MOD同好会のお仕事その② 『VS.ハスにゃん』
「あっ、あ、あー!! ケツのアナリストにヤスデを孫の手で掻き回す人だ!!」
俺は後輩の女の子に前触れもなくいきなり人差し指で突きつけられ、暴言を吐かれた。
何ですかこれ、もしかしてご褒美ですか?しかし、俺はノーマルなので、美少女の罵詈雑言をご褒美でしゅ……とかに捉えられる良い神経をしていない。その人差し指ぺろぺろぺろりんぽしたろか、このアマ。
「ちょっ、ちょっと待ってよ。いきなり見ず知らず親知らずの先輩に向かってその言い草というか暴言は無いんじゃないの? それに、仮にも女の子がアナ某とか言わなーいの、メッ、メェッ、メエエエェッ!」
「羊みたいな悲鳴を上げないで下さいっ、キモチ悪い! それにナニを開き直ってるんですかこの虫●マニア! どうせ、今も『これがほんとうのけだものセ●レンズってやつだっ、みゃああああああ』とか言いながら、私の穴という穴にありとあらゆる節足動物をぶち込むつもりですね!? 社会的に殺しますよこの変態!!」
『おいおい、聞いたかよ今の……。あの先輩、一之瀬に虫●プレイを強要してるぜ……』(男根生徒A)
『虫●プレイとかやべえなオイ、今時の出来の悪いえーぶいでもやってねえよ。レヴェル高杉ない?』(男根生徒B)
『やだぁ……あの人、呼んだ方がよくない? 私、小鳥遊先輩呼んでクルー』(女子生徒A)
「お、おい!? ちょっとマテ! 今の話の流れで、先生じゃなくて柚香サァンを呼ぶのはおかしくない女子生徒A!? アッさてはきっしゃまぁ……アヘ顔ミントン部の手先だな!? お、お願いそれだけはやめてくだしゃぁああああ!!」
「聞・い・て・る・ん・で・す・か、この虫●マニア! そこに立っててください! 今からこの世に男として生まれ落ちてきたことを存分に後悔させてやるです!」
俺の慌てふためく態度が気に障ったのか、目の前のツインテール女子はファイティングポーズを取っている。お、男として生まれ落ちてきたことを存分に後悔させてやるです……?つ、つまり、去勢してやるですって意味ですかね。本来ならタマヒュン!するどころか、俺のヴェジタヴルスティックは何故か膨張していた。こらっ、もう一人の俺っ、メッ!とりあえず、寝技に持ち込もうとするもう一人の俺ッ、メッ!
「先刻からうるさい……いったい何なの……」
俺とツインテール女子が絶賛大モメ中の最中に、幽霊のようにフラフラとした足取りで俺達の元にやって来る女子生徒が一人。銀髪のクセ毛が異彩を放つ……ユッキーちゃんである。目を擦り、どこか上の空な様子からしてさては授業中に寝てたなこいつ。
「あっ、聞いて下さいユキちゃん! この虫●マニア先輩が私を性的に蟲を駆使して乱暴しようとしてやがるんです! 助けて下さい!」
「ぎやああああ、やめてっ! 事実無根な冤罪をワテクシに押し付けないで! あ、あとせめてその先輩の前の不穏な単語は除いてあげてねっ」
「……蓮希? それに何故か健にぃもいる……ふたりはプリッキュアー?」
ユキちゃんは首をかしげながらそんなことを呟く。
何言ってんだこの幼女。寝惚けてんのか。
「おい、ユキちゃん。このハスキーちゃんの言う事は出鱈目だ。だから、俺を助けてくれ。あとついでにこのことは貴方のお腹の贅肉がたっぷりなお姉さんには絶対に言わないであげてね、絶対、ニダ!」
「は、蓮希です!! ていうか、ナニいきなり名前を聞いた瞬間馴れ馴れしく呼び捨てしているのですかこの虫●マニア先輩! ぶっ殺しますよ!?」
「……よく分からないけれど。健にぃは蓮希に悪い事をしました……だからこの事は柚ねぇに報告するべきでせう……そういう解釈であってる?」
「ぜっぜぜぜ全然あってないんだよぉユキちゃぁん!? あ、貴方今まで私のナニを聞いていたノォ!?」
だっだめだ……柚香サァンにこのことがばれると俺は下手すると下手しなくても去勢されるぞ!
