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『お姉ちゃんと妹(♂)のすゆことぜんぶ。(仮)』

俺は戦慄した。


『んじゃあ、けんけん。お姉さんのビキニをマジマジみっ……見ながら、そのっあの……あははっ、そ、そこを……ぼっぼぼぼぼ……勃●して……ね?』


俺の半端にそそり立つテントをチラチラ見ながら紅音さんは少し頬を染めて、そう口にした。恥ずかしいなら言わなきゃいいのに。じょ、冗談じゃないYO、どこの企画モンだYO!物凄く不穏でピンクな気配を感じた俺は(特にキチ姉から)、命の危機を感じ取り、逃亡したのだ。『肉棒ビーチフラッグ対決』とかビニ本かえーぶいで自分が鑑賞するのは良いが実際に自分がやるのは別。男の勲章をポキィって折られたらたまったもんじゃあない。まあ?俺の愛天使もとい伊藤が優しく……その、にぎにーぎ……ぬあああっ、だめだ!!それは完全にエロ杉くぅぅんだし、俺の心がボッキーする!!


いきなり駆け出した俺の背後から何やら黒い気配が。

走りながら後ろを振り返る。獣のようにはあはあと荒い息を吐き、涎を垂れ流し、さらには血走った眼で、鬼気とした表情で、マァアアアアテェエエエとか言いながら俺を追いかけてくる姉貴。うっうぎゃああああっ、完全にホラー展開だ!!怖えぇっ!!俺は誰かに助けを求めてカール・ル●スの如く砂浜を滑走する。逃げなきゃヤられる逃げなきゃヤられる逃げなきゃヤられちゃうんだよぉ……そんな俺の切なる必死な願いが通じたのか、はたまた姉貴の呪いに打ち勝ったのか、どどめ色なオーラはいつの間にか背後から消え失せていた。


「うわぁああんっ、タスケテ、ユキえもん~~!!」

「……ぷいっ」


もう誰かに助けを求める必要など、自分の部屋の隅っこの方に落ちている陰毛くらいどうでも良い事なのだが、俺の視界に一人黙々と潮干狩りを楽しむ幼馴染が映ったのでふざけながら声を掛ける。しかし、先程の件があってか俺が声を掛けてもつんけんとした態度をとるユキちゃん。


「ご、ごめんってば。先刻の俺はどうかしてたんだ……多分、あの時、俺にイケない悪魔が憑りついていたんだよ。だからどうか許してくださいマジでホントお願いしますあとそれから貴方様のとっても怖いお姉さんにはどうかどうかご内密にしてくださいほんとにおねがいしまっしましゅううううう」

「……ぷぷいっ」


俺が(心の中で)土下座し、必死に許しを請うてもぷくーっと孫の手の先っちょの丸いアレみたいにほっぺを膨らませ、つーんとするユキちゃん。ち、ちくしょうめ!何が、ぷぴぃっ……じゃなくて、ぷぷいっ、だよ!人と会話する時はちゃんと目を見なさいっていつもママんは言ってるでしょ!そんな悪いロリちゃんにはナマ尻を男根でぺちぺち叩いてやるです!……と、脳内で何時までもつまらんぼっち寸劇を繰り広げている場合ではないな。


「ゆ、ゆるしておくれよぉユキちゃん……プッ、プゥピィ……こ、こぉ~んなに豚のように情けない声を上げながら、必死に日本の奥ゆかしくこそばゆいDO★GE★ZAしてるのにユキタソは許してくれないのかぁい……?」

「……何そのキャラ? あと土下座、してない」


自分でもちょっぷり泣きたくなるような一オクターブ高くて気持ちの悪い声を上げて、ユキちゃんに声を掛ける俺。し、仕方ない……だろ?ユキちゃんにあのイケない行為を悪鬼にチクられたら俺の命が本当に危ういのだからねっ。そんなオス豚状態の俺に流石に見かねたのか、ユキちゃんはジト目でツッコむ。やあだあ、ユキちゃんにツッコまれちゃったよぉ……。しかし、よしっ、何とか喰らいついてくれたぞん。さあ此処からが本当のわたくちの戦いの始まりなのです。


「あら、ユキに健児。首尾の方はどうかしら」


わたくちの戦いは既に終わっていた。


「あ……柚ねぇ」

「ユキは……いっぱい獲れてるじゃない。んふふ、いい子いい子」

「えへへ……やった」

「ヒヒヒッ……ゆ、柚香サァン……わ、ワイもいっぱいおっぱい獲りましたわぁ……」

「健児……ナニを猫被ってるのよ。被ってるのはあんたの汚い薄皮で充分よ。それより……何、これ? 全然じゃないのよ……ペッ、お前の人生やり直し」

「ウヒィッ……やだぁ!!」


俺の貝の捕獲量が気に入らなかったのか、柚香サァンはその場で唾を吐き、俺を思いっきり睨み付ける。ひっひっでぇ!!何もそこまで言わんでも!!見てみそ貝の獲れた量でナニこの態度の変わりよう!!どこの修羅の国だよ!!


