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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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非常識

 ラーヤとの模擬戦が終わった後、俺達4人とサラさんにラーヤについていた使用人の1人と食堂に移動していた。


「それにしてもラーヤが負けるなんて驚いたよ。一般の騎士には勝てる程の強さがあったのに。」


 そう言ったのは、ニコニコとしているサンアだ。何故か妹が負けたのに笑顔なのが不思議だが、おおかた俺とニノの実力が分かったからだろう。


「本当よ、これでも私は同年代で負けなしだったんだから。それなのに今日で2回も負けるなんて。世界は広いってことね。」


「まあ、俺とニノは幼少期からずっと剣を振ってきたからな。貴族の嗜みみたいな事はしないからその分の差だろう。」


「うん。」


 俺の話しに頷きながらニノが同意した。そんな俺達を見たラーヤがふと聞いてきた。


「2人は幼い頃からずっと一緒なのよね。ならどちらが強いの?」


「ニノだな。」


「アレク。」


 俺達2人はほぼ同時にラーヤの質問に答えた。そして、俺とニノは互いに向き合い言った。


「いや、ニノだろ。だって、俺と模擬戦する時、全部ニノが勝つじゃん。」


「それなら、私は本気のアレクに一度も勝てたことが無い。」


 俺とニノが睨み合い、一触即発の雰囲気になったところで、ラーヤが止めに入った。


「ふ、2人とも喧嘩は辞めてちょうだい。私の質問が悪かったわ。」


 ラーヤがとても申し訳無さそうに言うが、俺達はラーヤの顔を見て悪いことをしたと思った。


「いや、気にしないでくれ。この話しになるといつも平行線になるんだ。」


「いつものこと。」


 俺とニノの間にあった雰囲気が無くなっていることが分かったのかラーヤも安心したようだ。その話を聞いてサンアが納得したように言った。


「なるほど、2人の会話の延長線上みたいなものなんだね。」


「ああ、サンアの言う通りだ。だから気にするな。」


「良かったわ。私のせいで2人が喧嘩したらどうしようかと思ったわよ。」


 そして、もうそろそろで食堂に着くとき、俺は人目がある所で2人にどう接すれば良いのか聞こうとしていたのを思い出した。


「そう言えば、サンアとラーヤには人目がある場合、敬語で接すればいいのか?2人は貴族だし面子とかが大事なんだろう?」


「まあ、そうだね。だけど2人は友人だから気にしなくていいよ。それに、僕は貴族寮じゃ無くてアレクと同じ一般寮に入るから、それと周りに威圧を与え無いためにもなるしね。」


「私も同じよ。」


 どうやらこの2人は貴族としては相当変わっているようだ。母さん達から聞いた貴族からはかけ離れている。


「なら遠慮なく。」


「私も。」


 そして、食堂に入ると俺達に一斉に視線が向いた。まあ、使用人にを連れているのは貴族や商人だけだしな。だから一般寮の食堂に来たのが驚いたのだろう。


 俺達はそんな視線を気にしないようにバイキング形式の食堂から料理を取った。そして、空いている席に座り、食事を開始した。


 流石に貴族なだけあってサンアとラーヤの料理の食べ方は綺麗だった。そのように食事をしながら話したりして俺達の夕食は終わった。


 そして、俺とニノが夕食を食べ終わった後の食器を片付けようとしたらサンアとラーヤに不思議な顔をされた。こう言うところは貴族なんだなと思う。


 この後、ちょうど1年が大浴場に入れる時間だと分かり、大浴場に行こうと言う話しになって俺達は大浴場へ向かっていた。


「大浴場か、どのくらい大きいんだろうな。」


「学年ずつでずらしていると説明されたけど、それでも約3000人がいるのよね。」


「男と女に別れても1500人だからね。」


「まあ、行ってからのお楽しみって事だな。」


「楽しみ。」


 俺達はそんなことを話しながら向かった。そして、受付で貰えるタオルを持って男と女にそれぞれ分かれて更衣室に入った。


 そして、衣服を脱いで大浴場への扉を開けるとそこには前世の学校のグラウンドくらいの広さがあった。周りを見渡すとぽつりぽつりと生徒がいる。


 考えてみれば寮部屋にも風呂はあるのだから全員が来るわけがない。俺とサンアは身体を洗いとても大きな風呂に入った。


「ふぅ〜、疲れが取れていく。」


「アレクは、おじさんみたいな声をあげるね。」


 仕方がないだろう。風呂に入ると何故か声が出てしまうのだから。


「それにしても、でかいよな。」


「そうだね。僕の家のお風呂よりも何倍も大きいよ。」


 俺とサンアはゆったりと会話をしながら風呂を楽しんでいた。そこで、制服についてふと思い出した俺はサンアに聞いてみる事にした。


「そう言えば、制服っていつ配られるんだ?」


「確か明日の朝、掲示板に組みと名前が書かれて、その教室で集まって入学式をやり、教科書と制服が配られて自己紹介をして終わりだった気がするよ。その後は自由のはずだよ。」


 俺はサンアに明日が入学式と言われてサンアがやる代表挨拶は大丈夫なのかと思った。


「そうなのか、それでサンアは大丈夫なのか代表挨拶?」


「ああ、大丈夫だよ。代表挨拶は堅苦しいことを言って、自己紹介と自分の目標それと、何かを問いかける事を言えばいいだけだから。」


「へー、そうなのか。まあ、頑張れよ。」


 俺は適当に応援しておいた。そして、俺達は風呂から上がりニノとラーヤを待つ事にした。そして待つこと10分、やっとニノとラーヤが上がってきた。


「お、ようやく上がってきたか。」


「うん。気持ちよかった。」


「風呂に入るのなんて久しぶりだったからな。いつもニノの『クリーン』だけだとなんかな。」


 俺はニノとそんな事を話していた。するとラーヤが驚いたように言ってきた。


「ニノって魔法も使えるのね。剣だけだと思っていたから驚きだわ。」


「ラーヤは剣だけしか鍛錬していなかったのか?」


「そうよ、それが普通じゃない。」


 そう言われて俺とニノは驚いた。ニノは俺にしか驚いたとわからない表情だが。


「そんなに驚いてどうしたんだいアレク?」


「いや、どっちも鍛えないのかと思ってな。」


 俺がそう聞くと今度はラーヤとサンアが驚いた。


「もしかして、ニノとアレクはどちらも鍛えているの?」


 確認するように聞いてくるラーヤ。


「そうだな。」


「うん。」


「これは、驚いたね。2人の事を僕は非常識だと思っていたけど、それが確信に変わったよ。」


 どうやら俺とニノは非常識認定されたようだ。確かに2つを鍛えている人は周りにはいなかったと思うが。


「それが普通なのか?ならラーヤは剣で、サンアは魔法使いなのか?」


「そうだね。それで、聞きたいことがあるのだけれど、2人は剣か魔法で表すならどちらなんだい?」


「俺は魔法だな。」


「私は剣。」


 俺の言葉を聞いたサンアとラーヤは呆れていた。


「どうしたんだそんな呆れた顔をして。」


「呆れる顔にもなるわよ。ニノの剣はまだ理解できるわ。だけどアレクが魔法って理解できないわよ。」


 どうやら呆れられていたのは俺だったようだ。


「そうだね、アレク程の剣の使い手が魔法の方が得意なんて笑えないよ。」


「私もそう思う。」


 そして、ニノにも同意されてしまった。おかしい、俺には味方がいないようだ。それとニノよ、お前もこちら側なんだぞ。


 こうして、俺とニノが非常識と認定されて解散となった。


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