『ねえ、ママ……えむおーでーどうこうかいってナニするところなのぉ?』『それはね、両刀使いよ』
私立鬼頭相武高等学校校則第百十七条より抜粋(原文ママじゃない)
學園内の部内活動及び同好會のすべからく下限參人の員數で行うべきである。前述の条件を滿たさぬ下手人及び松阪健児は私立鬼頭相武高等學校學園長の名の下に私罪を云ひ渡すので覺悟するがよろしをすし。
「つまりだ。お前らMOD同好会は今のままだと定員に満たさないので、このままだと健児が●される」
「悲しいねえ、ケンケンがもうすぐこの星の人じゃなくなるなんて……お姉さんはケンケンがいなくなってもずっと……? うん、ずっと……ずっと……? きっと……たぶん……忘れないかも」
「棺の中で安らかなアヘ顔で眠っているアンタの顔の周りに生前、私が撮りダメしたイキ顔写真とロリ裏ビデオを山盛りてんこ盛り入れてあげるからね」
「あれ? いや、何かおかしくないですかね開始早々からその校則と会話の流れ。やめて、そーいうシャレにならないいじめはイクナイよ貴方達。特に、柚香サァン、あなた酷すぎ」
倫は俺がヤバいという言葉を発した後、上記の校則をつらつらと述べ、脅迫してきた。
何だよ、俺の中で倫は真面目が服を着て歩いているような存在だと思っていたが、結局はそこいらでイン●ン座りで煙草をふかしている舐め猫と同じようなもんだったのかよ。まあ、それはともかくどうやら倫と紅音さんが俺の家に朝から訪ねてきたのは同好会関係の事のようだ。
「んっ、まあ、健児が殺されるというのは冗談かもしれないとして……このままだとMOD同好会がおじゃんになるということははっきりしている」
「かもとかやめたげて、そこもはっきりしたげて、健児きゅんが殺されないってそこははっきりと断言しておくれやすぅ……」
「ひい、ふう、みい……あれ? でも、私とケンケン(故)、ゆずゆず……ちゃんと三人いるよ、いるじゃん先生。ゲームクリアだよ。ロリが増えるよやったネ! ケンちゃん」
どこが、やったネ、やねん。だれがケンちゃんやねん。
しまいにお前をやったろかしかし。
「東条……小鳥遊はマネージャーだ。マネージャーは会員の数に含まれない。よって、校則百十七条の条件をクリアしていないのだ」
「柚香サァン? 貴方……やってみない? うちの正部員、いや是非やっておくれよワタクシの命の為に。ていうか是が非でも絶対やってくださいお願いします柚香しゃまぁこの通りですぅ」
「いやよ。何でこんな複雑怪奇で奇天烈な同好会の会員に私がならないとダメなのよ……それに、私はミントン部の部員でもあるの。掛け持ちは禁止されてるのよ」
俺が土下座で柚香サァンに会員になるようにお願いしても、柚香サァンは頬を膨らませてソッポ向く。じゃあ、その複雑怪奇で奇天烈な同好会のマネージャーをしてるお前は何なんだよ。くっそー、な、何がミントン、だよ。どーせ、イケメンズがスマッシュした際の顔がイキ顔にそっくりぎゃっぴぃいいいビクンビクンッ……とかそういうのだろ。何て薄情なメス猫なんだ。今の俺は北極で顔見知りのゴマアザラシにいきなり思いっきりシバかれたような面持ちであった。
「というわけだ。ケンケン(亡)、あきらメロン……」
紅音さんは悟ったような顔をして、俺の肩に手を置き、首を横に振る。
「あ、諦められるか! 人事だと思ってこのようぢょはホンマに! 大体、この同好会作ったのは貴方ですよ、貴方! このまま人が足りないと同好会自体が潰れちゃうかもしれないんですよ!? 探しましょうよ会員になってくれる奴!」
「え゛ー……無理だよー、無理ゲーだーよー。みーんな同学年の子はもう他所の部に入っちゃってるよ。この時期に部活に入らず残ってる奴なんか、虚無僧に扮した生徒か変態しかいないよふぁあ……あ」
