親の説得は難しい
少しどころじゃない程の手抜き。
「失礼すっべ」
「あぁ…いらっしゃい」
俺の研究室に本当に突然凛月が訪問してきた。
「最近なにしてんだ?篭もりっぱなしって聞いたが」
「…異能についての研究。俺が潰しちまったからな。引き継ぎの責任も兼ねてって感じ」
俺が見る限りじゃこいつは寝てない。
目の周りクマだらけのバサバサ男って感じだろう。
「にしても凄い量だな?何年かかったんだよ。」
「さあ…先輩達の遺品的なのもあるしな…」
そう言っているさなか。伊織の携帯がでかい音を鳴らして電話が来ていると知らせてきたのだ。
「もしもし。颯ですが。………えぇ。あぁはい。了解です。」
そして切った。
「やべー。凛月。問題発生だ、涼風の親が…来ちまう」
「…早くねぇ?」
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「悪い涼風。急に来てもらって。」
「全然いいよー。んで…俺の家族がなんかしたんだってね」
「したって言うか…。まあ俺に任せてくださいな。涼風にはこれからめちゃくそ多い任務と訓練待ってるから。これくらいしか俺には出来ないしさ。」
「予定ってどうなってるのよ」
「俺の研究所に涼風の家族が来る!」
「「は?」」
ハモったところでインターホンが鳴り、その空気感を破壊した。
「どうぞどうぞ。気軽に腰掛けてもらって」
そう伊織が言い、母親と姉貴は腰掛ける。
「正直私は…いえ私達は斗真に友達が出来たのかと嬉しいまであるんです。その友達と楽しく仕事をこなしているのであればそれは私やお姉ちゃんにとってもほんもうです。しかしですが…なんの仕事かも明かさずまたに荷物を取りに顔を見せるだけでは納得は行きません。」
そう母親が甲だかい声で喋った。その後にお姉さんらしい人がまた喋り出す。
「斗真は今…どんな仕事をしているんですか?」
恐らくその答えを求めている先は俺ではなく涼風本人だろう。
俺は涼風の方をチラ見し、オドオドしている様子を確認してある言葉を放った。
「異能者です」
「…え?」
「いいい伊織?!なんで言っちゃうのさ?!」
その場の全員が感銘よりも悲劇の近い顔色を浮かべていた。
隠せば隠すほど、この先に親や兄弟への思いは強くなり、戦いに差し支えてしまう。
ならここで言い、はっちゃけた方が身のためだろう
まあ薬のことは言わないが
「い、今異能者…と言ったのですか?何故…異能者なんかを…」
「異能者なんか…という言い方はやめてください。実際に斗真くんは2人の人を助けたという功績を積みました。」
「人を助けたということに関しては誇りです…が。まだうちの子は高校1年生ですよ?!テレビで見る忍者のような動きはできません!何か無理を強制的に…」
「忍者のような動き…ですか。ならこれを見てください。」
伊織のオフィスにあったテレビがピッとつき、ある映像を映し出した。
それは暑人と涼風の簡易的な修行の映像だ。
「これは斗真くんが会って間もないのにも関わらず仲良くなり、修行を受けてる映像です。」
一息を大きく吸い込んで、伊織が話を続ける
「異能団というのは…まだ世間にはまだ詳しい情報などは公表されておらず、親として子の命を預けるには不安要素てんこ盛りの組織です。ですが、いかなる組織にも必要な秩序。そしてチームワーク。言うなれば仲良しになる力や信頼です。あなたの息子さんには!それがあるんです!これ以上の適任はいないほどに。」
「お母さん」
「うん。帰ろっか」
と急にお姉さんが言い、共鳴したかのように母親もそういった。
「ええ?何故…急に?」
「…あまり人には言えませんが…私の弟は友達がいませんでした。というより作る時間がなかったんです。斗真は私たちに無理をさせないように公立の高校に行くための勉強を頑張ってたらしいです。私たちには言わなかったのにね。今だって何も言わないのは貴方が私たちを説得してくれると信じているからでは無いのでしょうか。」
「お願いしますね。弟を。」
「はい!絶対…。」
思っていたよりすんなり終わり、2人は玄関に向かった。
そこで…「斗真〜またには家に帰ってきてね〜?」
と声をかけられめちゃくちゃ恥ずかしがっていたのだった。




