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スタートは同じだったのに
いつの間にか追い抜かれ
追い越され
置いていかれ
気付けば後ろには誰もおらず
小さくなっていく背中を
必死に追い掛けていた
焦燥ばかりが募り
自分がちっぽけに思え
涙が溢れる
そんな時差し伸べられた手は
何より温かく
凍えそうな心を
そっと包んでくれた
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ネットで始まった恋は
その声だけが頼りで
優しかったり
甘かったり
低くなったりする声の温度で
気持ちを探るしか出来ない
だからいつも読み間違える
君は上手に気持ちを隠すから
慎重に耳を澄まして
本心を探る
手探りの恋はとても拙く
だけど少し寂しくて
僕の心を惑わしていく