熱撃拳
狐の面をつけた者…マリアさん救出の時に戦った奴だ。
何故…ここに…。
狐面の者の名は雲波康弘。彼もまた反逆軍の夜鴉と同様に雷の古きともであり、人を助ける等と偽りを掲げる異能団の崩壊を目指す1人だ。
パシっ━━━━!!
地面に手を思いっきり着いた。
次の瞬間、人と人との感覚が広まったのだ。
いや…伸ばされたという方が正しいであろう。
「ッ!」
俺が驚いていると、
「涼風!避難誘導頼む!!」
そう暑人が言ってから奴に走っていった。
「またお前か、あの時のようには行かんぞ」
「上等だ」
雲波は歩道から車道へ出ないように工夫されていたフェンスに向かい、飛び乗ってから車道へと飛び出たのだ。
そして先程と同様瞬く間に車道も地面が引き伸ばしされていく。
車は次々と玉突き事故を雲波を要因として起こっていき、人々は悲鳴を上げ始めた。
それに釣られたのかあえてそうしたのか、暑人も車道へ行き、応戦をする。
車の天井を素早く下り落ちてから攻撃したり…
体術での応戦を試みていたが、雲波にはまるで手応えがなさそうであった。
「くっ!」
やつは手にナイフを持ち、自身の手を伸ばして攻撃し、暑人の頬を切りつけた
「さあさあ…まだまだ行くぞ!」
暑人が応戦している中、俺は人を避難させながら自然と後ろに行き、回り込みんで挟み撃ちのような状況を作った。
暑人は一撃を大ぶりで構えてくれたおかげで雲波の注意はそちらに完全にさかれた。
今!!
俺は雲波に向かって走り出す
「おっ…」
「よし!」
俺は奴の体勢を蹴りで崩すことに成功、奴の視線は俺たちより1段階下になった。
「ゲボっ!」
「くっ…」
そんなんありかよ…
俺は少し血を混じえた痰を吐いた。
やつはブレイクダンスのようなものをして両手でくるっと高速で周り、俺の顎を人蹴りしたあと…
暑人の左頬を蹴ったのだ。
「…?!涼風そこ退け!!」
「え…な、ガッ!!あ…。」
「ちっ」
野郎…涼風の隣にあった車を引き伸ばして物理的に当てやがった…。
手ぇ伸ばした先の物もやっぱ伸ばせんのか。
涼風は車と歩道と車道を分けるガードレールに挟まれているみたいで、意識は何とかあるように見つけられた。
(悪い涼風…)
もう…出し惜しみはしない。
俺の異能は性質上、体に余分すぎる量の熱をかけると体の外で放出されてしまう。
だから…放出されないギリのラインで熱を拳に乗せ、打撃の威力を増加させる。
【熱撃拳】
炎魔さんが笑いながら言ってくれたのを覚えている。
俺自身結構気に入っているのだ。
この拳は俺特製の、俺にしか出来ない俺のためだけの拳。
熱とは幅広く使える分、脅威である!




