悪意
「はァ…ハッ」
そう息遣いをしながら外へ出た。
「こりゃ…世間からの追求はえぐいぞ」
大掛かりに倒れたビルによって出た被害者の救出作業、加えてそのビルの復旧作業に追われている警察を遠くからも目視できた。
その後すぐ俺の電話が鳴った。
「もしもし、伊織。狐のやつは撤退してった…倒せそうでもない感じだったが…」
「そう…わかった。」
スマホの電源ボタンをポチッと押す。
「暑人から何やら撤退してったらしいぞ」
「何が…したかったんだろうな」
そうつぶやく。
するとすぐ横から車に乗ったリアがおーい!という声と共に走ってきた。
「リア…悪いんだけどこの中に俺の…知り合いが倒れてるから、連れてきて欲しいんだ。」
「んー…おっけー!行ってくるー」
ピューっと車を軽快におりて施設の中に入っていった。
俺たちはそのまま、リアの車にもたれ掛かるように隣合わせで座った。
「涼風…俺は…」
「俺はないも聞いてなーい。…てか、どうせなんか理由あるんだろ?お前はそういう奴だ」
「ふふ、ありがとよ」
「戻ってきたよー。」
「早いな」
「ありがとう。とりあえず炎魔さんの所まで行こう!」
傷を労りながら、リアの運転で向かう。
「吾輩のスマホで怪魔に連絡してくんねー?心配でさ」
「あぁわかっ┈┈」
「おお?!?!」
パン!!と風船が弾けたような音と共に、車の操縦が突如効かなくなった。
「お、おいリア!スリルとか感じんなら今はよそでやってくれ!」
「違う違う!!これは…!」
(パンクさせられて…━━━━)
そのまま私たちの車は他の車にぶつかりながら、横転した。
「痛っ…」
左手が折れたのか…
「涼風!!リア!」
車が横転し、投げ飛ばされた2人の元に駆け寄る。
「拙者は大丈夫だよぉ。なんともねえ」
リアは単純に服が汚れただけのように見え、
「ア゛ア゛ッ痛ってぇ…血ぃやっば…。」
「立つな立つな、ていうかリア、お前体頑丈だな」
「乙女に言うもんじゃないよ」
「はっ、乙女は1日で怪物を29体も殺さねぇよ。それと、警戒はしてくれよ。この事故…」
「あぁ…うん。反逆軍だろうね。」
そのまま涼風を加えて、警戒していると、炎魔亭の方角から車が走ってきた。
「あれぇは……。あ!!じいちゃん!!ここー!」
「前も思ったけど、あの人リアのじいさんなの?」
素朴に涼風が聞く。
「え?違うよ?」
「違うんかい…。」




