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MOD同好会のお仕事その① 『VS.つるペタしこしこ同好会』

「どうもどうも、先程は儀式の最中でお目汚し失礼しました。確か……『MMR同好会』の皆さまでしたかな? 今日は我々、大いに歓迎いたしまするぞ」


部屋のど真ん中で亀甲的な縛られ方をしていたバンダナロン毛のソバカスガリ男が俺達三人に向かって、お辞儀する。パッと見、容姿は一昔前に流行ったオタク風である。まあ、それはいい。儀式?先刻のは一体何の儀式だったのですかね。うどん県民でも召喚する儀式だったの?あんな衝撃的な光景をショタが見ちゃったら脱糞しながら逃走する程のトラウマもんだわ。


「MMRって……どこのミステリー調査団よ。ていうか、お目汚しどころじゃないわよ、罰金ものよ、罰金。罰として全裸土下座しながらイキ顔で上の口に札束咥えながら『嬢王様、ワタクシメの締まりのない上のお口にあるゼニをお納めください、ハァハァ』とかやりなさいよ」


柚香サァンはパイプ椅子にどかっと座り、足を組みながら吐き捨てるようにバンダナロン毛に向かってそう口にする。只でさえ不機嫌の柚香サァンも地獄絵図を見せられて、初対面の人間に対しても全開である。


「ドピュッ!」


んっ?何ですか、今の奇声は?


「まあまあ。ゆずゆず、そうおこにならないで……それより、とりあえず初顔合わせ何だし、お互いに自己紹介しようよ。じゃあ、まずお姉さんからね! 『MMR同好会』の会長してる東条紅音だよ、ヨロシクネ!」


紅音さんはマルコメみたく右手を元気よく突き出す。

おいおいおーい、つられんなつられんな。自分の同好会の名前間違えてんぞ。


「ほうほう、成程……東条あかねたんですね、会長のあかねたんの回腸は絶快調である、と」

「じゃあ、次は会長のワタクシから……」


聞こえるか聞こえないかくらいのか細い声で最初にお辞儀した横の会員らしきバンダナロン毛のソバカス男がそう呟く。しかし、誰も何も反応せず無情にも時は過ぎ去ってゆく……。おい、誰か聞いてあげて、何かこの人言ってるよ。


「はあはあ、どうもです。ワタクシは『つるペタしこしこ同好会』の会長ヤラさせてもらっている●●××です。宜しこお願いします」


今まで口を閉ざしていたバンダナロン毛の小太り男がうだつの上がらない窓際係長みたいな口調で俺達に向かってそう紹介する。自己紹介なのに全面伏字とかそんなかわいそなことするのやめたげて。ていうか、先刻から思ってたんだけどバンダナ率高過ぎない?あとあと、何ですかその……すっごく卑猥なネーミングセンス。色々と危険だ……主にうちの会長が。あー、もー。ツッコミが多すぎて俺君、疲れちゃうぅ。


「きんもっ!! 名前すげーきんもっ!!」


柚香サァンは渋ガキを思い切り喰い散らかしたワン公のような渋い顔をしながら大声上げる。

やめなさい、そういう失礼なことは思ってても簡単に口にするのはやめたげなさい柚香サァン?


「どっぴゅるるる!」


おい。だから先刻から何なんだよ、その生臭さそうな奇声は……?


「こーら、きもいとか言わないのー……じゃあ、次はゆずゆず、言ってあげて」

「ふん、わかったわよ。『MOD同好会』のマネージャーやってる、山田花子やまだはなこよ。好物はアンタらみたいな家畜とかイケメン、それにショタとかのイキ顔を眺めたり撮ったり色々するのが趣味よ。そろそろ、帰ってもいいかしら?」


柚香サァンは腕を組み、太々しい態度を取りながらそう話す。

うーわー……ホントなんて憎たらしい自己紹介何でせうか。偽名使ってるし。柚香サァンの素性を知らない俺ならば今頃、ピッピ並みの往復ビンタを喰らわせてやるぞ、そのだらしのないパイ乙に、百万分の一くらいの確率でな。ていうか、そういうアレな趣味を人前で堂々と誇らしげにプレゼンできる神経が僕にはとても理解できないのでゴザイマース……。


「帰っちゃやだよゆじゅゆじゅ、まだ本題にも入ってないんだから。えっと、じゃあ、一通り自己紹介も終わったし、そろそろ依頼内容を聞きたいな」

「オ、オワッテナイ! オレ、ショウカイ、スル! ズット、マッテタ! オワッテ、ナイ、ゾ!」

「ねえ、紅音さん。こいつらの戯言聞いたら私だけ帰ってもいいかしら? 今日、ミントンの日なのよ」


俺はまさかのスルーにアフリカ原住民のように小躍りしながら必死に抗議する。

しかし、まるで初めからいなかったかのように当然の如く、皆々様は俺をムシキングする。む、無視しゅるなあ!お、俺は一応、これでも主人公なんだぞ!主人公はとっても偉……あれ?ところで主人公って何だ?


