薬の重大さ
異能者達が泊まるであろう宿で俺との見張り役のような役を任せられた伊織と凛月で1夜を共にした。
やましいことはなんにもなく。
「んん〜。おはよぅ…ふわ〜。朝ァ?」
カーテンから差し込んできた光がちょうどよく目に当たり、俺は気持ちの良い朝を迎えた。
「そうっ…ぽい…。」
ウトウトしながら凛月がらしくもない口調で喋った。
「……ぶっw」
俺は必死に笑いを堪えるので本当に精一杯だった。
だって…。凛月の髪の寝癖が…。芸術的w
「あぁ…朝ぁかぁ?って…え?ぶっ…ははははは!凛月何その髪!あはははw」
そこにタイミングよく伊織が起床して笑いをこらえていた。
「ぎゃははははははw」
もう堪えているのは無理だと思い俺も吹き出してしまう。
「あー?んだてめぇら!ゴラ!」
俺らに凛月が飛びかかってきては一撃をガキのおふざけで弱く食らわせられた。
そんなにワチャワチャしていたため、8時までに起床し、ある一定の場所につかなくちゃいけないのに見事俺たちは揃って遅刻したのである。
九州での暮らしの2日目。一日目はほぼなんもせずに終わってしまったため、俺は適当にパトロールでもこなそうと意気込む。
「あれ?凛月どっか行くの?」
「ん?あぁ。少しそこに用があってな。見張り役は伊織と風木って奴に頼んである。お前の横にいる奴だよ。」
ん?と声を漏らして俺は横を見た。程よい筋肉マッチョで男の俺でも見とれてしまう程。
「あぁ!そうだ!伊織どこー?」
「ん?ここだよ」
そう言って研究者が天水マリアという人の監禁されている場所の特定を急いでいる部室のような所からひょこっと出てきた。
「俺って何してればいいのかな?」
「監禁されている場所分かったらそこに突入する感じの役割だぜ!」
はーい。と相槌を打ち俺は外に出る。
そこへ先程用事で出ていった凛月が戻ってきた。
「なあ涼風。ほんの少し遠くにある店に用事があるから着いてきてくんねーか。ガチで少し。」
「ん?おぉ。いいよ。行くか。」
俺は研究室から涼風と凛月の会話を聞いてきた。
そのまま何か感じて向こうへ行ってしまう彼らの背中を見えなくなるまで見送っていた所に、意味のわからない事態が発生したのだ。
「ん?そこ突っ立って何してんだ伊織。そいや涼風いるか?」
「あぁ…あ?何言ってんだ?さっき向こうにお前が連れて行ったろ?」
は?と凛月が声を漏らした。
それに俺はん?と凛月と同様に声を漏らし、ハッと俺は気がつく。
先程の違和感に。
俺も、…いや俺らは分かったのだ。
涼風が。
どんな奴らに狙われてんのか。その非常事態の度を。
「ちっ。風木!来い!悪いが緊急だ!伊織はそこにいて別よ敵に注意してろ!」
しくじった!伊織が言うに変身とかいう異能を持ったやつが俺に化けて涼風連れてったんだろう。
さっき伊織が向こう。と言っていた方向に電灯等を飛び映りながら俺と風木は向かった。
手遅れになる前に涼風を取り戻さないと!
天水マリアの件と涼風の件を同時になんて無理な話だ!
俺はここで団長が下した涼風を連れていこう作戦を許したことを心から後悔した。




