偽物の区別の仕方
ある店の裏路地をマリオの壁ジャンプのように飛び移りながら涼風と俺に化けているであろう反逆軍の刺客である敵の後を追いかける。
結構追いかけているつもり…なんだが…。
まじでどこにも居ねえ。
「ん?これは…。風木!こっちだ!」
「お、おう!」
散乱しているゴミ箱に涼風が持っていたパンダのキーホルダーが落ちていたのだ。
まさかとは思うが気絶させられているなんてことはないとは思うが…。
涼風は馬鹿だ。と言ってもおそらく相手の変身技術が桁違いだ。
ここで天才児とダサい名で呼ばれている凛月壮馬はここで相手の異能について考察する。
自分に敵が化けていると考えて間違いはなく、それは科学者や異能者が大勢いる中を平気で歩き通る程の自信を持ち合わせているのだ。
現に伊織は騙させてしまった。恐らくは声帯は完璧だ。
口調は努力したのか?
変身する時に対象の人物のDNAが必要だとは思うが別に俺は敵に襲撃されたりしているわけではない。
だが反逆軍の事だ。何らかのルートで手に入れたに違いないと俺は踏んだ。
ここまでの思考に達するに約3秒。
「おい涼風!!そいつは偽モンだ!」
見つけた。
「ん?え?!凛月が2人?」
「んなわけねーだろ!そいつは刀持ってねぇ!こっち来い!」
ちっ。と敵は明らかにそう舌打ちをした。4者で対面し、そこに凛月が2人いるという状況が出来上がったのだ。
(...刀か...。それは考えてなかったな。まあこのままじゃ俺が偽モンってことで終わっちまう。この空気を1番困惑させてやるよ。)
「は、はぁ?何言ってんだあいつ。俺の方が本物だし。バカ言ってんじゃねーって。」
「あー?何言ってるんだ。俺の方が本物だろ。てか涼風!今はそんな状況じゃねぇんだって!はやくこい!」
「え...あ。えぇ...。」
ま、待てよ...。凛月のことはよく知ってるつもりだ。好きな食べ物とかは全く知らんが。
思い出せ。
いつもの凛月...
いつもの凛月。
「だから俺が本物だ。」
「いやだから俺だって!」
「あんな奴らからとりあえず離れるぞ。こい涼かぜっえ?」
俺は俺の隣に居る凛月ではないものから出された手をパシッと弾く。
「凛月はこういう時は冷静な喋り方じゃねぇ。焦ってる感じで正論を言うおてんばやろうだ。お前...誰だよ。」
凛月は刀を抜き、いつでもこいつを殺せる準備をしていた。
そこに凛月では無いものが口を開いた。
「何勝った気になってやがる。反逆軍の刺客たるものバレた時のための策も用意しておくものだ。」
敵は俺から数歩離れ、手を後ろの腰に伸ばした。
今俺は能力は発動していないのですぐには捕えられずに何かを取り出させてしまった。
奴は手を上に突き出して赤色の拳銃を発射したのだ。




