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主は言いました……私は女性の水着そのものよりも、その中身に大変興味があるのだ。ただし、ロリが着る白スク水着は大変良いものだ。あと、全裸靴下は外せない、と。

俺は今、モーレツに後悔している。

伊藤と共にワクテカ気分でオサレな百貨店に入った。今の今まで伊藤だと思っていた人物は実は着ぐるみで中から出てきたのはハゲテカおやぢでしたおぎゃあああ的な超展開にはなっていないから、そこまではまあ良しとしよう。というか伊藤の手がマシュマロみたいに柔らかくて気持ち良かったです。違う、そうじゃない。


伊藤と共にやって来たのは水着売り場、女性ものの。

俺はおば様方やお姉さま方からの好奇の視線に晒されています。ついでに、俺が挙動不審になっている所為かお姉さま方からのクスクス声が聞こえてきます。お、俺は一体全体どうしてこのようなピンク色な場所にいるのでせうか?ちょっと背伸びしてみたけれどやっぱり分不相応で辱めを受ける中学生の図……。


「えっと、一応参考に聞きたいけれど松阪くんの親戚の女の子ってどんな色合いのものが好きか分かるかな?」


ていうか今更ながらちょっと俺君、冷静になって考えてみます。

いくら親戚の女の子のプレゼントっていう設定があるからって水着を選びますか普通(いいや、選ばないでせう)。水着だぞ、水着。言い換えれば下着モドキだ、しかも異性の。彼女ならまだしも何で親戚の女子に下着モドキをプレゼントするんだよ!サイズとか……何で分かんだよ!ヒクわ!ドン引き!明らかに俺君のプレゼントチョイスミスっちゃってるYO!


「あの、もし? 松阪くん?」


あと、このおかしな状況である。

客観的には恐らくは俺と伊藤は恋人同士に見えるだろう。うんうん、俺にとっては非常に喜ばしい事ではあるのだが、現実は圧倒的ノォ……ッ!俺と伊藤は親戚の女の子の下着モドキプレゼントを選んでもらっている只のクラスメイトな関係である。本当に何ですかこの状況?口には出していないが伊藤もこのおかしな状況に不審がっているのではなかろうか。


「松阪くん、松阪くん、わっ!!」

「おわっ、はっ、い、伊藤。ど、どうした? 大きな声を上げて……」

「どうした、じゃないよもう~。松阪くん、私の話聞いてるかな?」


伊藤はいきなり俺の耳元で彼女なりの精一杯の声を上げる。

びっくらこんな俺は何事かとそちらの方へ振り向くと、伊藤は頬を膨らませ、俺を上目遣いで睨み付けるではないか。睨み付ける、といってもぷんぷぅん!といったコリン星からかぁいらしい擬音が聞こえてきそうなソレである。つまりはタマキたんマジ天使はあはあ天使。


「あ、あぁ……み、みず、水着ね。こ、これなんかモーレツにいいよね」

「ふぇっ!? ま、松阪君、そ、それ」


俺は適当に見ずに選んだ水着を伊藤に見せつける。

すると伊藤は可愛らしい悲鳴と青白い顔色をして俺のセレクト水着に指を差す。


「うおおっ!? なんじゃこりゃあ!?」


俺が無造作に手にしていたブツは白スク水着(しかも小学生仕様の)であった。

な、何故にこんなアダルト的でブルセラ的なとんでもエロスアイテムがこんなところに普通に陳列しているんだよ!!一万七千円……しかも高いし!こんなもん持ってたら俺の人間性が疑われるわ!俺は慌ててドエロアイテムを元の位置に戻した。


「松阪くん……」

「い、いやっ! ち、違う!! こ、これはその……違うんだッ!! 俺は違う!!」

「何が違うかよく分からないけれど、うん……。うん、じゃ、じゃあ、次、いこ……?」

「何その腹に落ちてなさそうな顔!? いっちゃダメぇ!! ちっがぁあああうのぉおおお!! 伊藤、何か誤解してるだろ! 俺はッ、そういうのじゃないの! ワテクシ、そういうのじゃないのぉおおおお、イッチャだめなのぉおおお」

