防御の壊し方1
「よし…左右同時に出てそれぞれが奴を攻撃するんだ。それぞれのやり方でな。」
「りょーかいだ。んじゃ行くぞ。」
俺たちは手のひらと手のひらをバチン!と叩き合わせ、合図をした。
やっぱり能力が行き届く範囲は差程…と言ったあたりか。
大して広くないが奴の機敏性が意味わからんほどに上達してやがる…。
「東雲っ!何してんだ!」
「あー?攻撃できる感じだったらしていいんだろ?」
いや…そうだけど…。一定の距離を保って能力を使わせようって話だったじゃん…。
この人とは上手くいかねぇな。なんてのも不意に思ってしまった。
「ッ?!んな事も出来んのか…?!」
「こりゃ…驚いたなあ…」
普通なら奴は能力は口から真っ直ぐ氷を出すはずだと思っていた…が今…。
このゴリラ、左右に散らばった俺たちを追尾する形で氷を口から直角に曲げやがりやがった…!
俺は迫ってくる氷に背を向け、急に方向転換してやつに接近する。
ゴリラはもう能力の使用を中止し、迫る俺に拳を振り抜いた。
俺の手には刀が握られているのだ。
最短で拳を使えなくするには…
「これが最短だな?」
拳を縦に真ん中あたりを切るのだ。これでいくら再生が早くても時間は稼げる。
「ほお…やるじゃないか少年。でもあれは…?」
東雲が何か言いかけている…。
俺は奴の頭目掛けて能力を使い、撃ち抜こうとした時。
「ガッ!ウグ…。」
あ…?なんだ…一瞬でも真っ青に…。
俺は何が起きてるのか分からなかった。分からずに俺は自分の身体が動かない事を認識して、俺は俺の体を見た。
またデタラメに凍らせている。今回はレベルが違いすぎる…。もう下半身はほぼ凍っているのだ。
上半身ですら胸から上あたりしか残されておらず俺はしどろもどろになってしまった
(唯一左手だけは動かせるが…。)
このまま氷をかち割ろうとしたら俺の体も一緒に割れちまう!
「があああぁ!」
怪物がすぐ東雲のいた方向を向いて叫ぶ。と同時に俺の耳元で東雲の声がしたのだ。
すぐ隣に東雲がたっている。
(早っ。)
「凛月…この刀借りるぞ?」
東雲は俺の右手から刀をとり、俺の後ろへ走っていった。




