 今度は『ホスト同好会』とか訳の分からない同好会の依頼を請け負ったのよ!」


ほ、ホスト同好会?

そんなドンペリとが出そうな同好会この学園にあったっけ?知らないが、どうやら柚香サァンはそのホスト同好会とやらにゲキおこのご様子。


「そんで、その同好会の部屋に言ったらあいつら……! 『ホストです』とか、こっちが何を言っても『ホストです』とか『ホストです』ホストですホストですポストですホストですホストです……お前らは一発屋の芸人かってーの!!」


柚香サァンは激高しながら両拳で机を叩く。

あ、あの……俺の机なんですけれど……あっ、ひひひヒビが入っちゃってるヨォ。


「何か複数人が『ホストです』とか言われてる内に腹立ってきちゃって。あいつらを思いっきり嬲ってやって、アヘ顔にしてやったわよ。そこそこのイケメンが『ホッホホホシュトゥでしゅうぅううう!!』とか言いながら這いつくばる姿は見てて爽快ね、アっハッハッハ!」

「何だ、思いっきりスッキリしてんじゃないですか。新しいセルフ尺八ですね」

「なななななっ……だ、誰がオ●ニーの金メダリストよ!! お前をアヘ顔にしてやろうか!?」

「ぎやああああああ、さ、さーせん! サーセン!!」


「た、大変だ! ケンケン! ゆずゆず!」


俺と柚香サァンが肉体的に戯れていると、教室のドアが思いっきり開き、電波同好会の会長、紅音さんが教室に入ってきた。周囲の状況は気にせず、つかつかと俺達の傍へとやってきた。な、なんだぁ……何かとっても嫌な予感がするぞ。


「なんだ、会長ですか。どうしたんですか、血相変えて。今からこのちん●スをたっぴらかすとこだったんですから、用件は手短にお願いします」


柚香サァンは俺の胸倉を掴みながら、紅音さんに向かってそう口にする。

た、たっぴらかすってなあに?ねえ、たっぴらかすってなんなのよ?訳の分かんない何か恐ろしい響きの方言を使うのやめたげてよぉ。


「奇跡だ……奇跡が起こった……! あ、あの……あの『水泳部』から応援要請が来たのだよ!!」

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