学会
学会に着くと前からシンプルなデザインの服を着た人がやって来た。
その人は案内人のようで俺達を控え室まで送ってくれ、護衛の人は別室に連れてかれた。そして案内人によると発表は2時間後のようでそれまで俺達は発表の最終確認をする事にした。
そして、とうとう次の番になると先生が円陣を組もうと言い始める。
「分かりました。」
ディナ先輩がそういうと、皆が頷く。これだけを見るとディナ先輩がこの部活のリーダーに見える。この部活にリーダーなんて居ないのにな。
するとディナ先輩がこんなお願いを言った。
「アレクくん、一言をお願いしてもいいですか。」
「他の先輩達は俺でいいんですか?」
「いいよ。」
「いいだろう。」
「いいぞ。」
そうして全員からオーケーを貰ったが、俺は何を言えばいいのか分からなかった。だから今の気持ちを言う事にした。
「これから自分達は古代魔法という新しいもので国中から注目されると思います。なら、もの凄い注目を浴びましょう。まあ、なんて言うか、俺達がこれからの古代魔法を引っ張って行きましょうってことです。」
俺がそういうと皆が静かになって一気に全員が笑い出した。
「なんで、笑うんですか!恥ずかしくなるじゃないですか!」
「ごめんよ。アレクがらしくない事を話すから面白くってね。」
「そうだ。」
「そうだな。それにアレクがいった事の覚悟を持たないといけないだろうしな。」
「確かに、そうですね。」
そんな先輩達を見て先生が真面目な顔をして言う。
「皆んなアレクくんのおかげで緊張がほぐれたようだね。なら、行きなさい。私は君たちが成功すると信じている。」
「「「「「はい!」」」」」
そうして俺達は発表は開始した。開始した始めは会場に来ている人達に全く興味を持ってもらえなかったが、俺達が論理的な思考の元、話すとだんだん聴いてもらえるようになった。
そして、俺が古代魔法を発動させるとドヨメキが響き始めた。そうして発表を終えると、質問の嵐になった。流石に質問が殺到しすぎて全ては答えられなかったがこの発表は成功と言えるだろう。
俺達の発表が終わって次の発表者の順番になったが、学会内の人達は俺達の発表について意見を交換し合っており、俺は発表者が可哀想と思った。
それから俺達は控え室に向かって歩いている。
「アレク、やばかったな!」
「そうですね、質問の嵐でしたよ。」
「そのとおりですね、だけど質問を全て答えることができませんでした。」
ディナ先輩の言うとおり、予想以上に質問者が多くて時間内に答えることができなかったんだよな。
「そこは反省ですね。」
そう話しながら控え室に戻ると先生が荷物を纏めていた。そして護衛の人達もいる。
「どうしたんですか先生?」
「君たち、早く学校に帰るよ!」
そう言って先生がメレス先輩に突進するように向かって来て、手を引き始める。
「わわっ、そんなに急いでどうしたんですか?」
俺達は訳がわからないまま、先生に着いて行き学会を出た。そして、そのまま馬車乗り場に向かうと王都を出る。
俺達は何故王都から急いで出たのかを先生に聞くと。どうやら俺達の発表のせいで面倒が起きたらしい。
先生によると面倒事が起きるのが早すぎて、王都にとどまっていると面倒事に巻き込まれると言われた。
俺達は先生の言っている事の意味がイマイチ理解できなかったが、王都にとどまっていると面倒事に巻き込まれるということだけが分かった。
そうして俺達はまた、3日をかけて学校に帰った。