「はい、さっそくですが……我々、『つるペタしこしこ同好会』通称『つるしこ会』は手打ちうどんをこよなく愛し、つるぺたしこしこするうどんを多角的に愛する活動をこれまで行ってきたのですが」


へー、そういう同好会だったのか。良かった、名前聞いて一瞬、犯罪的な光景を思い浮かべたが割と普通な活動ではないか。……ん、いや、待て……これは果たして普通なの?うどんを自分の身体に縛り付ける連中が普通なのぉ?うっうーん、頭が……。


「ほー、にゃるほど。多角的に愛するとは具体的に?」

「はあ、具体的に、ですか……。例えばですがワタクシはつるぺたしこしこうどんを自分のブリーフの中に入れて毎晩寝ています」

「ほうほう、にゃるほど、うどんを自分のブリーフになかに入れて……寝る……」

「お、お゛ええぇ……」

「こらこら柚香サァン? 仮にも女の子がゲロゲス顔しなーいの」

「だあれがゲス顔よ!! ゲス顔はあんたよ!!」

「きゃん!」


俺は柚香サァンに頬をビンタされて、死にかけの犬のような鳴き声を上げてしまう。


「はは……自分の……下着に……うどん……? な、何でそんな意味不明な行為をするのカナ?」

「意味不明何てとんでもない。気持ちいいからやっているのです」

「え……。な、何て?」

「き も ち い い か ら ヤ ッ テ ヤ ル ノ デ ス」 

「お、お゛ぇえええ……えっぷ」

「はいはい柚香しゃぁん? 仮にも女の子がゲロクソ顔をしなーいの」

「だあれがクソ顔よ!! 肥溜めから生まれたアンタに言われたくないわ!!」

「ブッ!」


俺は柚香しゃぁんに頬に裏拳をお見舞いされて、脱糞中の豚のような鳴き声を上げてしまう。

に、二回も打たれた……ママとパパに打たれたこともないのに!いや、肉体的なダメージは無くても精神的なダメージはこれまで幾度となくしてきたな。両親のアレでやんちゃな光景を目撃した時が主に。それはともかく、うどんを自分のちん●に入れる?……何となく、ちょっぴり、ほんのちょぴり、いやびっみょーに……男として理解できなくもないかもしれないが、そういうことを女子のいる前で平気で話をする彼奴等は本当に理解できないです。俺もそろそろ帰っていいかな?


「まあ、他にも尿道に無理矢理、うどんを挿入してみたり、自由自裁に上の口から下のお口に出入り自由にさせてみたり……とにかくそういううどんを愛する同好会であるとご理解は頂けたかと思います」

「いや、全然ご理解できません……」

「ありがとうございます。ではそれを踏まえた上で……ワタクシ共、理解できないのです。毎晩、うどんと肉体的に精神的に触れあっているのですが……『つるペタしこしこ』感が一体何なのか、本当に理解が出来ないのです」


理解が出来ねーのはお前らの頭の中だ、と言ってやりたい。

何がありがとうございます、だよ。紅音さん、これあかん奴です、これとってもやばい奴です、俺はしかめっ面で紅音さんにジェスチャーを送る。紅音さんは苦笑いをしている。あかん、あれ、あの人、めっちゃ後悔してる顔やん……やん。


「は、はあ……(おねーさんもう帰りたい)」

「そこで、提案なのですが……我々が『つるペタしこしこ』感を実際に体感する為、そして理解する為に……どうか、『つるペタしこしこ』感が服を着て歩いている紅音タソの惜しみない絶え間ないご協力をお願いしたいのです」


つるしこ会のバンダナ連中らの眼は紅音さん一点に集中する。

…………。

あ、あっかーん!これ、ホンマにあかん奴や!ヤバい奴や!これ、あかんでホンマに!

幼気な僕らのお姉さんである紅音さんがモザイク的にやばいことになるぞ!


「あ、ア……あ、た、たいさんたいさん退散ー! 閉店、がらがらー!!」


身の危険を感じたのか紅音さんは脱兎の如く、部室から俺達を残して走り去ってしまう。無論、俺と柚香サァンも当然の如く後に続く。


「あっ……! 待ち、待ちなさい!!」


『つ、つるペタしこしこ萌ええええ゛え゛え゛え゛エ゛え゛ヴェエエエエエエ』


部室から出た瞬間、部屋の中から奇声が聞こえてきた。

いっぺん燃やしたろか、この部室。


──翌日の放課後──


同好会活動が失敗に終わったその翌日。

俺はユキが生息するクラスルームの前まで来ていた。……別に勘違いをするな、ユキと一緒に帰りたいのぉとかそういう乙女心満載な下心で来たわけではないんだからねっ。えむなんたらかんたら同好会の会員確保のためだ。灯台下暗し。ユキちゃんは確か多分おそらく絶対に部活をやらず、帰宅部のはずである。柚香サァンはユキを狙うなとか訳の分からん姑みたいなことを言ってはいたが、一番誘いやすい無所属のユキを誘うのは誰がどう考えても巧手であろう。ユキちゃんなら最初は嫌がるだろうが、チュロス一本渡せば何とかなるだろう。そして、教室のドアを開き……う、うーん。自分のなじみのない、下級生の教室はちょっとどろこか大分入りにくいぞ。どうしたものかと悩んでいると、突然独りでにドアが横に開いた。あ……中から誰か出てくるのか。ちょうどいいや、このタイミングで中にユキがいるか確認してやろう。


「……あ。と、突然、す、すみません……ここに小鳥遊ユキとか言う可哀想なぼっち娘はいませんか?」

「……はい? えっと、貴方は……えっと? えーっと……ん、ん……ん~~? あ……」


ドアが開いたそこにいたのは黒髪ツインテールの女の子だった。

知らない顔だが……ほうほう、今どき珍しい髪型をしているな。じゃんけん総選挙的なアイドルを目指しているのかな。俺はほのぼのとした気持ちでそんなことを考えていると。


「あっ、あ、あー!! ケツのアナリストにヤスデの人だ!!」


いきなり、謂れのない暴言を吐かれました。なんでやねーん。

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