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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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道中

 学校に行くように言われてからまた2年が経ち俺達は12歳になっていた。


 そして現在俺達はアブソート公爵領に走って向かっている。このアブソート公爵領は俺達の村から約300キロほど離れた場所にあった。


 そして何故走っているのか、それを説明するには少し時間を遡る。


 俺達は2人で公爵領まで向かうように言われていた。なんでも冒険者になるなら自分達で向かえと言う事らしい。そして路銀を貰い俺達は公爵領に向かった。


 ただ、俺達は近くの町以外には村の外に出たことが無かったため、無駄遣いをしてしまった。


 ただ無駄遣いをしただけなら歩いて間に合っただろう。俺達は歩いて向かっている途中で馬車が魔物に襲われているのが分かり即座に助けに向かった。


 襲われていたのは男1人で馬車内にいた。ただ魔物の襲撃で馬がいなくなってしまい町までの護衛を頼まれたんだ。だけど護衛をしたら来た道を戻る事になる。俺達は少し悩んだがこの人がまた襲われたら目覚めが悪いと思い護衛を受けた。そしてラッキーな事に護衛料を出すと言われたのでそれで公爵領行きの馬車を探そうと俺達は結論づけた。


 そして俺達が気になっていた何故1人なのかを聞いたらこの街道に魔物は滅多に出ないらしく、大丈夫だろうと思ったらしい。


 俺達は呆れながらも男を町まで送り届けると約束のとおりに金を貰った。そして公爵領行きの馬車を探そうと思ったら無いと言われて俺達は走って向かう事になった。


 そんな事があって現在に至る。


「ハァ、まさか馬車が無いなんてな。」


「仕方ない、他の人達も学校に向かっている。」


 考えてみればわかることだが、俺達以外にも学校に向かう人はたくさんいる。だから馬車が無いこともあり得るだろう。


「それにしてもギリギリな時間になりそうだな。着いたら宿を取ろうと思ったが人が多くて無理かもしれないな。」


「野宿?」


「下手したらそうなるだろうな。」


 俺達は街に着いたらどうするかを走りながら話し合った。そして夜になり、俺達は野宿の準備をする。少しトラブルがあり、間に合わないと分かったから、野宿の準備を進めている。


「この野宿も慣れたものだな。」


「うん。ユークさんのに比べたら楽。」


「確かに、こんなに道具があるし、飯も無駄遣いのおかげで沢山あるからな。」


 そんな事を話していたらニノがふと思い出したように話しかけて来た。


「アレク、お母さん達から貰った袋覚えてる?」


「ああ、着いたら開けろと言われたやつだろう。」


「今、確認する?」


「確かに、こんなに遅れてると開ける時間もないか。」


 俺は鞄からその袋を取り出し、名前が書かれているからそのとおりに分けた。


「アレク、開けるね。」


 そしてニノと名前の書かれた袋からは一着の服と剣が出てきた。服は白のワンピースでとても高そうな服だ。そして剣はキラキラと輝いていて一級品だと分かる。ただ、それよりも。


「・・・なんでこの小さい袋から剣が出てくるんだ?」


「多分、アーティファクトだと思う。」


「えっ、この袋ってアーティファクトなのか。」


 アーティファクトとは迷宮から出てくる謎の魔道具だ。何故アーティファクトなのかと言うとエルフがつけた名前らしい。だから冒険者ギルドの名前もエルフが冒険者ギルドの長だかららしい。


 この世界では英語がエルフ語になっており、前世の英語とは少し違うがだいたいの単語は同じだ。


「うん、確か名前はアイテムボックスだった気がする。次はアレクの番。」


 ニノはアーティファクトという事に驚きは無いようだ。


「あ、ああ、分かったが、ならこの袋もアーティファクトなのか。」


「多分そう。」


「まあ、開けてみればわかるか。」


 開けて見るとローブと剣が入っている。どうやら俺の袋もアイテムボックスらしい。そしてローブだが魔物の皮が使われているようだ。そして剣だがニノのものとほぼ同じだった。


 そしてまだ何かあるかと思いあさっていると封筒が出てきた。


「それ何?」


「封筒だが、開けるぞ。」


 俺は封筒を開けると中に紙が入っており、こう書いてあった。どうやらこの剣はリガルドさんの知り合いに頼み込んでできた双子の剣らしい。これはリガルドさんから俺達への贈り物らしい。そしてアイテムボックスは父さんからの贈り物でローブが母さんから、そしてワンピースはアレイシアさんからのようだ。


 俺とニノは少し寂しく感じながらもこの手紙を読んだ。そしてニノのアイテムボックスの奥から紙が出て来たが読ませてくれず、ニノが『余計なお世話』と言っていたのが聞こえただけであった。


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