反逆軍とのいざこざの本格的始動。
「見りゃわかんだろうが。もうこの辺にはお前が操る鉄はねぇ。体術とかじゃ俺らの方が強ぇぞ?」
鉄くず野郎…ごと鉃樂は敵が一端の異能者で自身の異能を知られ、周囲にある鉄製品を壊された時。または手に届かない位置に動かされた時の対策を命令によって考えていたのだ。
奴は自分の周りから鉄が無くなっても動じず…。
懐に手を伸ばし一切りの鉄製品を飛び出した。
「考えてるに決まってるだろう。このまま何も出来ず死ぬなんてのはごめんだからな。」
鉃樂の手のひらに鉄が凝縮され、みるみるうちにこちらに細長く伸びてくるその一瞬に。
凛月が俺の耳元に…
ーーーー右上の建物に全速力で迎え。
と言ってくる。
何か策があるのだろう。俺は今…あの鉄野郎をぶち殺したい一心だが…。
こういう時こそ冷静にという使命感のようなもので押されている。
そして細長い鉄を刀で弾いた時に発する音で俺はその建物に向かう。
「涼風ぇ!受け取れい!!」
「ええ!」
街灯を伝って割と早めに建物の上に到着し、伊織の声がしてから目をそちらに向けると、何やら紙が飛んできているのがわかった。
「紙飛行機投げた方向に走れ!」
そう言って凛月が伊織をガバッと抱えて俺の後ろに着いてきていた。
そのまま鉃樂が建物の屋上へと鉄で上がってきてはあることが起こったのだ。
「東雲!出番!」
さっきから怒号のように色々な人か叫ぶから俺はもう何が何だか…。
もうなんも考えずに前に突っ走るだけになっているのだ。少し気になって後ろを振り返ると…。
鉄クズ野郎の足が地面から生えている手に引っ張られ、連れ込まれていってしまった。
「えええ?!何が起きてんの?!」
「よし…。割と上手くいった。伊織、照明弾頼む。」
「あぁ。わかっっ…てらぁ!」
バシュン!と赤い煙が空へと舞う。
「え!ちょっと!待ってって!何が起きてんの!」
「後で話す!今は走ってくれ!」
伊織を担いでいる凛月のハイスピードに合わせるように俺もダッシュし、ある建物の扉の前で止まった。
道中に伊織が運ばれながら紙を見て、凛月と俺に指示を出していた。
俺も横目で眺めていてわかったが…あれはマリアさんのいる位置を示した紙だということ。
折り畳めて紙飛行機にして飛ばすとか…。まじか
少し扉の前で待っていると至る所からほんの少しだけ見覚えのある人物達が集まってきていたが、それでも5人程だった。
「今からマリアの救助任務を開始するが…5人か…。」
「やっ。ここにいたんだ。」
ぶっ!と誰かが吹き出した。
…団長だった…。
この人どこいってたんだまじで!
「だ、団長…!…まぁいいか。6人で団長あり。これは割と行けるんじゃ?」
「よし…行くぞ。」
俺たちは少しの間顔を合わせて暗黙の了解のように頷き、凛月がドアをぶち破ってとうとう…
マリア奪還作戦の開始だった。




