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愛して欲しいとあなたは言う
愛していると私は答える
だけどあなたはもっとと言う
どれだけあなたを愛してみても
あなたには届かず、いつも足りない
満たされない心を抱えて
何かに追われるように生きながら
ただ愛して欲しいと懇願する
そんなあなたが悲しくて
そっと抱きしめてみる
小さく震える魂は
冷たくただ泣くばかりで
確かに腕の中にいるのに
もっとずっと遠い場所にいる
あなたを温められるのは
きっと私ではない
それがわかっているのに手放せない
手放してあげられないほど
私はあなたに溺れているのに
あなたの海はあまりにも深く大きく
私のちっぽけな存在など
無に帰してしまう
確かに胸の中で燃えている炎で
少しでもあなたに温もりを与えられたら
それがきっと私の生きた証になる
身を滅ぼす恋だと言われても
あなたを愛することをやめない
最後の一片になるその日まで
あなたが他の誰かを心から愛せる日まで
ただ静かにそばにいて
火を灯し続ける
愚かな愛に囚われてしまったのだから
ピエロのように笑みを貼り付け
滑稽だと笑われても
あなたの隣で「私」を演じ続ける




