またも王都へ
王都出発の日になり、俺はニノと男子寮女子寮とで別れる場所で待ち合わせをしていた。
「おはー、すまん、待たせたな。」
「別に、そんなに待ってない。」
「そうか?なら行くか。」
そうして俺とニノは正門前に向かった。
正門に着くと先輩達が全員揃っていた。互いに挨拶をして、馬車停に向かう。
因みに先生はついて来ない。先生は忙しいようで、王都に行けないそうだ。
馬車停に着くと前回王都まで送ってくれた騎士の人達がいた。
そして、前回同様それぞれの人に2人護衛がついた。ニノとディナ先輩には女性の護衛だ。
「お久しぶりです。カームさんジャンさん。」
「お久しぶりっすねアレクくん。」
「半年ほどだな。」
「そうですね。それではまた王都までの護衛をよろしくお願いします。」
そうして俺達は王都まで出発した。
王都までは3日ほどかかり、途中で幾つかの街に泊まる。
そして1回目の泊まる街に着いた。前回の時と同じくまだ夕食には早い時間だ。
「先輩達〜、俺図書館に行ってきますね。」
「私も行きます。」
「分かりました。なら夕食は、渡したお金で各自食べて下さい。」
「了解です。」
俺がそう言って護衛の人達に確認しようとしたところ、了承の旨が行動で帰ってきた。
「んじゃ、行くか。」
「うん。」
そして、俺はニノと一緒に図書館へ向かった。
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「ここに入るのは2回目だな。」
「そうなんだ。」
「結構面白い本もあるから探してみな。」
俺は懐かしい気持ちになりながら、本を漁っていく。
そこで魔法を魔石に込める方法と言う本があった。どうやって込めているのか気になっていたがこんなところで読めるなんてラッキーだな。
俺は席に着いて本を読み始める。すると少し経ってニノが本を持って隣に座ってきた。
ニノが持ってきた本のタイトルをみると、“努力の賜物“と書いてあった。
何を読んでいるんだ?と思ったが、タイトル絵が冒険系のものだったため、逆に安心した。
それから俺達は互いに話す事なく本を読む。
俺の本の内容は魔石に魔法を込める方法が書いてある。
内容は魔石に魔法を込めるには、発動させる魔法と魔石内にある魔力を調和させる必要があり、高い魔力制御が必要になる。
また、上級魔法を魔石に込めるのならば魔石の大きさが最低でも50センチ必要であると考えられていて、それほどの大きさの魔石を使うなら魔道具に使用した方が良いとされている。
また、その魔石に上級魔法を込めるにはその魔石を持っていた魔物程の魔力が必要になるため実質的に不可能である。
要約するとこんな感じの事が書かれていてとても興味深かい。なら、上級魔法を入れた魔石を作れるとしたらエルフくらいってことか。
そして、これなら後数年で俺も作れるようになると分かった。
俺は古代魔法を扱うようになってから格段と魔力制御が上手くなっているのを感じている。
今の俺なら上級魔法を苦労なく制御できるだろう。
だけど、上級魔法は成人するまで使わないと自分で決めたことであるし、約束事のため制御できていたとしても上級魔法は使わない事にしている。
それから俺はもう何個か本を持ってきて、ニノが本を読み終え、少し経ってからのタイミングで声をかけた。
この時間は本の余韻に浸る時間のため声をかけるのは無粋だ。
「読み終わったか?」
「うん、この主人公がとても良かった。アレクも気にいると思う。」
「そうか、なら後で俺も読むよ。それで、俺はこれから鍛錬を始めるけど、来るか?」
「行く。」
ニノは即答した。
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俺とニノは、前にジャンさんに教えてもらった旧訓練場に来ていた。
もちろん、護衛の人達も一緒だ。
「アレクくん、またやるんすね。僕達もお邪魔していいっすか?」
「いいですよ。ニノもいいよな。」
「うん。」
それから、俺達はニノの護衛の人も混ぜて鍛錬を始めた。
ニノの護衛の人達の名前はティアラさんとメルナさんだそうた。
それから剣の素振りを1時間ほどして休憩に入る。
休憩に入るとジャンさんが話しかけてきた。
「アレクくんの友達、やばくないっすか!なんですかあの剣!僕達を完全に超えてますよ!」
ジャンさんは護衛の人達と一緒に離れたところにいるニノに指をさして言っている、
「そうだ。そして、アレクくんの剣も俺達と遜色がないほどになっている。会わなかったこの半年でどれほど成長したんだ。」
カームさんがそう驚いたように話す。だけど同じほど強くなったと言われると少し照れるな。
「そんなに褒めないで下さいよ。でも、そうですね、しいて言えば死ぬほどの激戦を乗り越えたからですかね。」
本当、決闘戦でニノが意識を失った時に死を覚悟したからな。本当にあれはヤバかった。
「学生なのにそんな目に遭うんすか!」
「ええ、本当に遭うんですから驚きですよ。」
「ふむ、アレクくん急成長の理由は死が迫ってきた時の限界の突破だろう。」
「なら、あの子はなんなんですか?」
そう言ってまたニノに指をさすジャンさん。
だけど、ニノのことなら説明できる。
「ジャンさん。それはニノが天才だからです。」
「えっ、そん」
「天才だからです。」
「そ、そうっすか。」
俺は無理やりジャンさんを黙らせた。だってそれ以外に説明できないからな。
「ええ、だから考えるだけ無駄なんですよ。だから鍛錬を始めましょう。」
俺はそう言って場を離れ、ニノのもとへ向かい鍛錬を始める事を伝える。
そうして、次は魔力の塊を回しながら剣を振る事を始めたら、ジャンさんとカームさんが俺と同じ事をやったんだ。
「2人とも、できるんですか!」
「ああ、アレクくんがやっていた事をやってみようと思い、練習していたんだ。」
「そうしたら1か月ほどでできるようになったんっすよ。すると、魔法使いの人達との合同訓練の時に何故か魔法が来るのが分かるようになったんっすよ。」
「それで、この魔力を回す事が鍵だと分かり、練習に力を入れたんだ。」
「魔力がより身近になった事によりそうなるんですよ。だからこれからも続けた方がいいですよ。」
俺が子供の頃のリガルドさんが魔法を簡単に避けられていたのは、生活魔法を戦いに導入していたためだ。
それから魔法込みの鍛錬を開始して最後に俺とニノが軽く模擬戦をし、夕食を食べて宿屋に戻り眠りに着く。
それから、1回目の休憩ポイントでの朝、皆んなで朝食を食べている時、宿屋の従業員のお姉さんが俺のことを覚えていたらしく、手を振られたので振り返したらニノに睨まれた事以外は何事もなく3日間の旅をし、王都に着いたのだった。