そして、おいしくソテーにして頂かれるのがオチであろう。ごめん、自分で言っててなんだけれどすんごいこう……喉の奥底の方から吐き気というか気持ち悪くなった。それは兎も角、今の状況は大変にまずい。いわば、ニ対一の状況だ。ワテクシの悪いところを存分に見てェ!公開オナニー状態である。
「オーケー、ホーケー。分かった、聞こう。要求は何だね? ハスにゃん……」
「ハスにゃんとか言わないで下さいっ、汚らわしいです! おぞましいです! 寒気がします!」
「ハスにゃん、お願い。健にぃのお話聞いてあげて」
「ユキちゃんまでハスにゃん言わないでくださいっ……むー、分かりましたよ……ちょっとくらいなら聞いてあげないこともないです」
ハスにゃんはユキに諭されて未だ納得はしてなさそうだが、頬をプクーッと膨らませながら上目使いで俺をジッと睨みつけてくる。……あ、ちょっと可愛い。何てことを本人に言った日にゃあ、俺は清く正しくイヤらしくご立派なご子息を切除されることだろう。
「こほん。では改めて聞くけれど、ハスにゃんは何がご所望かな?」
「お前の汚らしいちん●切り取ってやるです!」
あれ……話が……ぜんぜん続かない……ヨォ……?
「健にぃ、女の子に無理矢理、虫をアレにアレするのは……ちょっといくら何でもやり過ぎだと思う」
「先刻から何度も言ってるけれど、俺んな危ないプレーしてねーから!! いくら俺が変態だからってそんな異常なことする訳ないからね! だいたいそれ犯罪を超えて最早、性へのテロ行為だ!!」
「だからってソロでやるのもちょっと……」
「自分でもやらねーよ!!」
「ファッーはっはっはっ。まあ、プリケンはこうは言うが我は一度試したことがあるがなぁ……流石に自分のアナルタスにムカデを入れる寸前のところでやめたのだ……あれは実に冷や冷やもんじゃったなぁ……」
突然俺の方に誰かの手が乗る。
隣を見ると何故か高笑いしながら、べらべらと変態講釈するロン毛のグラサンが一匹。一之瀬某である。最近の登場回数が極端に少ないから下の名前をど忘れちまったぜ。
「……何でてめえが此処にいるんだよ」
「いやナニ。可愛らしい我のシスターの様子を見にきたでな。どれ、ハスにゃんよ……兄である我に報告してみよ……日の光がこの世界を闇へと導くまでにな」
右手で髪を掻き上げ、腰に左手を添えてそう宣う一之瀬某。
……お前はいったい何キャラなんだよ。
「は? どちら様ですか。私の家族はパパとママしかいないんですけれど」
ハスにゃんは毅然とした態度で、はっきりとそう言う。
うっわ、キッツイなこの返しは。ていうか、この娘、一之瀬の妹……なのか?一之瀬が虚言を吐いてるのか、単純にハスにゃんが嫌っているのかこの時点では判別がつかんな。
「ファーっハッハッハ……何を言っておるのだ、ハスにゃんよ。我は母乳は出せんぞ?」
容赦ないハスにゃんの言葉に対して一之瀬はドヤ顔でそう仰る。
暑さで頭がイカれてんのか、この男は。
「意味不明なんですけれど。ちょっと臭いんであっち行っててください、しっしっし。それより、先刻の続きです! 虫●マニア先輩! さっさと私にちん●を差し出すのです!」
ハスにゃんは真剣な顔して俺に向かってそう口走る。
痴女かな。そして、無慈悲な言動で傷つけられた一之瀬兄は『ファァアアアア嗚呼ッ』とか叫び、キリモミ回転しながら教室のグラウンド側の窓を突き破って外に飛び出していった。……ダイナミック自殺かな。まあ、この教室は三階だが一之瀬の野郎はあんなえげつない顔して異常に運動神経は高いから何とかなるだろう。
「だ、だからあ、そんなことできないって。第一、俺、君にそんなことした覚えないんだから」
「……まだ。思い出さないのですか、何て鬼畜で最低な野郎です……もう……いいのです……思い出さないのなら……思い出せるようお前の汚いちん●をこの場で切り取ってやるのです!!」
ハスにゃんは何かを決心したかのように目をぎらつかせ、獲物……いつの間にか手に枝切りバサミを装備していた。ファッ!?そ、その恐ろしい形の武器をどう使うつもりなんですかね。俺はケツの穴がヒュンッとなった。そしてその恐ろしい形の武器を装備した恐ろしい思考の恐ろしく可愛らしい後輩には恐ろしいくらい話が通じないと判断した俺はその恐ろしさに廊下へ避難しようと恐ろしい教室のドアへ駆け足で恐ろしく向かう。
「桃! 槌! 逃がすなデス!!」
「「はいっ、合点ショーチの助ですぅ!!」」
げげのげっ。
桃色ショートヘアの同じ顔した二人組の女子生徒が突然、天井から降って湧いて出た!そして、俺の逃亡経路を塞がれた!ちょっ……。
「ふっ、ふっ、ふっ。さあ……お前の罪を数えるのです」
舌なめずりしながら俺ににじり寄るハスにゃん。完全に悪人面である。
お、俺はど、どうなるんだあ……そして、この期に及んで俺の野菜スティックはボッキーしていた。




