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ファンタジーは現実へ  作者: ぽこぴ
怪物災害
79/85

カテゴリー4下位

カテゴリー3上位の怪物の単独撃破、これはすぐ他の隊員へ、核の存在と共に知らされた。



「流石だな、異能団の顔」

神崎(かんざき)はそう呟いた。



それと同時に、背景では神崎、落合(おちあい)海斗(かいと)の3人で怪物をどんどん処理していく。


落合は斧を振り上げて一刀両断していく中、「…?!、、海斗さん!」と突然叫んだ。


神崎は怪物の心臓、脳を破壊した(のち)に、すぐ振り返る。


そこには、口うるさく『チームメイトとのペースの確立を。』と言ってきたのに対して全くの反対な行動を取っている海斗の背中が見えた。



ーー何をやっている?!

「海斗!!」



すると、海斗で隠れていて見えないが、前からすごい血しぶきが見え、何かが倒れた。

すぐにそれが怪物だとわかったが、海斗はその場にしゃがみこみ、怪物とは違うーーなにかを見つめていた



「海斗さん…?、それは…犬、ですか?」


「あぁ…怪物は俺からペットを奪っただけじゃ無く、兄貴の人生まで…狂わせやがった…。」

海斗は首元をえぐられて今にも虫の息の犬の体へ手を優しく触れる。


犬の体がピクピクと痙攣し、どんどん手のひらへ収束して消滅した。そして何かを握るように手を閉じた。

「乱してごめんなさい。続けましょう」

そう言ってその場から立とうとするや否や、司令室から通信が耳に響いたーー


「神崎隊!!付近にカテゴリー4下位の怪物の出現が確認されました!!至急、対応を!!」


耳へ、静かに手を当ててこちらの声を通す。


「待て待て。こっちは守備の必須範囲が広大な上、たった3人ですよ?どうしたら…」



「神崎さん…っ!!」


ーー海斗が立ち上がり、緊迫感を放って言った



「怪物には怪物が1番いいって、教えてくれましたよね、アカデミーで。だからあの時、俺をメンツに誘ったはずです。今できる最善手は、僕が単独で行くこと、ですよね」



「……それは、っ…」

落合が小さく弾んで叫び、神崎は鋭い目線で海斗を見下ろす。


「安心して下さい。イキってるとか、そういうんじゃないんで、神楽みたいに単独撃破できるなんて思ってない。2人が落ち着いて加勢に来るまで、全力の時間稼ぎ!!やります!」


