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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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新しい部員

サンアの兄の名前をロンアからソールに変更しました。

 俺たちが王都についてからは怒涛の日々だった。


 まず、王都に着くと騎士の人達に迎えられて古代魔法の研究室の隣に俺達専用の古代魔法の研究室があり、そこに案内された。


 それからは大人の古代魔法を研究している人達と意見交換をしながら、偶に皆んなで王都の観光ついでにご飯を食べたりして息抜きもしながら研究に明け暮れる日々。


 そんな日々を過ごしていて驚く事があった。それはサンアとラーヤのお兄さんが王国魔法団第三団長だったことだ。


 サンアのお兄さんの名前はソールと言うらしく、古代魔法と魔法の複合を考えてここにきたそうだ。


 最初は真面目な人だと思っていたが数日もすればソールさんの事が分かってきた。


 この人は魔法馬鹿だと。


 サンアが経営学を真面目に勉強していた理由が分かった気がする。


 だけど、ソールさんの魔法に対する知識はとても深く、興味深い話しばかりだった。


 そんな感じで、サンア達への土産話ができ、俺達は帰路に着く。


 勿論、三年の先輩達とはここでお別れだ。いや、スレイド学園1年生の先輩達だな。


 俺は楽しかった思い出が溢れてきたが、これが最後という事では無いと思いだした。


 それに、俺とニノは冒険者になるのだから王都にまた来れば会えると考えると寂しさは少し薄れる。


そうして、俺達は三年生の先輩達と別れて学校に帰るのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 学校に帰ってから、俺達古代魔法学部は校長に王都でのことを話し、ゆっくりするように言われた。


 そして、俺達は寮に戻り、サンアに土産話をプレゼントしてやった。


 次の日になり、俺は2年生の棟に向かう。今日から俺も2年生かと感慨深く感じて教室に入ると、去年と同じクラスメイトだった。


 どうやら進級試験は俺達1組が独占していたようだ。


 最初は王都の事を色々と聞かれたりしたが数日も経てば落ち着くもので、いつも通りの日常に戻る。


 そうして、いつも通りの生活になり、ニノは元の部活動に戻り、俺達はいつものように部室で古代魔法の研究をしている。


 すると、久しぶりに先生が部活に顔を出した。


「先生、お久しぶりです。忙しいと聞いていたんですが大丈夫になったんですか?」


「忙しいのは変わらないさ。今日は新入部員を連れてきたのさ。さっ、自己紹介を。」


 そう言った先生の後ろから現れたのは双子の女生徒だった。


「わたしがミミで!」


「私がムム。」


「「よろしくお願いします。」」


 と、2人揃って頭を下げた。元気そうなのがミミで真面目そうなのがムムだ。どちらもピンクの髪をしている。


 それにしても驚く事がある。何を隠そう2人は頭に兎の耳がついているんだ。


「よろしくね。」


「よろしくだ。」


 と2人の先輩達が言う。それに続けて俺も言おうとすると、ミミが俺の前に一瞬にして移動すると握手してきた。


「あなたがアレク先輩ですね!」


「えっ、あ、うん。そうだな。」


「やっぱり!私、アレク先輩の事が大好きなんです!」


 そう言って、手をブンブンと振るミミ。ただな、ミミが手を振ると俺の手も振られるから痛いんだよな。


「そうか、ありがとう。よろしくな、ミミ。それと、ムムみたいに先輩達にも挨拶するんだぞ。」


 俺はそう言って、横目で先輩達と挨拶をしているムムを見る。


「わっかりましたー!」


 そう言ってミミは先輩達の方にダッシュで向かう。俺は先輩の方に向かったミミを見て思う。


 足がとても速い。


 あれが獣人の力なんだろう。俺が身体強化を発動させたぐらいの速さがある。


 そんな事を考えているとムムがやって来た。


「よろしくお願いします。…アレク先輩。」


「おう、よろしくな。それにしてもミミは元気だな。」


「そうですね。うちの姉は元気だけが取り柄なので。」


「あっ、ミミが姉なんだな。でも、俺達の部活に入れたって事は頭がいいんだろう?」


「そうですね。姉は好きな事には熱中する人なので。」


 そう言ったムムの表情はどこか悔しそうだった。


 何故悔しそうにしているのか聞きたい欲求が出てくるが、獣人がいる国から、ここはとても遠い。


 だから何か事情があるのだろう。それを詮索するほど俺は無粋じゃない。


「そうか、まあそういう人材が古代魔法の研究には必要だ。」


 そうして、新しくできた後輩達との挨拶が終わると先生が言う。


「その2人はこの部活に入れるくらいの古代魔法についての知識がある。足りない知識は君達が教えてあげてくれさ。」


 それから少し話すと先生は仕事に戻ってしまった。なんでも古代魔法を学びたい生徒が多すぎてとても大変なんだそうだ。


 俺達は苦笑いをするしかなかった。


 それから俺達は入って来た後輩達にワンツーマンで古代魔法を教えていく。


 ミミがなんでやらせてくれないのかと文句を言ったため、やってみろと渡したらさっぱり分からなかったようだ。


 これでミミも理解したようだ。古代魔法の勉強ができても実践ではあまり役に立たないと。


 それから1か月ほど教えると、2人とも術式の一部のものならできるようになったようだ。


 こうなったら後は実践して覚えていくしかない。


 俺と先輩達は古代魔法で四苦八苦している後輩達を見て和むのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 それから時が経ち、あと1か月というところまで決闘戦が近づいてきた。


 その頃には後輩達が増え…ることがなく2人だけのままだった。


 どうやらこの2人が優秀なだけだったようで、他の人達は古代魔法が難解すぎたようだ。


 一方で俺達の後輩は2人で1つの研究をできる程には成長している。


 俺は半年もあれば1人でできるものだと思っていたがどうやら違うらしい。


 先輩達によると俺が異常なのだそうだ。


 反論として先輩達もできていたじゃ無いかと言ったら、それは下地があったからだと論破されてしまった。


 まあ確かに、1年も深く古代魔法を学んでいたら術式を変えるという応用みたいな事はできるか。


 そして先輩達だが、メレス先輩は『誰でも雨を降らせる古代魔法』の術式を完成させ、モノス先輩は『魔物が近寄らなくなる古代魔法』を完成させて後輩達を連れて王都の学会に夏ごろに発表しに向かった。


 それと、経験として後輩達を自分達に一人づつに就かせて発表を手伝わせたらしい。因みにディナ先輩達は元気にやっているそうだ。


 俺は勿論学校に残った。俺は古代魔法を完成できていないし、それに行ったらニノに言わないといけなくなるからだ。


 まあ、その甲斐があって後輩達が成長できたと思えば良かったと思う。


 因みに俺がいま研究しているのは古代の攻撃魔法だ。古代の魔法制御はもう習得したため挑戦しているところだ。


 古代の攻撃魔法はソールさんに頼まれたもので頑張っている。ディナ先輩達(王都の古代魔法の研究室)では魔法と古代魔法の複合方法を研究しているそうだ。


「俺も頑張らないとな。」


 そうして、俺は古代の攻撃魔法の完成に取り組むのだった。


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