正義と悪の誕生の初め。
「ブッ…。ア゛ッ!」
何度も何度も殴られ、その箇所に電撃を受けたように追撃を感じた。
「おいぃ…さっさとその女離せよ…。」
(この血…全部俺から出たのか?もう全部出ちまってるんじゃ?)
そう思えるほどの量が俺の下に散りばめられていた。
「今の異能団は…まあ割とお楽しみ重視って感じか。あいつが訳あって団長やってるらしいな。そのせいで誠意っていうか必死さに欠けていたが…今のお前は、最高だ。」
そう言って腹に一撃を入れ、コブっと口から血を吹く。
「だが…その優しさだよ。破壊兵器…兼生物兵器にはそんな感情等いらないんだよ。」
そして1発の蹴りを、頭に入れる寸前だった。
「?!」
天井を突き抜けて、ある人物が落ちてきたのだ。
暑人であった…が目に見えてむちゃくちゃキレていそうだ。
無言でいて、俺と俺が抱えているマリアをジロリと見るや否や、
「ありがとう涼風。助けてくれて。」
優しい中に、多少憎悪と悪意の混じった声色が出た。
そして敵の狐面が飛びかかってきたのだ。
「…?!!」
狐面は恐らく、【伸び】の異能者だと思う。
暑人が降りて来た瞬間に手を伸ばし攻撃をしたが、その手を暑人が掴み、こちら側に引っ張って腹に膝蹴りをした。
そしてまだ止むことなく、胸ぐらをつかみ背負い投げ。
まだまだ止まず、寝たような体勢になった所の腹にまた一撃。
見てて痛くなった
「蹟!脱出用のポット開けろ」
「あ?お前はどう━━━━━━」
「いいから。開けろ」
蹟。というものは壁際に行き、手のひらで壁についていたボタンをバン!っと押した。
「雲波連れたらこいよ!」
「お前が…ボスか?」
「ん〜。思ってたよりクレイジーな奴多いんだな?」
そして奴は。
フードを手で退けた。
暑人は顔めがけて飛びつく。がマトリックスみたいに避けたのだ。
「これは持論だけどさ。異能団って別に完全なる正義ってわけじゃないんだぜ?」
まだ飛びつくが避けられてしまう。
「正義がいるから悪も生まれる。ならどちらも最初からいなけりゃいいってのが結論だ。」
人差し指を暑人の横腹に向けた。その先からは黄色の閃光が見えていた。その線は確実に暑人を捉えていた。
ギリギリで横に避けるが…。
「ほらほら。今度は下だぜ?!!避けてみろよ!」
本当に下からまた先程のような黄色の線が見えた。
「ちっ…!」
何回も攻撃を交わしたり攻撃したりの繰り返しを俺は眺めているだけ。
(この野郎…!楽しんでやがる!)