それぞれが目を合わせ、暗黙に了解すると、「行ってきます!」と、羽を生やして飛び立って行った。


ガラスに映る自分が、大きな羽で羽ばたいて、すごいスピードで横を通っていく。

そしてゆっくり減速し、空中に直立するように止まった。



「対象、発見しました。誘導を開始します!」

その怪物は前のめりで、やけに肩が腫れているのに加えて、左足はスレンダー、顔の左側が凹んでいる。


ーー不気味だ。今までの怪物は少なくとも人間の体を元に構築されていた…だがこいつは、、デタラメでバランスがごちゃごちゃだ。


その怪物の様子を見ていると、急に顔を上げ、こちらをにちゃあっと恐怖の笑みを浮かべた。

そしてすぐ、身体中がボコボコと浮かび始め、爆発する様に細胞を細くして周囲の建物へ、根を張るようにした。



「!!?」

行動の制限?されている間は面倒だけど、奴は完全に動けない…自分で自分の首を絞める行為だ。


それに、俺の目的は討伐ではなく、時間稼ぎ。

利用させて貰う他…なーー



「…っっ!ガッ、、、?!!!!」



細く加工し、周囲へ蜘蛛の巣のように散りばめた細胞

から、棘が枝分かれして襲いかかる。



突発的な動きでも…っ、、動いてんだから空気は揺らぐ…、一瞬だけ反応できたぜ、。


「ぁ…あ、っ!?」


そうすると、急速に怪物本体に数々の派生細胞が収束していく。

その過程で、俺の血肉を引き裂こうとするが、異能を使って体を固めて防ぐ。


少し後ろへ飛びながら後退し、やつの動きを観察する。

結構遠いはずなんだが、この距離であのレベルの操作をしてきた。



「やるな…」


怪物は膝を限界まで曲げて、思い切りジャンプをする。それによって出たスピードは、マッハには及ばずとも…かなり早いはずである。


海斗のスピードも、負けてはいない。海斗は冷静に横に逃げてかわした。


怪物はそのスピードを制御しきれず、ビルに突っ込んで倒壊させた。

するとそのビルの1部が爆発するかのように弾み、散った。



海斗は仰向けになり、背を地面に向ていた。

海斗の影は地面へーー怪物の影は、海斗の顔を塞いだ。


ーー並行に、並んで飛んでいた。



「早すぎっ、だろ!」



まず、2本の細い腕で真下の俺に向かって突いてくるが、左へ沿って避ける。

羽を急いで(あお)いで加速し、建物と建物の隙間を細かくぬっていく。


その後を、自由自在な手がみるみる伸びて追ってくる。

その腕の速さは壁へ当たりまくっても尚衰えずについてきていた。



少し開けた場所に出て、上空を見上げるーー

そこには背中から2本の触手を出し

両手両足を俺に向けている怪物が居た。


そして、俺へ向かって放った。



俺はそれを状況を受けーー羽を閉じた。


「サモンーーオールソード」


先端が刃物のように鋭利に尖り、それを突き刺そうとして向かってくるーー



海斗はその触手を空中で両断し、切り離してもなお、鈍いが動き続けていた。

少ない滞空時間で、海斗は怪物へ手を向ける。



「サモン…鷹━━」

高層ビルの影を、何かがうねるのを横目で見て、寒気がした。

それに目を向けた時、怪物の触手だった事、そして俺の肩を刺さらなくても肉を抉って血を吹き出させた。



「…!!」


背中の触手じゃない…、本体から切り離した細胞の遠隔操作…?!んな事もっ、、出来んのか!



先程切った怪物の細胞の至る所に棘が生え始め、それが勢いよく弾けて海斗を襲い出す。

下へ落ちる海斗を追うように細いトゲトゲが迫りくる。



「ヘビ…っ!!」



ソードを回収し、手のひらからムチのようにしなり、ゴムのように引っ張るヘビを召喚するーー

電柱や高い所に位置する看板などへヘビを噛ませ、体

勢を整えながら空中を勢いよく飛び回る。



怪物の追尾攻撃が車などの上を通る度に、爆発音と共に破壊されていく。

ーーそれを後ろ目に見てから『サイ』を自身の体に召喚し、後を追ってくる攻撃の上から車を落とす。



怪物本体の位置を確認しようと、前を見るーー

目の前から不安定に左右に揺れながら触手が迫り来る。

咄嗟に両手で胴体を覆うようにした。


胴体は守れても、目の前は急に血が吹いて何も見えなくなる。

一瞬、思考が停止したが、少し考えた(のち)『サイ』の細胞が先程の攻撃で破壊され、サモンが解けたのだと悟った。



サイの体に突き刺さった触手は、それだけじゃ飽き足らずに海斗の顔までも貫こうと勢いを上げて来ている。

防御の体勢に入ってしまっている海斗は、反撃をするにも避けるにも…悪手だと分かっている。



「クソ……っ、、しくった、!」

飛び散った血が顔にかかって前が見えねえし、何より、どんどん抉られて行ってる、!!

