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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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2回目の決闘戦3

昼食は俺が1年の時の決闘戦時に使用した店に行くことにした。店に着き、ニノの手を離すとニノが少し残念そうにした気がする。


「ニノ、この店は嫌だったか?」


「…嫌じゃ無い。」


そう言ったニノはいつも通りだった。さっきのは俺の気のせいか。


「そうか、ならいいんだが。」


それから俺達は昼食を食べ、闘技場に戻った。食事中、チラチラと周りから見られて落ち着かなかったが、料理が美味しかったからよしとしよう。


昼食を食べ終わった俺達は別れてそれぞれの事に取り組む。


ニノは控え室で戦いの準備。俺はベテラン審判の人と再ミーティングだ。


そして、昼休憩が終わり、決勝戦午後の部が始まる。実況の人達が選手の紹介を詳しくしている。


ここまで上り詰めた選手は扱いが別格だな。


最初はマーク先輩とこれまた俺と初期から鍛練をし始めた先輩との勝負だ。


今回の決闘戦の決勝戦に進出した俺の知っている3年生達は四天王と他の3年生から呼ばれている。


今回の戦いはその四天王の1位と2位の勝負だからかとても盛り上がっているようだ。


そうして、観客席を見ていると2人の気配が向かってくる。


「2人とも、頑張ってください。」


「勿論だよアレク君。」


「言われなくても、マークに勝つさ。」


「言うねぇ、でもカイトには負けないよ。」


「ふんっ。」


挑戦的な態度なのが四天王2位のカイト先輩だ。武器は槍を持っている。


「やる気は十分ですね。」


そう言うと、カイト先輩が俺を見る。見る時に睨むように見えてしまうのは目の鋭さが原因だろう。


「アレク、敬語はやめろと言っただろう。」


「先輩相手にタメ口はできませんよ。」


「俺よりも強いのだから堂々としていればいいものを。」


カイト先輩は武人気質の人で強い人には敬意を持つんだよな。


まあ、俺としては落ち着かないが。


「ははっ、これが自分の性ですから。まあ、どちらも応援していますよ。」


そう言って、俺は2人を送り出した。1名納得していない人がいたが。


それから2人の戦いが始まり、マーク先輩が勝利する。


勝利の決め手は、生活魔法の『ライト』の光を強くした目眩しだった。


これには観客達と一緒に俺も驚く。こんなふうに使えると話した事はあったが実際に先輩達が使うには難しいと思っていたからだ。


何故なら、魔力感知の習得が必須の条件で、そうしなければ『ライト』を手から離して浮かす事ができない。


もし、マーク先輩に魔法の適性が有れば魔法が使えることだろう。


それから2人は退場するため、俺の方に来る。


「2人とも素晴らしい戦いでした!」


そう声をかけるが違う反応を見せる2人。


「ありがとう。」


「ふん、俺は負けたがな。」


勝者と敗者が出る以上どうしてもこうなってしまう。


「そうですね。ですけどカイト先輩も槍を上手く活用した体術は素晴らしかったです。」


槍を軸として体を浮かした体術は意外性と実用性に溢れていて、しかも格好良かった。


カイト先輩の努力が分かる。


「…気遣いは無用だ。俺が負けたのは俺の努力が足りなかっただけの事。今回はマークが上手だっただけだ。俺はもう行く。」


そう言って、カイト先輩は去っていった。


「アレク君、僕もいくよ。」


「あっ、分かりました。お疲れ様です。」


そうして、俺だけが残る。この後、ニノとミミの戦いだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


3回戦目第1試合の先輩達の勝負が終わり、ニノとミミの出場となる…はずなんだがな。


俺は目の前の悩みの原因に心の中で頭を抱える。


何故なら、俺を挟んでニノとミミの空気が険悪になっているからだ。


今はまだ実況者がニノとミミの紹介をしているから大丈夫だが、このままだと選手が出場しないという事態になりかねん。


ここは俺が事態の収集に努めないとな。


「はぁ、お前らなんでそんなに険悪なんだ?」


俺がため息を吐きながらそう聞くと、ミミがニノを指差して言う。


「この人が自慢してきたんです!私の方が長い付き合いとか、深い仲とか!関係性を怖くて変えられない臆病者のくせに!」


「いや、いきなり何の話だ。」


「わ、私は臆病者じゃ無い。別に言える。」


「なら言ってみてくださいよ!」


無視ですか。


俺が落ち込んでいると、ニノが俺の顔を見てくるがすぐに顔を逸らした。


「ま、まだ時じゃ無い。」


「ほら、やっぱり臆病者じゃないですか!」


「う、煩い。」


そうしてまた口喧嘩が始まる。


ただ、1つ言いたい事がある。2人は何の話をしているんだ?


ミミはニノを臆病者だなんだ言っているが、ニノは臆病者じゃないと思うが?それどころか喜んで魔物に向かっていくぞ?


俺が混乱している間にも会話が続いてく。


「なら、貴女が言えばいい。」


「えっ、そ、それは…。」


「貴女も私に言え無い。臆病者。」


「なっ!い、言いましたね!ならこの勝負に勝ったらアレク先輩に言いますよ!」


「だ、駄目、なら私が言う。貴女には勝たせない。」


「望むところです!私が勝ってアレク先輩を貰います!」


えっ、ここで俺の話しが出てくるの?意味が分からないんだが。というか俺を貰うって何?


…まあいい、話しが終わりそうだから話すならここだな。


「お前ら、口喧嘩もいい加減にしろ。もう出場の時間だぞ!」


俺は先程から俺達の方を伺っている教師を見る。


その教師は気が弱いのか、それともこの会話に混ざるのが面倒だと思ったのか知らないがずっと伺っていた。


「ごめん。」


「すみませんアレク先輩。」


2人とも申し訳なさそうにしている。でも、謝れることはいいことだからな。


「反省したならいいんだ。それと、戦うなら口ではなく、剣で戦え。俺は剣を振っているお前達が好きだぞ。」


俺がそう言うと、ミミとニノはいきなり、闘志を燃やし出す。


「ミミ、覚悟して。」


「こっちの台詞ですよ、ニノ先輩。」


なんか2人の背後に何か見えるような気がするが、まあこのくらいが丁度いいだろう。


「よし、お前ら本気で戦って来い!」


そう言い、俺は2人を送り出した。


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