紅蓮の戦い
それぞれの荷物を持ちながら、左右が小さな木で囲まれ、地面に石が埋め込まれている道をスタスタと歩く。
そしてその扉の前には、礼儀正しく女将さんが一人…。
「どうもー予約したんですがー」
「はい。お待ちしておりました、お客様。どうぞこちらへ」
女将さんはそう手招きし、リアがズカズカと入っていく。それを見て、おい!とキレ散らかす怪魔が居た。
「んじゃ、お前らこの部屋だろ。私はあっちだ」
リアはそう言うと、荷物を持って自分の部屋へと入っていく。
「いや、やべっ、」涼風が口に出して言う。
「どうした?」
「リア……女の子だった…!忘れてた!」
今よくよく考えれば体も小柄だし…はたから見たらただの元気な女の子ぉ、、。
でも涼風は、リアをそんな風には見れない。そのわけはーー。
「ははっ。みんなそうだ」
「いや…まじで、、」
俺の頭の中に、俺の耳元でよく分からないことを呟いた成瀬が出てきては、身体中が悪い意味で鳥肌が立つ。
「あ、お前ら3人はあの部屋だ」
「うぇっ?」
「早く言ってくれ…」
凛月が思いを述べて、重い荷物をノシノシ持ちながらまた部屋へと向かった。
自室に荷物を置き、女将さんの夜ご飯を待つ。
「誰か先風呂入るか?」
「あー…、、じゃ、俺入ろうかなぁ…、、、」
ベットに顔を埋めてる伊織が、モゴモゴ籠った声で言ってから、無気力そうに歩き出す。
かくして女将さんが飯を持ってきてくれたり、食い終わった後のカードゲーム等を嗜んだりして、その日は事なきを得る。
※
「おはようみんな」
部屋から最速でひとりで出てきたリアが皆に挨拶をする。
「おはよう〜」
と、涼風は風に吹かれながら言い、
「おはようございます」
と、凛月は礼儀正しく言う。
「おはよう」
グンマさんは珍しく端的に言い、
「っはようす」
怪魔も、気だるそうにそう言う。
そんな2人の様子に疑問を抱いたのか、リアはこう聞く。「どしたん〜?」
「いやあ…昨日風呂の蛇口が閉まんなくなって…」
「大洪水でしたねぇ。大変でした…」
「対して寝てねぇのかよっ」
6人で広場の様な所へ行き、女将さんの朝食を食べ始める。
「こりゃうっめえな」
怪魔がそう言いながら口へ食べ物を運んでいる中、
「すずっち!競走だ!!」
「受けて立つ!!」
そんな2人を、凛月はゴミを見る目で傍観していた。
「ゆっくり食えよ…」
※※
「じゃあ行こうか。」
「この都市作った金持ちはライバーさんっつってな。まあなんか色々すごい人らしいぞ」
「ほ〜…ん」
レトロな街並みを歩いて結構な時間。俺たちはようやくかよと思いつつそれぞれの配置の砦に着いた。
俺とリア。
グンマと凛月。
怪魔と伊織。これらのペアである。
「本当に大丈夫なんですかね?護衛はしなくていいって」
「そこが少し…不安要素ですねえ、」
砦には警備員は居なく、薄暗い塔の中で2人きりであった。
(ーーやべえ…ちょーぜつ気まずい…、)
すると外から、花火が打ち上げられ初め、それを小さな窓から眺める。
その音と共に、パン!という音がどこからか聞こえてきた。
「…?」
この音、、
「きゃぁぁぁぁあぁぁぁあ!!」
俺たちの定位置からでは見えないところにある、今リアルタイムでパーティーが開かれている所辺りから悲鳴が数多く聞こえ、俺たちは飛び跳ねる。
「グンマさん!」
「待って下さい。ここを離れる訳には行きません。あそこはリア達からよく見えるはずです。」
そう言って、グンマはすぐリアに通信を求めた。
「リア。そっちはどうなってますか?」
