ラッキースケベはポケ●ンのラッキーがオナペットに使用されるスケベという意味ではない。
「なーにー! 結局、なーんにも進展がなく何食わぬ顔してのこのこと帰って来たのかこーいーつー!」
リビングで待ち構えていた水着エプロンのお姉さまに本日のありのままの出来事をありのままに素直に裏声で報告した。案の定、怒り心頭の凪咲さんは俺の頭を両手でつかんでゆっさゆっさとシェイキングしてきた。ぐぉおおおっ、ゆれるゆれるゆれちゃうっ、俺の脳汁ジュースができてしまいます!
「仕方なかったんだよう! そういう雰囲気じゃなかったし! 途中で謎の仮面痴女にエンカウントするわ、そこに大人しくお座りしているちびたんを筆頭にマツケン(※松阪健児の略。暴れん坊某ではない)の愉快な仲間たちに邪魔されるわで散々だったんだよ!!」
「もふもふ……凪咲の作るカレェはやっぱりおいひぃ……」
俺が指差す先には、テーブルで淡々と水着エプロンが用意したカレーを垢抜けた小動物のように頬張るユキちゃんがいた。ねえ、ユキちゃん?何で我関せずみたいな顔して人んちでエサ食いながら居座っているのカナ?今俺がこの目の前の水着エプロンのモンスターに面倒臭い絡み方されているのは貴方にも一因があるのよ?
「がうがうっ! なーにが、『そういう雰囲気じゃなかった』だ! お弁当を用意してくれるなんて、『私を食べて』って言ってるようなものじゃない! 自分の失敗を棚に上げて、人の所為にするただのヘタレオナニーの求道者の言い訳なんかは聞きたくないのだ!」
「だ、誰がおなっオナニーの求道者やねん! 妄想が爆発しすぎィ! 世の中にそんな都合の良いエロ担当のヒロインみたいな女子はおらんわい!!」
「いるじゃないっ! あんたのお姉さんっていうヒロインが! お願いしてもしなくても、悦んで赤さんのようにつぶらな瞳でペロペロとしゃぶってくれると思うよ」
「やめてっ、あの変なイキ者をヒロインって言う枠組みに入れるのはやめてあげてっ。あとそういうクソきもくて生々しい行為をゆうのはやめてくださいっ」
「えっ。クソきもていぃ? うーわー……」
「貴方のお耳、遠すぎやしませんかねっ」
本日の失敗について弁解しても、凪咲さんのマシンガントークで捲し立てられる俺。
言い訳をするつもりはなかったんだ。しかし、伊藤に自分の気持ちを伝えられなかったのも事実。お、俺だって交通事故みたいとはいえ、一度は告白したんだっ……クソ寒いギャグで有耶無耶にしちゃったけれど。その俺君の毛虱みたいな勇気を少しくらいは評価してほしい!なんて、凪咲さんの前で思いの丈をぶちまけたらカレーを顔射されそうなので、グッと我慢する。
「ていうか前から思ってたんですけど、凪咲さんには関係なくないですかね俺の恋愛事」
「関係なくなんかないよっ」
「い、いや、どうしてそんなこと言い切れるんで」
「知るかっ、関係なくないったらないっ」
凪咲さんは俺の台詞を喰い気味ではっきりと断言する。
あ、あの、せめて俺の台詞が言い終わるまでちゃんと聞いてくれませんかね。お袋と大分方向性は違うがこの方も全然俺の話を聞いてくれないよぉ。この面倒くさい方に面倒くさい絡み方をされるのは、石臼に頭を削られるような精神的疲労が生じる!俺は話題を変えることにした。
「そ、そういえば。あの昭和の壊れたラジカセみたく喧しい姉貴がいないな……凪咲さん、何か知ってます?」
「ああ、何かさっき警察から連絡があってさ。芝生公園で変な恰好してショタに絡んでて補導されたみたいだよ。厳重注意ですんだからお姉ぇと義兄さんが警察署まで迎えに行くらしいけど」
凪咲さんはケロッと淡々に俺の質問に答える。
な、何やってんだあのクソ姉貴は……マジキチ姉の行動原理は不本意ながら生物学的に一応血が繋がっている俺をもってしてもよう分からん。ていうか、今帰宅して来たときにあの俺達を産み落とした方達、玄関先で仲良く心中プレイしてましたけど……いいのか?まあ、いいか。
「ていうか、そんなことはどうでもいいよ! それで? 私がお願いしてたフェ●ガオのバッグは買ってきてくれた!?」
「フェッフェラ●モねっ、フェラガ●! い、いや……それが……」
凪咲さんは物請いのように両手で待ち構えている。
うっ、言い出しにくい。もとよりブランド物を買う資金は俺のクソみたいな貯蓄では無理な話なのだが、その代わりに女物の水着を買ってきましたとは言いにくい。ていうか、いくら凪咲さんとはいえ女子にはいこれプレゼントといって笑顔で水着を渡すのは初めて一人でセクキャバに入るくらい難易度が高いぞ!