紅音さんはテーブルに顎を置いたまま前のめりになり、怠そうにして欠伸をしながらそう口にする。こ、この、ガ……キ……んちょ。その人間様を舐めに舐め切った態度に業を煮やした俺は、欠伸をし開いた雌犬の口内に思いきりベジタブルスティックを突っ込み、『おらおらっ、俺の野菜スティックはうまかろううまかろうっ』『げぼぼぼぽぽぽっ、くる、くるちぃ……よぉ』……とかそういうのはやっていない。
「いや、そうとも限らないぞ東条。お前や健児の同学年の奴はもう流石に部活やってるだろうし、入ってくれないだろうが……」
「あ、そっか。『一年生』……私たちの後輩何かは青い果実みたく食べ頃で、健児の摘み食いにはもってこいな相手ですね。じとー……」
「い、言い方! あ、あと、柚香サァン!? 『ほら、お前の大好物なロリだぞ、喰えよ』みたいな顔して俺を見ないであげてくださいっ! 貴方の中では俺=ロ リ コ ン とか不名誉な方程式が成り立っているだろうけれど! 違うから! ホントそういうのじゃないからね!」
「ユキを狙ったら埋めるわよ」
「やだ……犯罪者……幼き肉体に溺れる浮浪者……ロリスナイパーケンジ……」
「紅音さんんん!? 先刻から悪乗りしすぎだろアンタら!!」
柚香サァンは女子らしからぬ指の音をポキポキ鳴らしながら俺を威嚇し、紅音さんはドンビキ気味の表情で後ずさりしながら俺との距離を取る。いいもん!いいんだもおん!この方達が非協力的な態度でも俺は何が何でも未来の俺と伊藤の為に、新しい会員を誘ってやるんだ!
「あとな、最近お前ら活動してるか? うっすいぞ……」
「うすいとは健児のお尻の穴のまわりに生えてる毛のことですか先生?」
「う、うすかないわ! い、いやっ、うすいです! って真顔でふざけたこと言うのやめてもらえませんかね柚香サァン!? 同好会の活動の事だろ!?」
「あ、それなら良い報告があるよケンケン。是非、うちの同好会の助けが欲しいって依頼が来たんだよ。今日の放課後、私とゆずゆずとケンケン(無)の三人でさっそく行ってみようか」
「先刻から思ってたんですけれど、ケンケンの後にそれっ……! 余計な一句を入れるのやめてもらえませんかねっ」
「うむ、兎にも角にも時間が無いぞ。会員確保と活動の活発化……期間は三日だ。三日以内にこなせ。じゃないと私の今月の高給がげふんげふん」
え。何か最後の最後に無茶な振りがきたんですけど。
あと、最後ので台無しだよこのヤンキー幼女。俺は理不尽です理不尽でしゅうと心の中で念仏のように唱えながら、白米の神様を喉に流し込んだ。
おさらい。
くえすちょん:えむおーでーどうこうかいってなにするところ?
あんさー:りょうとうづかいだよ。
─放課後─
「よーし、ケンケン! ゆずゆず! ここが本日の活動の場だよ!」
授業の終わりとともにすぐさま俺と柚香サァンは紅音さんにとある部屋の前まで連れてかれた。
じつのところ、朝から今の今までどんな助けが欲しいのか、そしてどんな部活なのかすら紅音さんから教えられていない俺と柚香サァンは俄然やる気が出ない。というより、柚香サァンなんか明らかに眉間に皺が寄ってて、『私に触れるな』的なオーラがビンビン……あいたたたた、や、やめて!人様が見えないところで俺の背中のお肉を思い切り抓むのはやめてあげて柚香サァン!
「たーのもー!!」
俺が柚香サァンに陰湿ないぢめを受けてる最中、紅音さんは思い切り目の前の部屋の戸を開いた。
「「「うっうどん萌ええええ゛え゛え゛え゛エ゛え゛ヴェエエエエエエ!!」」」
部屋の中にはうどんの麺で亀甲的な縛られ方をした男子生徒とその男子生徒を中心に大声で斉唱する輩共がいた。俺はもうこの学校はだめなんじゃないかと思いました。