「ライバーはここには居ねえ。
でもボディガードっつか、このパーティーの関係者が撃たれて7人くらいの敵で制圧されてるってな感じだな。3箇所にパーティーの参加者が散らばってる感じなんだろ?そっちはどうだ?」
「えぇ…今凛月君が怪魔達へ連絡してくれました。こっちらもあちらにも…7人程のテロ組織らしき人を発見。」
グンマは刀を鞘から出した。
「ーー処理を開始しましょう」
※※※
「行くよ!すずっち!」
「はい!」
窓からリアが飛び出て、不意をつかれたテロ組織の人間へ飛びかかる。
銃を向けられても、リアは怯まずに足をかけて転ばせてから顔面をぶん蹴った。
すぐに別の敵がその場を動かずに銃をリアに向けるが、リアは倒した敵の銃を拾い、撃ち合いを繰り広げる。
…こりゃ、骨が折れる、
「すずっちー!」
「はいはいはい!」
そういえばと言うと、俺は屋根を走って上から敵の頭を回転蹴り、ハイペースに次の敵の溝内に拳を入れた。
「あー…そ…、、っこね!」
屋根の上に2人。
1人があたしを狙い、もう1人はすずっちを狙ってる…、
吾輩は銃で屋根から狙う2人の武器を飛ばした。
それからリアはその場で屋根へジャンプし、流れる様に2人を撃破した。
残りの2人は…と上から見下ろすと、まずい状況になっていたのだ。
「こいつらがどうなっても、いいのか?」
パーティーの参加者の脳天に銃を突きつけられて、涼風は動けない。
その時の涼風は、敵の脳天に銃を向けているリアと目が合い、合図を確認し合う。
リアは恐らく撃てない。あそこからじゃ市民に当たっちまうし…
「…っ、、」
否応なしに固まっていると、パン!と2発、銃声が聞こえた。
「…は、は?」
リアが打った銃弾が、敵2人の肩へ直撃し、敵は銃を持っていられずに字面に落とす。
「ぐ…ぁっ、、ッ!しまーー」
俺はすぐ間合いを詰めて敵を前に転ばせ、1人に溝内に拳をぶち込み、もう1人の首元へ右腕を伸ばして絞めた。
そしてグイッとこちらへ引っ張り、顎へ思い切りのアッパーを入れた。
「ふぅ…」
「えーい!ナイス〜」
スタッ!と降りてきたリアが駆け足で涼風の元へ寄り、そう言って祝う。
「あそこを撃つとは思わなかったわ」そう涼風が言うと、
「ふっふ〜すずっちならやってくれそうだし、何より俺がやれると思ったからね。」
「とりあえず連絡取りましょうか」
涼風は冷静に通信ボタンを押して伊織、凛月達と確認し合う。
「こちら伊織ー。市民にも負傷者はいませんよ」
「こっちも処理完了だ。こっからどうする?」
と、凛月が聞く。
「この後、ライバーが出てくるっていう予定なんだけど、もしかしたら内部までもうやられてる可能性あるから、そうだなあ」
リアが悩んでいる中、あ!とすぐ閃き通信に流した。
「こっからはあたしらが行こう!すずっち達はここで待機!市民を守ってやれ」
「まあそれでいいか」
怪魔も了解し、グンマも「それで行きましょうか」と返事をした。
「うしっ、」
門に向かって歩き出すリアを涼風は人質だった人達と共にテロ組織を縛り上げながら見ていた
「…リアさん。もしなんかあったら、、いや」
そこで俺は考えた。何かあったら助けを呼べと言おうとしたが、それはプライド的にどうなのだろう。
ーだから俺はこういったのだ。
「無事だったら俺になんでもいい!連絡を下さい!いいですね?!」
「うぃ〜」
手を振って重そうな門を開けて中に入っていく。
怪魔も、グンマもそれぞれ中へ入っていった。
残された彼らは、無事を祈る道の他ない。