「なにもじもじてんの。これ?」
俺がそわそわしていると、凪咲さんは俺の持っている水着の入った袋を奪い取り、中身をその場で確認する。あぁっ!そんなっ、心の準備が……俺は罵倒と暴力を受ける準備をした。
「…………」
「ううっ……許して、許してください、堪忍、堪忍して、許しちょーだい、許しちって、ゆるしてちょんまげ、許シツェ!(;゜Д゜)、言午ι乙、原諒、ยกโทษให้、माफ कर दो……」
「いいじゃん。わーい、ありがと」
「…………は? えぇ!? い、いいのっ!?」
「何、驚いてんの。ケンとタマキンちゃんが選んでくれたプレゼントでしょー。嬉しいに決まってるじゃん。じゃあ、さっそく……よいしょっと」
凪咲さんは嬉しそうな仕草をすると俺の目の前でエプロンを脱ぐ。
そして、水着を肩口から下ろしいくと、白い肢体がt
「って、ちょちょちょちょーっと、まままままったああああああ!! な、なななな何してますのん貴方!?」
「んー、何さ、ケン? 何って、せっかく水着買ってくれたんだし、試着してみようかと思ったんだよ。サイズ合わなかったら困るし」
「べ、別の部屋でヤリなさいっ、野獣の目の前よ!!」
「あははは、野獣って大げさだなー。私気にしないしー、ていうか私のとってケンってペットみたいなもんだし。エサ食べて、うん●出す製造機みたいな」
「ひでぇ! 人間扱いすらされてねえ!!」
い、今の凪咲さんの発言は許されんっ。
無性にムカついた俺は、今まさに目の前で産まれたままの姿になりつつあるメス豚を乳輪じゃなくて蹂躙してやろうと、じわじわと凪咲さんに近付き…………できるわけないよねっ!自分で言うのも何だが僕ちゃんヘタレだし!あと、これ十発禁じゃないし!そもそも、やろうとしても彼女、KARATE家だから絶対に返り討ちにあうだろうし!俺は出来ない理由を頭の中で並べて、とりあえず膨張した野菜スティックを鎮めようと、頭の中で半裸の凪咲さんを滅茶苦茶にしてやることにした。
「健にぃー、何してんの、早く凪咲のカレー、一緒に食べよー」
頭の中でモザイク行為を妄想していると、後ろからナニか柔らかい感触が。
ユ……キ……ちゃ……ん?俺はいきなりユキちゃんに抱き着かれた衝撃でバランスを崩し、前のめりになる。
ぽよんっ。
「アッ」
「あっ」
俺の声と凪咲さんの声が重なる。
そして重なったのは声だけでない。前のめりになったが、倒れることは無かった。支える物があったからだ。そして、右手に支えるものが……柔らかいマショマロのような感触が。恐る恐る右手の先を見ると。俺の右手はラッキースケベよろしく、しっかりと凪咲さんの左の生乳を掴んでいた!
「わあああーー!! 変態! 変態! 変態! ケンのスケベ!! エッチ!!」
「ち、違う……こ、これは、その……不可抗力ダッ」
「ひ、ヒィ……! ケンはただのペットだと思ってたのに……えっち! ケンはタマキンちゃんと一緒になるべきなのに! こ、こんな……こんな、えっち! えっち! えっちん●!」
「だ、だから違うって!! あと、罵倒しながら言葉の節々に下ネタ挟むのやめて!!」
「け、ケンは……タマキンちゃんを狙っていると見せかけて実はわ、私の身体目当てだったのね! こ、こんな、だまし討ちみたいな行為は酷いよ!!」
「妄想が暴発しすぎィ! お、落ち着けって凪咲さん! 今のはユキちゃんが俺を抱き着いてきたから、倒れて触っちゃっただけだよ! 所謂、世間的に言えばラッキースケベ!!」
「ら、ラッキー……? ラッキーみたいなたまごの生乳を揉みし抱くのが俺の夢だった……? ヒィイイ! やめて、ケン! お姉ちゃんを犯さないで!!」
「だっだめだっ……この方、全然俺の話を聞く耳を持ってねえ!!」
凪咲さんは脱ぎかけの水着姿で生乳を両手で隠し、ジリジリと後退しながら俺との距離をとる。俺は俺で誤解を解こうと凪咲さんとの距離を詰める。そして、ユキちゃんは俺を後ろから抱きしめながら『ごはんごはんー』と唸っている。あれっ!?何か世間的に言えば、誤解を招きそうなシチュエーション!?
「あんた達……何、やってんの……?」
そして、こういうタイミングに聞き覚えのある幼馴染の声が。
俺はその声の発信源に向かって、振り向くと。俺の視界には凄い勢いで迫りくる脛がアッ。




