表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人で目指す世界最強  作者: カラス
95/100

2回目の決闘戦2

 審判としての仕事を終えて、決勝戦2戦目の1試合目が始まる。


 勝負はもちろんマーク先輩が勝った。対戦相手は同じ3年生だがマーク先輩は余裕を持って戦う事ができていた。


 やはり、俺が朝の鍛錬を始める前から朝の鍛錬をしていた先輩は強い。


 そして、2試合目も俺がマーク先輩達と鍛練を一緒に始めた初期から鍛錬に参加した先輩が勝利した。


 ニノが出る3試合目は言わずもがな、一瞬で決着がつきニノが勝者となる。


 するとニノがまた、褒めてアピールをして来たため褒めてあげると、より闘志を漲らさせる。


 順調にミミが勝てば、次はニノと戦うことになるが大丈夫だろうか?


 そんな不安を抱えながら4試合目のミミと朝の鍛錬を一瞬にする先輩との勝負が始まった。


 この1ヶ月間、ミミの特訓に付き合っていて思ったが、ミミの成長速度は凄まじい。


 これなら余裕で“3年生“には勝てるだろう。


 だが、“俺と一緒に鍛錬をしている先輩達“はレベルが違う。今のミミがまともに戦って勝てるかどうかだ。


 俺がミミの願いを受けた時、ニノと戦えるかは運次第と思っていた。


 だが、ミミの成長速度は俺と鍛錬をしている先輩達に一歩劣る程の強さを手に入れたんだ。


 なら、伸び代は十分、後は戦いの中での成長次第だ。


 そして、ミミと先輩との戦いが今始まる。


 最初に動いたのは先輩で、ミミに攻撃を仕掛ける。


 ミミはその攻撃を受け流すが、先輩は予想をしていたのか、無理やり剣の軌道を変える。


 これにはミミも予想外だったのか、無理やり防御をするしか無い。


 だが、それは悪手だ。ミミはそのまま先輩に力押しをされ、防御を剥がされ、大きな隙を晒す。


 まさに絶体絶命。開始数秒でミミはピンチに落ちる。先輩とミミとの実戦経験の差、そして剣の技量の差の結果だ。


 誰もがミミの敗北を悟る。だが、そんな空気の中で俺はニヤリと笑う。


 ミミは片方の剣を先輩の顔に投げつける。先輩は予想外の反撃に攻撃の手を止めて、防御に移る。移ってしまった。


 その時には、先輩にミミの姿は見えていない。


 次の瞬間、ミミの短剣が先輩の首に当てられた。


 僅か数秒のあまりにも予想外な展開に観客達は茫然とする。だが、ミミが勝利したという事実を受け止めると観客達は大きな歓声を上げた。


 ミミが“まとも“に戦えば、先輩達に一歩劣るくらいなら、まともに戦わなければいい。


 この瞬間のために、ミミは布石を打っていた。


 1つが、自分の事を弱いと思わせる事、そして、もう1つが勝利を確信した瞬間を狙う事だ。


 他にも、先輩が無意識でミミを侮っていたことや、ミミの情報を持っていなかった事などの様々な要因があるだろう。


 だが、勝者こそが正義と言うように、これは紛れもないミミの勝利だ。


 そして、2人が退場するため、こちらに向かってくる。


「先輩、お疲れ様です。ミミもおつかれ。」


「アレクさん、お疲れ様です!」


「お疲れです。アレク先輩!」


 すると先輩もとい、ブーク先輩がいきなり頭を下げる。


「アレクさんの評価を下げてしまい、すいませんでした!」


 この行動にはミミも驚いているようで黙ってしまっている。俺は朝の鍛練時に何回も見ているからもう慣れた。


「頭を上げてください。俺はそんな評価は気にしてないので。あっ、でも明日の朝の鍛練は厳しくします。」


「分かりました!では、自分は剣を振ってきます!」


 そう言って、ブーク先輩は走り去って行った。ブーク先輩は罰を科さないと納得しないからな。


 まあ、今はブーク先輩よりもミミを優先しないとな。


「さて、ミミ遅くなったが、おめでとう。次はニノとの勝負だ。」


「はい!」


「それと、今回の試合の判断は良かった。だけど、ニノには通じ無いから、その時は全力で戦え。」


 俺がミミの狙いに気づいたなら、ニノも当然気づくからな。


「分かりました。勝ちます!」


 勝てとは言って無いんだが、まあここで言うのも野暮だな。ミミはやる気が溢れているようだし。


 それから、2戦目が全て終わった事で昼食の休憩となる。


 俺は審判としての仕事があるため、ミミとは途中で別れた。


 そして、審判の仕事を終え、ひと段落していると、魔力感知をされている事が分かった。


 俺はすぐさま戦闘体勢に移行すると逆探知をする。


「この魔力は、ニノか。」


 俺は警戒を解いてニノのところに向かうと、向かった場所は外で、ニノが待っていた。


「ん、来た。」


「どうした?何か用か?」


「ご飯、一瞬に食べよう。」


 何か困った事かと思ったら、食事の誘いか。


「いいぞ。なら軽い物にするか。ニノはまだ試合があるからな。」


「うん。」


 そうして、出発しようと思い周りを見ると、人が沢山いて混雑している。


 エスコートは男の役目だからな。俺はニノの手を取る。


「手、繋ぐぞ。」


「!」


 ニノはいきなりのことで驚いているようだ。悪いことをしたな。まあ気にしないが。


「んじゃ、行くか。」


 そうして、俺たちは昼食を食べに向かうのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