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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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古代の身体強化

 俺が騎士様と噂されるようになってから3ヶ月が経ち、人の噂も75日と言うように俺の噂は落ち着いてきた。


 そして俺は今、部活の先輩達と一緒に俺が思いついた古代魔法の発動方法を試そうとしている。


 俺が考えた発動方法とは、魔力を文字にして魔法陣を描く事だった。


 誰にでも思いつきそうな事だと思ったが、この世界の人達は魔法という枠内しか知らない。だから魔法の発明がエルフ頼りになっているし、魔法が結構自由であると知らないんだ。


 そのため、俺が考えた魔力を文字に変えるという事を思いつけなかったんだと思う。


 それの構想を1か月前から先輩達に話して協力して貰っていた。それが今日、ようやくやる事ができる。


「先輩達、やりますよ。」


 俺はそう言って魔力で作った壁に文字を書いていく、この文字を描くと魔法陣として完成する。


 因みに、俺が描いている魔法陣は資料の中に絵として描いてあった中で1番簡単なものにしている。その資料の中でもこの魔法陣が身体強化だと思われているという理由もあるが。


 そして、魔法陣を描いていると分かる。俺が子供の頃ゴブリンを冒険者達と殲滅しに向かった時に発明した魔法の時と同様、魔力を凄く消費していると。


 魔法陣を半分描くのに俺の魔力が4分の1ほど無くなった。だから魔法陣完成には魔力が半分ほど消費する事になる。


 そして、とうとう魔法陣を描き終えた。すると魔法陣が巨大になり始めた。それを認識するとここにいる全員がすぐに身体強化を発動させる。


「どうなってるんだ!」


「大変な事になるかも、しれないね!」


 そう言う、ディアン先輩とメレス先輩。それでも魔法陣は大きくなり続けて壁を貫通した。壁を貫通してから少し経つと文字が大きくなっていないのが分かったため止まったようだ。


「止まった、のか?」


「そのようです。」


 モノス先輩とディナ先輩が言う。2人がそう言うと安堵が広がる。


「死ぬかと思いました。」


「そうだね。それにしても、これは発動しているという事でいいのかな?」


 メレス先輩がそう言うと皆が疑問に思ったようだ。


「確かに今までにないことが起こったから発動だと思ったが、特に何も起きていない。」


「確かにそうだな。」


「先生を呼んでみるのはどうですか?」


「そうしよう。なら僕が呼んで来るよ。」


 そう言ってメレス先輩は先生を呼びに行った。すると俺の肩をディアン先輩が組むと言った。


「それにしても、アレクの構想が古代魔法の研究を一歩進めたのは間違い無いな。」


「そうですかね?」


「そうだ。アレクは誇ってもいいと思うぞ。」


「モノス先輩、誇ってもいいと言いますけど、自分1人じゃ無理だったと思いますよ。俺は皆さんの協力があったからできた事だと思っているんで、誇るなんて事は出来ませんよ。」


「アレクくんは謙虚ですね。」


 そんな話しをしているとメレス先輩が先生を連れて来た。先生は地面にある魔法陣を見ると本当だと分かったようだ。


「本当のようだねぇ。それにしてもなんで私を呼んでくれなかったんだ!歴史的瞬間を見逃してしまったじゃないか!」


 そう言って先生は子供のように騒ぎ出した。だけど見た目が子供なだけにただの子供の我儘にしか見えない。


「すみません。それで、これはどうなんですか?」


 すると先生はだだを止めて魔法陣を見始め、言った。


「君達、身体強化を解いてこの魔法陣の中心に来るんだよ。そうしたら分かる筈さ。」


 俺と先輩達は先生が言うならと身体強化を解除して魔法陣の中心までやってきた。


「来ましたけど、何をするんですか?」


「それはこうするんだよ。」 


 そう言って先生は魔力を魔法陣の中心に流すと魔法陣が光り出した。


 すると、魔法陣は消えて身体強化を発動させたよう感覚が体に残った。


「体が軽いぞ!」


「これは身体強化か!」


 ディアン先輩とモノス先輩がそう言うとメレス先輩が先生にこれはどう言うことか聞いた。


「これは古代の身体強化だろう。それも魔法陣の範囲内の人全てに身体強化を付与できる、ね。これは大発見だよ!名前が歴史に残る異業だ!」


 そう興奮気味に叫ぶ先生。だけど俺はそれ以上に気になる事ができた。この古代の身体強化と現在使われている身体強化を同時に発動させたらどうなるのかと。


 俺は身体強化を発動させてみた。すると2身体能力が倍になっていることが分かった。俺は更に身体強化を強くすると、さっきよりも強化がされていないと分かった。


 このことから、古代の身体強化と現在の身体強化は掛け算方式では無くて足し算方式だと分かった。


 俺が自分の体で実験をしているとディナ先輩に話しかけられた。


「アレクくんどうしましたか?何か考えごとをしているようですが?」


「いえ、なんでもありません。それよりもどうしましょうかこの人達。」


 俺はそう言ってはしゃぎまくっている先輩達と先生を見た。


「仕方がないと思いますよ。それだけの大発見なんですから。私も皆さんと同じ気持ちです。」


「そうですね。ならもう少しこのままにしておきましょう。」


 そうして先輩達と先生が落ち着くと話し合う事になった。そして話し合いの結果、学校長に話しをする事に決まり、そこで学会に皆んなで向かう事を許可してもらいに行く事になった。


 そして、話し合いが終わったから早速古代魔法を発動させようと言う事になったが、魔力が足りなくて無理だと断るしか無かった。


 だから、古代魔法を安全に発動できるようにするため、さらに資料を漁った。


 こうして今日が過ぎ去っていった。


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