「わわわっ……! お、落ち着いて松阪くん! ま、周りの人が、ほら、見てるよ!」


俺は必死になって先に行こうとする伊藤を止めて、伊藤の両肩を掴み弁解する。

あかんっ、あかんでぇ、この娘をこのままイカせたら!イカさへん……絶対にイカさへんでえ!!と、いきなり俺と伊藤の間に割り込む輩が現れた。


「お客様。店内でロリ白スクを美少女に見せつけ、充血した眼でケダモノのような声を上げて『イク! イク! 見てくれ俺のイキ様を!』などと連呼されるような犯罪行為はご遠慮ください」

「そ、そんなことはしてねえ!! って、お、お前は……柚香サァンじゃないディスか!?」


一瞬、お客様とか言われるものだから店員さんかと思ったが、よくよく見れば柚香サァンがそこにいた。メガネにマスク、そしてポニーテールからして何か変装してませんかこの人!ど、どーしてこんなところに柚香がいるんだよ!何かの陰毛じゃなくて陰謀としか思えねえ!


「柚香、などという瑞々しいショタのアへ顔収集家である超絶美少女はご存知御座いません。とりあえず、イキ顔を私に見せてください」

「やっぱり、柚香サァンじゃねえか!! 瑞々しいショタとか気色悪い事言うな!!」

「……うるっっさいわねっ!! 肥溜めに堕ちておっちね! このアへ顔信教の狂信者め!! タ タ ラ レ ヨ」


柚香サァンは怒りの頂点に達したのか、その場でメガネを地面に叩きつけ、中指ファ●クしながら謎の捨て台詞を吐きつつ、その場から立ち去っていった。


「沸点低すぎィじゃないですかね! もう隠そうともしてないだろ! って、あ! い、伊藤……ご、ごめん、俺、興奮しちゃって……」

「うん。松阪くんは興奮、しちゃったんだ」

「いや、あの、ほんと。後生です、お願いですから勘弁してくだしゃい」

「ふふっ、ふふ……大丈夫だよ松坂くん。冗談だよね。わかってるよ」


伊藤は少し舌を出して悪戯好きの子供のような顔して見せる。

ああ、その天使のような笑顔に私の心は救われるのです……。俺は気を取り直して、というか開き直って水着を選ぶこととする。一応、親戚の女の子もとい凪咲さんのプレゼントって名目だったよな。あの人がどんな色合いかつ水着が好きかなんて知らねぇぞ。どどめ色の水着とか?


「あのね、私のおすすめなんだけれど、こんな感じのはどうかな」


伊藤は自分のチョイスした水着を俺に見せてくる。

淡いピンク色のヘソや胸を体の大部分を覆い隠すキャミソール水着であった。人妻げふんげふん大人っぽさが匂い立……げふんげふん漂う水着に意外性を感じはしたが、よくよく考えてみるとあまり自己主張しすぎず、そして可愛らしい女の子が着るような色合いの水着にああ、伊藤がチョイスしたんだなと自然と心で納得できた。


「ああ、いいね。そ、それじゃあさっそく着てみてくれないかな、伊藤」

「うんっ、いいよ…………え?」


一瞬、二つ返事したが次の瞬間、ハトが豆鉄砲を思いっきり喰らったような顔になる伊藤。


「えっ、え、えっ、わ、わた、わたしが…………き、着るの?」

「う、うん。着るの」

「えっ、えっと、えっと…………な、何で?」

「あ、いや。い、一応な。着てみた時の感想を聞いておきたいんだ。触感とか着心地とか……ほ、ほらっ、一応女の子に渡すプレゼントだしさ、自分でチョイスした水着を見ときたいっていう男の子特有のシモ的心理なんだ」


お、俺は自分でも何を言っているのかよく分からんぜ!

しかし、伊藤の水着姿は是非見たい、是が非でもこの眼に焼き付けておきたい、ついでに別の媒体にも焼き付けて永久保存しておきたい。そんな、エロ男子高校生の今日この頃です。


「男の子にはそういう心理があるんだ……そっか、そうなんだ。わ、わかった、私、し、試着してくるね」


伊藤は何かを決心したかのように胸の前で両の拳を握り、少しほほを染めながら俺に向かってそう言う。や、やった!YATTA!い、伊藤の水着姿が拝めるぞお!俺はこの悦びを葉っぱ一枚になって小躍りで表現したいところではあるが、またあのアフェ顔の教祖がどこからともなくやって来るか分からないので止めることにした。


