博麗と桐咲の邂逅
二人を自宅へと運び入れた青年は霊夢の腰に携帯されている札を見て呟いた。
「やっぱり、博麗の巫女、俺がずっと探していた代々桐咲の一族が補佐する博麗一族の現巫女」
しかし何故こんな所で倒れている？しかももう一人は魔法使いのようだ。
(博麗一族は先代の時に行方を眩ましたまず……)
そんな博麗一族の当主がこんな路地裏に倒れているのは明らかに不自然だ。
もしや何かトラブルがあったのか？本人に聞くのが早いか……。
「もう一時間経った、そろそろ起きたらどうだ？いや……？」
よく見ると瞼がほんの少し開かれているようだ。
「………俺が部屋を出ていったら逃げだす気だったのか？」
すると霊夢ではなく魔法使い？が起き上がった。
「ちぇっ、バレないと思ったのに」
どうやら博麗の巫女はガチ寝してるらしい……。
まぁ……結果オーライだな。
「気がつかないとでも思ったのか？」
意表を突かれた事を必死で隠しながら質問する。
「だったらなんなんだよ！」
まさかの逆ギレか？流石に理不尽だろ。
と、とりあえず調べておかなければ。
「まぁまぁ、それよりお前はそっちの巫女の連れなのか？」
「いや、コイツ誰だ？なんなら私の名前ってなんだっけ……？」
いや、疑問を疑問で返されても困りますよ……。
「じゃあその巫女を起こしてくれよ」
「…………もしかして奥手か？」
……図星だ、何も言い返せない。。。
「それは棚に上げて、早く起こしてやれよ、かわいそうだろ？」
話を逸らさなければ、これ以上は面倒になる！
「なんか上手く言いくるめられた様な……まぁいいか」
そう言うと魔法使い？は博麗の巫女の顔をはたき始めた。
「……もう少し優しく起こせないのか？流石に痛々しい…」
「いやだぜ、見ず知らずのやつに優しくするほど私は優しくねぇよ」
そんなやりとりをしている内に(この間も魔法使い？は博麗の巫女を叩き続けた)彼女が起こされた。
「ここは……？」
「らっせぇ！」
彼女が起き上がった拍子に魔法使い？が再び彼女を叩く。
「痛い！何するのよ！」
まずい、、、このままじゃ言い争いになる。
「あのぉ……やめてくれませんかねぇ……」
「そんな呼びかけじゃ霊夢と魔理沙は反応しないわ、少し強引にするくらいがちょうどいいわね」
突然空間が裂けそこからババa…ではなく一人の女性が現れる。
「ちょっと強引にね…OK OK…って、貴方誰ですか？警察呼びますよ？」
「なら貴方は少女二人を無許可で自宅に連れ込んだから誘拐犯ね♪」
うぐっ……返す言葉もございませぬ………
いやいや、それより誰なんだよ。
「私は八雲紫、彼女ら二人の知り合いってところかしら？」
「ちなみにあの二人の名前は？片方は博麗の巫女のようだが」
絶対怪しいぞこのBBA……。
「博麗の方が博麗霊夢、もう一人は霧雨魔理沙よ」
霊夢に魔理沙ねぇ……珍しい名前だな、苗字といい……。
「まさかこの二人ってこの世界の住人じゃなかったりする？それかただの個性的な名前なんですかね？」
「あら、察しがいいわね、何を隠そう彼女ら、そして私は幻想郷と言うこことは似て非なる場所に住む住人よ」
幻想郷……聞き覚えがいるような……誰から聞いたんだっけ？
「もしかしてそこに緑髪の女性っていますか？」
そう、幻想郷という発言をしたのは昔助けた緑髪の女性からだった。
その女性はそれから1ヶ月後、突然神社ごと姿を消してしまったのだ、もしや彼女も幻想郷に……。
「いるわよ、風見幽香、まず彼女は妖怪だから貴方が知る筈ないわね、次に鍵山雛、彼女もさっきと同じね、次に東風谷早苗、彼女は外の世界＿＿＿＿＿＿＿貴方と同じ日本出身よ、だけどそれを聞いてどうするの？」
「東風谷早苗さんと合わせてくれますか？どうやら昔の知り合いみたいで…」
折角だし彼女に会っておきたい、さよならも言えなかったからな。
「いいわよ、ただしそれが終わったらすぐに帰ること、それと、貴方、博麗一族と関係あるでしょ？」
この女性、なぜそれを知っている…？
「えぇ、桐咲一族と言う代々博麗一族を補佐してきた一族の現当主、桐咲麗夜、またの名を【星詠み】というものです。」
「これは、奇跡的な巡り合わせね……」
かくして幻想郷へと向かうこととなった、この物語、どうなることやら………。
幻想郷崩壊まで残り12ヶ月と23日
nextstory:皮相浅薄なもう一人の巫女
余談:この物語は桐咲麗夜をメインとする外の世界サイド、早苗をメインとする幻想郷サイドの二つの視点で物語が進行します、一話で多くて2000文字程になるかもです。
キャラ達の二つ名の決め方は茨歌仙を参考に、キャラの初登場回はそのキャラが茨歌仙で呼ばれていた二つ名をもじったものになります:例え→皮相浅薄な人間(東風谷早苗)なら初登場回は→皮相浅薄なもう一人の巫女になる
二人以上が初登場する場合はそのキャラの二つ名を組み合わせます。
