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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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決闘戦5

 決闘戦最後の朝、いつものように起きると鍛錬をしに向かう。いつもならサンアがこの部屋で寝ているがこの3日間、一度も戻って来ていない。


 俺は寮の中庭に向かうと決闘戦の予戦で決勝を争った先輩がいた。簡単に言うと昨日戦った人だ。


 俺は軽く会釈をすると1人寮からこちらに向かって来た。その人は2メートルほどの身長で、特大の木剣を持っている。


 この人を朝の鍛錬で見た事がないな、それにしても本当に中学生なのだろうか?そう、俺が不思議に思っていると話しかけられた。


「お前が本当にパルナを倒したのか?」


「そうですけど。」


 俺がそう言うと馬鹿にしたような感じで言う。


「お前みたいな奴に負けるなんて、パルナは落ちぶれたな。所詮は商家の娘か。俺が2年の時に出場していれば優勝だっただろうな。」


 俺はパルナ先輩を何も分かっていないその言葉に怒りが込み上げてきた。俺も所詮は昨日初めて会っただけの人間だが、身体強化だけの状態の俺が本気を出して戦った相手だ。


 その相手を侮辱されるのは腹が立つ。コイツをどうしようかと考えていると、俺が黙っているのを怯えていると感じたのか俺の事を蔑み始めた。仕舞いには俺と決闘戦で戦った先輩達も。


 俺とニノは礼節を持って戦ってくれた相手には敬意を払っている。これはリガルドさんに教えて貰った大事なことだ。


 だから自分が蔑まれるのはいい、だが俺が戦って来た人を侮辱するのは許せない。


 俺は本気でコイツに怒りを覚えた。だがそのおかげで少し冷静になれて、コイツの身も心も壊す方法も思いついた。


 それは本戦で力の差を見せつける事だ。話を聞くとコイツは本戦に出るらしい、言うだけの実力はあるようだ。そしてコイツを見て才能はあるが努力を怠った奴だと分かった。


 俺は今日の鍛錬を中止し、自分の部屋に戻ることにした。背中から俺の事をバカにするような声が聞こえているが無視をした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あのムカつく奴と別れて数時間が経過し俺は本戦で戦う所の控え室にいる。


 ここに来る途中、周りの人達から視線を感じて少し恥ずかしかったが有名税と割り切った。


 控え室は1人用のようで、このベルらしきものを鳴らすと使用人がやって来るという神環境だ。


 決闘戦開始の時間まで待っていると扉からノック音が聞こえてきて返事をすると先生が中に入って来た。


「失礼します。」


「どうしましたか?」


「対戦相手が決まりましたので、その報告と本戦の説明です。」


 そうして、対戦表を見せられた。そして1番最初のところに『ニノ』と書いてあった。


 俺は胸の高鳴りを感じながら見ていくと最後の所に俺の名前があった。ニノと当たるのは決勝戦のようだ。


 そこで少し気になったことを見つけため先生に質問する。


「すみません、本戦出場者が何故16人もいるんですか?」


「自主訓練室にて、予戦決勝戦の敗者復活をかけた勝負をしたからです。」


「そうなんですね、ありがとうございます。」


 なるほどな、昨日先輩に会いに向かった時にすれ違った生徒がその戦いに参加した人か、そしてその制度によって人数調整をしているんだな。


 それから予戦と本戦の違うところの説明をされて、決闘戦開始の時間になった。


 因みに俺の対戦相手の名前は『コング』先輩って人だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 対戦相手を教えられてから数時間が経過した。最後に戦うとなると退屈になるんだな。


 だけど、ニノと戦えると思うとこの退屈な時間も楽しみに変わる。俺のモチベーションが変化せずにまた数時間が過ぎた。


 そしてとうとう、俺の番になった。呼んでくれた先生の後についていくと、倉庫に案内された。倉庫の中には色々な武器があり、決闘戦の本気度が分かる。


 俺は1番しっくりときた武器を持つととても楽しみに思いながら本戦に向かった。


 そして、対戦相手を見た瞬間、俺の楽しみにしていた気分は悪くなった。何故なら、相手が朝にあった奴だったからだ。


 俺は落ち込んだが、早めにコイツを潰せるなら別にいいんじゃないかと思うことにする。


 そして他にもいいことが耳に入った。それは青髪の少女が対戦相手を瞬殺したという内容だ。


 俺はその声が観客席から聞こえたことにより、落ち込んでいた気分が元に戻った。俺は対戦相手が待っている土俵に向かう。


 俺が見え始めると俺についての実況が始まり、観客席から盛り上がる声が聞こえる。


 俺はサンアに教えてもらっていた貴族席に手を振った。ついでに周りの観客席にも。


 そのおかげでさらに盛り上がりを見せた会場。そして俺はコングの前に立つ。コングは俺が来るなり話しかけてきた。


「まぐれでここまで来れたことは褒めてやろう。お前見たいな雑魚が本戦にいてくれるおかげで、楽に優勝できそうだ。だからお礼に現実を教えてやろう。」


「…。」


 俺が真顔で黙っていると気に障ったのかコングは苛ついている。


「黙ってんじゃねぇよ。なんか言ったらどうだ。あぁん?」


 典型的な言葉に笑いそうになったがなんとか耐える事ができた。


「何、笑ってんだ!調子に乗るなよ!」


 笑うのを耐えられていなかったようだ。そして俺が笑っているのを調子に乗っていると思ったらしいコングは胸ぐらを掴んだ。


 だけどこの行動は流石に審判に止められていた。コイツは周りの視線が気にならないのだろうか?