「きゃあああ!!」


心の中で小躍りしていると、突然、試着室の方から伊藤の悲鳴が俺の耳に飛び込んできた。

な、何だあ!?ま、まさか、この神聖なる下着モドキ売り場で防寒ならぬ暴漢か!?俺は伊藤を魔の手から救うために、試着室の方へチョ●Q並みの馬力で駆け出す。……そして、四つ試着室があるが、幸いカーテンが締まっているのは右から二番目の試着室だけである。俺はカーテンを思いっきり開く、


「大丈夫か伊藤!! 何が、あっ」

「うっ、うぅおおおおう…………高校生でこの弾力、そして張りと艶と色、かぁ。す、すげーなぁ……おねーさん、世界はまだまだ広いんだなってことこの歳になって学びました」

「や、やだ……や、やめて。やめてください、東条先輩……こんなこと、こんなこと」

「ぬふふふ、東条パイセンやめなーい。おねーさんにこの余計な脂肪を分けてくれたらやめたげるよ、ふわああああ、枕にしてやるー」

「そ、そんな……酷い、ですっ、やあっ」


……。

試着室のカーテンを開けるとそこは百合園の学園状態だったケロ。

着替え途中なのかショーツ一枚だけの伊藤がこれまた何故か下着姿の紅音さんに豊満なお、おぱーいを揉みくしゃにされ、さらには枕替わりにされるという何とも嬉し羨まし鼻血ブゥーな光景が目の前にあったんだケロ。い、いかんいかん、出歯亀軍曹になっている場合ではないぞ。


「や、やめ…………あ」

「アッ」

「ん? あ、ケンケンいたんだ。ヤッホー」


今まさに揉みくしゃにされている伊藤と茫然と突っ立っている俺の目と目が合いました。ついでに紅音さんも伊藤の胸におイタしながら俺に挨拶してきます。


「や、やっぽ~……」

「…………」

「…………」

「何なのさ? このお見合いみたいな気まずさ満開の沈黙」

「き、きゃあああああああああーーーーーー!」

「お、おわあああああああああ、ごめんなさい!」


耳を劈く様な悲鳴を上げる伊藤を背に俺はその場から逃げ出してしまった。


──一分後──


「ふ、ふうっ……ま、まずったなあ。こ、これじゃあ、俺が覗き犯みたいじゃないか」

「みたい、じゃなくて覗き犯そのものだよ、ケンケン」

「健にぃのエッチ、変態、スケベ、すけこまし、変質者、不潔の王子様、お下劣の貴公子、性犯罪者、鬼畜者」

「って、うおぉわおあああ! なっ、紅音さんに、ゆ、ユキちゃんまで!! い、いきなり出てくるな!! びっくりするわ!!」


試着室から少し離れたところで待機してると後ろからいきなり二人に声を掛けられる。

紅音さんとユキちゃんである。ていうかユキちゃん、ちょっと言い過ぎィじゃないですかね!


「って、うわあああい! お前ら服、服、服! な、何で平気な顔して下着姿で突っ立っているんだよ!! 痴女か!!」

「な~にを言ってるんだい、ケンケン。これは……水着だよ?」

「そうだよ、ケンにぃ、これは、まごうことなき水着。馬鹿には下着に見えるという特性を持っているらしい……」

「そっかあ……絶対、あんたら馬鹿にしてるよね、俺君を小馬鹿にしてますよね?」

「そして……。健にぃが伊藤という女子に二度となびかないように呪文を今からかける…………悩★殺」


そして、ユキちゃんはナニを思ったのか残念な小ぶりのお胸を寄せて上げて、ウィンクする。


「…………プッ」

「あっ、あああぁ~~!! け、健にぃが笑ったあ!! 私の事、馬鹿にしたあ!! 酷い!! コロス! 健にぃをコロして私もしぬ!!」

「プッ、ぷはははっはは!! い、言い過ぎだろ! ……へぁ!?」

「け、けけけけけんじぃ~~……な、な~~んで、ユキが下着姿でアンタに寄り添ってるのよ~~……『ぼくちんのぼくちんをその小ぶりにはさみこんでキモチE-』とかしようとしてたでしょ!?」


ユキの背後に金棒を持った鬼が仁王立ちしていました。

な、何でいつもこんな都合よくこの方はアッ、金棒が眼前に現れた瞬間、俺はそこで意識を失った。

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