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ファンタジーは現実へ  作者: ぽこぴ
海上都市ポセイドン
67/85

海外遠征予定

「模擬戦〜?!」


団長からそうそう!!と言われた時はさすがに腹が立った。

ーー何故?

それは3日間の休みあけに急に集められ、また急にリア達(海外遠征組)と模擬戦をすると言われたからだ。


「言っても木刀だし、それに…結構真面目にみんなの実力を見ておきたいんだよね」


「確か…海外遠征組?なんでしたっけ」

涼風が聞く。


「そうだねえ。結構遠い所まで海外の怪物がどんななのかとか、出現状況?まあ色々調べてきたんだよ」


「リアは戦ってばっかで基本的に俺のじいさんが調べたけどな」


団長ではなく、リアが涼風に対して答えた後、怪魔によるツッコミが入り、二人の間にビリビリといがみ合いが生じた。


「遠征の時にはリアの単純な力が役に立ちましたよ。ありがとうございます。」


「俺が居なくなったらどうすんだあんたらぁ、命の残機も機動力も左肩下がりだぞ」


「…そこは怪魔を信じていますから…何卒。」


模擬試験の会場へ案内されて行き着いた場所はまさかの森の中だった。森と言っても天然の物の周りを塀で囲んでいるようだ。


「はいじゃー!それぞれ散らばって!」



「でかい案件ってなんだろうな」

森に入って定位置に着くまでにぼこぼこと木の根が浮き出した道を歩いていた最中、最初に話を切り出したのは凛月だった。


「俺はあれかな?海上都市ポセイドン!!ガチすげーらしいぜ?観光者数が1日で1万は超えたらしいしな」


「日本海の真ん中らへん?海外から海上都市まで行く船とかはもう整備されてるらしいけど、日本はまだ無いからな。その点考えるときつい船旅だろうし…」


伊織がテレビで見た情報を満更でも無い様子でたんたんと語って見せ、

「リア達と戦わされる理由も、おおむね分かるなって感じだ。…まあ海上都市に行くっていう前提だけどな」


「はいはーーい!それじゃ定位置に着いたっぽいんで!!始めまーーす!!」

持たされていた無線機から宇久白さんの合図が怒号のように響く。


「よーい…。すたぁぁーとぅぅぉ!」

「作戦とかないけど…どうする?」


「んー…」



「…おっ!来てくれたんだ。神崎」

神崎冬馬(かんざきとうま)

ご存知の通り、東北地方の異能者団体のトップ、神崎隊隊長である。


「まあ少し興味はあるんで。」


「神崎さん。その荷物持ちます」


「いいって」

落合(おちあい)はここに来る前、神崎がコンビニで買った物を持ちたいとただをこねた。


「持ちます」


「だからいいって…」


「持ち!ます!!」


「わかったわかった!近いから離れろ!」


「変わんねえなあ…。」


「なんか買って帰ると…誘ってくれればとか色々言われるんすよ…慣れましたけどねえ。」


「ふっ…。ずっとそのままでいてくれよ。…お。久しぶりだな海斗」


「…どもっ、す」

前より少し内気になっている海斗を見て、(それどころじゃないっ…かあ)

と小声でその言葉を零す。


「聞いてた通りですが…こりゃ勝ち目なくないですか?言い方に棘ができちゃうんすけど、例の薬の服用者としくじった研究者、それと凛月家の落ちこぼれですよ?」


「まあまあ。見てなよ。俺がなんのために人殺してまで、あの二人を涼風とくっつけたか…分かるはずだ」


「…あんた…っ!」


「あ!ほら!!動いたよ!!……ーーーーえぇ?」

塀の上から、彼らの様子を見ている時、驚きの行動をとっていた。


「リア達に向かってダッシュ…。」


※※※


「それぞれがそれぞれをカバー出来る距離感を保って走れ、多分だけどリアは…」

そう言っていた伊織の言葉を思い出していた直後、


「ッ…!見っけた!」


「うそまじぃ?」


入れ違いのように、俺の真横をリアが通過していく。


「涼風!」


「あらよっっと!」


「おっ?」

腰に左手で押えていた木刀を右手で素早くリアに向かって抜いた。


「…!?」


リアは自分の頭の上にあった枝を掴み、その上に登ってからまた猿のように枝から枝へと移っていった。


「次ぃ…ッ!!」


「以下に人数有利をとって戦うか。だよな」

リア以外のチームメンバーを狙いに行くと見せかけて、涼風がリアを揺さぶってーー。


「…!?、、おぅぁ!」

凛月の高速の抜刀が、リアの木刀を使った防御、加えて枝の上で取っていたバランスを崩した。


(凛月の異能って、インパクトか…)

私は落ちる中で横目で横を見た。


そこには転がりながら受身を取り、何やら機械をこちらに向けているのが認識できた。


「波動砲…。」


リアは木刀を口に咥え、両手の平を地面につき、倒立のような体勢になってから思いっきり跳ね飛ぶ。


「ー…?!!」


「波動砲って、すごいね!1回体験してみたいよ!」

跳ね起きた時、私の目の前をモヤのかかった丸い気体のようなものが通過していくのを見て興奮を顕にする。


「涼風!凛月!、、あの二人が来ねぇように見張っててろ!!できることなら倒してくれ!!、、

ーーリアは俺が足止めする」


「気ぃつけろよ」

涼風と凛月は不安そうにその場を後にし、先に進んで行った。


「…出来るの?」


「…どんなにすげー数式並べたって…結局は出来るか出来ないかの2分の1だぜ?

勝つか負けるか。生きるか死ぬかでしかない」


「いいね。でも人数有利とかなけりゃ正直勝てなくない?」


「反省点は幾らでも後からなら出てくる。さっきの攻撃…避けることを予想して少しずらして打ってりゃてめぇが避けても当たったしなあ?」


「じゃこれで活かしたり出来ん…ーーのっ?!?!」

そう言ってリアは伊織にダッシュで近づく。

リアは攻撃を読まれないように周囲の木々に飛び移り、姿を隠しながら伊織へ拳を振り抜くーーー。


ーーひょいっ。


「おっ?」

俺の目の前をすれすれで拳が通過いき、風圧を感じた。その光景に宇久白は「お、避けた」と小さめに驚いた。


右を避けられたため、肘を曲げて2回目の攻撃として備えていた左手を突いてきた。

その左手は俺の顔面を捉えていてーー…、。


俺は頭を左に寄せてその左手攻撃を避けた。


「……。」

毎回ギリギリでかわされる…なにか見てるのか?


※※※

「宇久白さん。あんた…知ってますよね。彼の異能」


「ああ、まあね。神崎さん的にゃどう見る?」


「いや知りませんよそんなん。…ですが、強いて言うなら…避けることしか出来ない?そういう風に見えます。避けれるなら、もっと余裕を持つべきだ。伊織のことはあまり知らないけど、頭が悪いわけじゃあない。なにかありますね」


「あぁ…」

事故が起きる時も、あいつだけ生き残れた。それはあいつの異能があったからだ。

頑張れよ伊織、。





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