俺だけじゃ…こんなもんかよ、


攻撃の勢いが増すにつれ、サイの体力が削られて防御が辛くなっていくだけ。



「?!!」


「悪い!待たせた!!」

俺が受けていた血が通っている太い触手が、バスっ!と斬られる。

すぐに俺はその触手から距離をとるが…ピクピクとも動きゃしない。


そう解析していた所、すぐに怪物のいた所で爆発音が響く。


「あっちには落合が行った。俺達も早く行くぞ」


「こい…つっ!!切り離した細胞を遠くからでも操作出来る力があります…!!体を切っても油断せずに!」


神崎は少し驚いた顔付きをするが、すぐに、「了解」と、返した。



駆けつけると、落合は同時に俺たちの前へ地面を擦りながら止まる。

そして落合は少し後ろへ目を留め、ハンカチを出す。

手に握ったハンカチを、海斗の顔をゴシゴシの擦った。


「お、おい…今がどんな状況か、わかってんのか?」


「はい、だからこそですね。この辺に居る、逃げ遅れた人を探しながら戦っていたでしょう?かっこよかったですよ」


その話をしている途中、攻撃が飛んできていたが、神崎が刀で切り裂き、左右へ当たらないように散らしてくれていたーー



落合からのふき終わりでその場から立つ。

すると、神崎がある事を言った。


「広範囲に細胞を展開する程の力…防御力は相当低いと思うが、念には念を、だ。俺たちの中でいっちばん一撃の強い海斗にトドメを任せる」


「役目を決め、その人のために全力で道を作る…いつ通りです。相手が少し変わっただけですね」


海斗は背中へ鷹の羽を大きく羽ばたかせ、その他の動物の力をソードへ凝縮させ、構える。



ーー開戦の狼煙は、怪物の何本もの触手攻撃によるものだ



神崎は左、落合は右は飛び出し、それぞれへ降り注ぐ攻撃を斬り裂いてゆくーー。

それを上空を羽ばたきながら見下ろしている中、率直に、「凄いな…」なんて関心をしていた。


怪物の血肉をさばき、本体へ刀を入れようとした瞬間、怪物は大きくジャンプした。

背中から触手を4本生やし、それを横のビルへ突き刺して体勢を持つ。



「ガっ……っっっっア゛ァ゛ア゛!!!!」



怪物が耳にツーンと来るほどの声で叫び、1度全ての触手が本体へ戻るとーー爆発するように先程の2.3倍の物量で押してくる。



「お、おい、、これは…っ」

神崎が小声で文句を言いかける。

その状況を見かけた海斗は駆けつけようとするが、神崎がそれを止めるように声を上げた。



「海斗!!そこ…っで!待機してろ!」

まだ、…まだある。



そう考えつつ、どんどん後ろへ後退していってしまう。




『1、2、3、……』

テンポを数え、攻撃をかわすために素早くしゃがむ落合。そして異能、収納の収納ケースから拳銃を取りだし、撃つーー



その弾丸は、数多く交差する触手の合間を縫って、たった1本に命中する。

その触手への攻撃により、神崎に異能を使わせる余裕を作らせた。




『遠距離斬撃』



それが神崎の異能である。ただ真っ直ぐに斬撃を飛ばすだけだが、それは距離減衰を知らない。

物に当たった分だけ勢いは落ち、最終的に消えゆく。




刀を鞘に入れて一気に抜く、


「抜刀」


空中を見えない何かが飛んでゆき、触手を切り裂きながら本体の右腰から左肩にかけて、ザックリと斬る。




「…!!」



その傷口から血が吹き出るが、核は切れて居なかった。もちろん、多少は驚く。

だが、司令部からすぐに核への損傷は確認され、通達をしてくれた。


ーーと、同時にやつの動きがものすごく鈍くなっていたのだ。



「伏せろ落合!!」


向かいに居る落合の方を見てそう叫ぶと…俺は動きの鈍っている触手を乱切りし、地面へボトボトと落ちていく。



落合も、直接的に拳銃で核への攻撃を試みるーー

がしかし、その頃既に核周りの細胞が鉄のように固く強化され、再生していた。



一瞬にして、怪物による猛攻が始まる兆しを見せた。


「これでいい…俺たちの仕事はこれで終わりだ」


落合はそれをはっきり聞いていた。前から大量の針のような鋭い触手が迫ってきているのにも関わらず。



「ーーそうですね。」



落合から神崎へ視線を送る道中を、大きな翼の生えた海斗がものすごいスピードで音を置き去りにして通り過ぎる。

ーーその時の風圧で、髪が右へなびいた。



「頼むぜ、海斗」

刀でのインパクトの瞬間、大きく羽ばたいている(はね)の力を刀へ収束した。


「サモンズ…!」

海斗のもつ怪物の全てをひとつのものに集め、放つ技。

鋼鉄のように固く、斬撃での傷害は不可能と決めつけていたが、高く上げ、振り下ろされた刀はその怪物の身体を核諸共、割いていた。




『カテゴリー4下位の生命反応消失!!』


高々と通信機から声が聞こえてきた。






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