 俺が真顔でコングを見つめているとさらにコングが苛ついた。反応が無かった俺がお気に召さなかったようだ。


 このままじゃ埒が明かないと思ったのか、審判が開始の宣言をした。そして始める時の礼儀をする。握手をする時に力を込められて、必死そうなコングが何故か可愛く見えてきた。これは重症だな。


 そしてそれぞれが位置につくと特大剣を構えながらコングが言ってきた。


「テメェをぶっ殺す!」


 だから俺は煽っておいた。


「そうか、なら俺はこの後に頭の病院に行かないといけないからさっさと終わらすことにするわ。必死なお前が可愛く見えてしまってな。」


「舐めてんじゃねぇぞ!なら望み通りに病院送りにしてやるよ!」


 そうコングが言ったと同時に審判の手が振り下ろされた。それと同時にコングが俺の眼前で横に剣を振るう。


 それも後、数センチのところに剣がある。これだと流石に剣を避けられない。俺はコングの剣を何も防御をせずに体で受けた。


 そして俺は観客席の壁まで吹き飛び、壁にぶつかった。壁は崩れており周りには壁の破片が飛び散っている。これには観客達も悲鳴を上げる。


 そして、その悲鳴の中、笑っている奴がいる。


「テメェが調子に乗るからだ。ザマァねえぜ。」


 そして、その悲鳴の中、言葉を聴いている奴がいる。俺のことだ。


 重力により、俺の体が壁から出ると、何でもないように俺は伸びをしながら地面に立つ。そして、一瞬のうちに俺は俺を倒したと思い高笑いしている奴に一瞬で近づき殴り飛ばす。


 俺に殴られたコングは地面を無様に転がる。


 その異様な光景に観客達の悲鳴は無くなり、歓声が響く。俺は起きあがろうと這いつくばっているコングに話しかけた。


「流石に人望が無さすぎないか?先輩?」


 すると言い終わると同時にコングが斬りかかってくる。それを難なく避けると距離をとる。


「調子に乗るな!いきなり攻撃をしてきた卑怯者が!」


「いや、油断をしてたお前が悪いんだろ。」


 俺の言葉でさらにキレて速くなった剣も難なく避ける。


「避けるんじゃねぇ!」


「いやいや、決闘戦で何言ってるの?頭おかしいんじゃない?俺が病院に行くよりも先にお前が病院に行った方がいいかもな。」


「ふざけるな!」


 そう言ってコングは縦に大振りをし、それを避けると地面に攻撃が当たった。すると地面に亀裂が入る。


「おお、怖い怖い。」


 それから数分ほどコングからの攻撃を避けていると流石に疲れたのか動きが止まった。


「動くんじゃねえ!」


「は〜、さっきから命令ばっか、頼み事があるなら頭を下げろよ。」


 俺がため息を吐きながら、やれやれとするとキレたコングが飛びかかって来る。


「調子に乗るな!」


「それしか芸がないのか?お前からは何も盗む価値が無い。」


 俺はまた再開された攻撃を避けながら思う。本当に何も盗む者が無い。何故コイツがここまで来れたのか不思議なくらいだ。


 俺はこんな奴に怒っていたのが馬鹿らしくなってきた。だけど、俺の対戦相手を侮辱した分は受けてもらおう。


 俺は動きを止めた。そして何も考えずに斬ろうとするコング。


「死ね!」


 そのコングの声と同時に俺に攻撃が入るのを全員が見た。その剣がそのまま肉を斬りながら進むのだろうと誰もが思ったさなか、驚きのことが起こる。


「…。」


「なんでだ!なんで斬れねえ!」


 そう言って何度も何度も俺を斬るコング。だけど傷が1つもつかない。


「なんでだあぁぁぁ!」


 そう言ってコングは俺を力いっぱい斬るも傷1つつかない。あるのは地面にできる亀裂のみ。


 俺は息を切らしているコングに言う。


「これがお前と俺の間にある実力差だ。第1最初にお前の攻撃を喰らって傷1つ無い時点で気づけよ。」


「ふざ、ける、な。」


 コングが小さく何か言ったようだが聞こえなかったため、聞き返してしまった。


「えっ?」


「ふざけるな!何が実力差だ!俺は剣術部の副部長だぞ!」


 そう言って、また剣を振り始めた。俺の体に当たるも、傷がつかない。俺はコイツは馬鹿だと思いながら、流石に鬱陶しく感じてきた。


「さっきから、ブンブン、ブンブンうるさいんだよ!」


 俺はそう言って剣でコングの攻撃を弾き飛ばした。それを見たコングが言った。


「剣を抜きやがったな!お前は俺の攻撃に恐怖したんだ!だから、剣を抜いたんだ!」


 コイツは戦いだって言う事を忘れているのか、戦いは剣を抜くのが普通なのに。俺は可笑しくなっているコイツの相手をするのが面倒だと感じたため、決着をつけることにした。


 そして、剣で倒すのも何か癪に障るため素手で倒すことにした。


 俺はコングからきた攻撃を避けると腹に足蹴りを叩き込んだ。するとコングは10メートルくらい吹き飛びながら転がる。


 俺はコングが立ち上がるのを待ち、俺を見るのを確認したら俺は剣を投げ捨てた。


「恐怖で剣も持てなくなったか!」


 頭が可笑しくなったコングの相手をせずに俺は一瞬で距離を詰めると腹に7発ほど殴り込んだ。


 するとコングは血を口から吐きながら仰向けになって倒れ込んだ。


 魔力の使いすぎで俺の攻撃に耐えられるだけの身体強化ができなかったか。


 こうして本戦の全ての1回戦目が終了した。


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