「あ……柚ねぇ。実は……むぐぅ!?」

「ぽぽぽぽーーうっ!! ゆ、ユユユユキちゃん!? ゆ、ユキちゃんはお、お利口さんだからちょ~~~っと黙っておこうね!!」

「むぐっむぐぐっ……」

「お・り・こ・う・さ・ん!! ゆっきちゃんはとっても、お・り・こ・う・さ・あぁん!!」


ユキが口を開いた瞬間、俺は掌でユキの口を塞ぐ行為に出た。

だめだめだめだああああっ、しぬっ!!本当にヤバいですヤバい!!只でさえ、貝の量で柚香サァンに対して心証が悪いのに……今このタイミングであの行為について言及されちゃうと……ああんっ、ややややっだぁあああもぉおおお!!


「ふぅうんっ!!」

バチンッ

「ヒィイッ……やあぁだぁあ!!」


柚香サァンに思いっきり頭をしばかれる俺。


「あんたね……人様の可愛い妹にナニしてんの……一回、心理的かつ肉体的に死んどく? もしくは精神的かつ肉体的に死んどく?」

「せっせせ選択肢がどこにも存在しませんががががっ!? あいあたたたっ」


打たれた後にアイアンクローを喰らう俺。

ヒっひぃいいい、けっ結局こうなるのぉおおおねええええ!『俺がしぬ』という予定調和が別ルートでのこのこと向こうから布団をしょってやって来ただけであった。いやだっ、布団をしょってやってくるなら全裸の女の子もとい伊藤がいいのぉ!!


「柚ねぇ……健にぃが蟹のように泡吹いて悶絶してる。そろそろ、解放してあげたら……?」

「……ふん。ユキがそういうなら……健児、あんた今晩からユキに足を向けて寝られないと思いなさいよ」


ようやく柚香サァンお手製の脳天締め付けプレイから解放される俺死、俺氏。

ち、ちくしょうっ、もう少しのところで俺の口内でカプチーノが出来上がるところだったんだぞ!仕返しとして、柚香サァンには俺の唾液カプチーノを無理やり飲ませてやるっ……明日にな!ちょっと待て……忙しいから明後日にしよう!いや、今週はタイミング的にアレだ……そうっ来週だ!いやいや来週も色々と予定が……アレだっ来月!ま……て……ら、らいねん……?うんっいつか喰らわせてやろう!多分きっとおそらく!!


「ユキ? 先刻、言いかけてたけど……何かしら?」

「うん、あのね……」


ユキちゃんは決心したかのようにそのおちょぼ口からイケない事を紡ごうとしている。

イケない事……それ、すなわち、俺のさっきの水責め行為の事だろう。ユキちゃんはきっと、『健にぃとかいう只の美青年が未成熟な私の身体に水をぶっかけてきました!!ふんすっ』とかドヤァ顔で言うつもりなのだろう。その瞬間、俺は柚香サァンとかいう暴魔の手によって、無理矢理、歌舞伎町あたりで南蛮漬けならぬソープ漬けにされ、終いにはちょん切られ、性転換されるのだろう。そして、この小説のタイトルも『お姉ちゃんと弟のすゆことぜんぶ。』から『お姉ちゃんと妹(♂)のすゆことぜんぶ。』に変更されることだろう。みんな、オカマの猛々しい活躍に今後乞うご期待よ……さようならおちん●ん……いらっしゃいませ、すね毛……。


「皆と写真が撮りたい」


…………は?


「いいわね写真。健児、あんた、ローランアングル用に一眼レフ持ってたでしょ。家から徒歩で持って来なさい」

「ちょっ、ちょっとちょっと。無茶言わんで下さいよ柚香サァン。あと、ローラングル探検隊とかじゃないですよ自分」

「じゃあ、あんたの、ょ ぅ じ ょ の待ち受け画面にしてるスマホのカメラでもいいわよ」

「何で、さっきから余計な修飾語がつくんですかね。あと、ユキ……写真って何ですかそのとっても詰まらないカミングアウトは? この目の前のとっても汚い大海原でも気が狂ったかのように撮りまくるのですか?」

「ちがう。みんなと集合写真が撮りたい」

「しゅ、集合写真……? 集合写真って……アへ顔ダブルピースの集合写真、ですか?」

「…………」


ユキは頬をゴルフボール状に膨らませ、マナーモードのようにぷるぷるしながら涙目になる。


「ふぅうんっ!!」

ビチンッ

「あいとぅあ!? な、何で殴るんですか柚香サァン」

「何が、アへ顔ダブルピースの集合写真、よ!! どこの異世界にそんな顔して記念写真なんか撮るのよぶっ殺すわよ!!」


柚香サァンは物凄い剣幕で俺に暴言を吐いてくる。

あ、アへ顔好きなくせに……重度のシスコンちゃんめ。


「もういから、みんな連れて来て。私は知り合いの女子連れてくるから……アンタは男子を連れて来なさい」

「健にぃ……期待してる」


ユキちゃんはお菓子を強請る子供の様な瞳で俺に向かってそう言う。

只の記念写真にそんな期待されても……何で記念写真が撮りたいのかよく分からんが、ユキにも何か思うところがあるのだろうか。俺は柚香サァンのご命令に従い、水の漬かった砂浜を駆けてゆくのであった。

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