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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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勇者とは

 俺は母さんが言った事の意味が分からなかった。勇者という意味は分かるがそれがどうしたのかと言う感じだ。


 俺達がどう言う状況か理解していない事が分かったのか母さんが説明してくれた。


「あなた達が理解していない様だから話すけど、まずは質問、あなた達は勇者を知ってる?」


「本でなら、知ってるけど詳しくは知らないな。」


「私もです。」


「そう、普通はそうよね。なら、勇者がどう言うものか教えるわね。」


 それから俺達は勇者について詳しく聞いた。母さんが言うには、勇者には一つの圧倒的な魔力適性と光属性があるらしい。


 何故そんなものがあるのかと言うと、どうやら勇者と言うのは魔力の質が根本的に違うらしく、初級魔法が上級魔法並みの威力があるらしい。


 その話しを聞いて俺は少し思い当たる事があった。それはニノの身体強化がレベルアップした事だ。少し仮説を立てると、初級魔法が上級魔法並みなのはニノの時と同じく魔法がレベルアップしたからではないかと俺は考えた。


 このことを母さんに言おうと思ったがこれはニノの個人情報みたいなものだし、言わないことにした。


 その他にも、属性魔法を極めた時に現れる魔質の変化だ。例えば水が氷になるとかの事だ。そして魔質とはこの世界でいう、魔法からできた物質の事だ。


 勇者はこの魔質の変化が簡単にできるらしい。だからもしニノがこれを簡単できてしまったら、勇者と言うことになる。


「なるほど、ニノが勇者かもしれないと言うとことは分かったよ。それで、ニノが勇者だと何か不味いことでもあるの?もし勇者だとしたら凄いじゃないか。」


 俺がそう質問すると母さんは呆れた顔になって言った。


「はあ、今の説明からわかると思うけど、勇者の力は強大なの、そして、もしニノちゃんが勇者だとするとその力を利用しようとしてくる輩が現れるのよ。」


 俺は母さんに言われて気がついた。日本での生活でそんな事はないから想像すらしなかった。


「確かに、気づかなかった。なら、もしニノが勇者なら、その事は言わない方がいいのかな。」


「そうね、今はまだ言わない方がいいわね。言うとしたらもう少し成長してからね。それなら、別に話してもいいんじゃないかしら。」


「それってどのくらいの時に?」


「そうね…だいたい成人した時くらいならいいんじゃないかしら。ただ話すのはオススメしないわよ、話したら面倒な事が起きるのは確実だから。」


 確かにそうだ。成人してある程度抵抗できるようになったとしても、面倒事は沢山ある。なら言わない方が得策か。


 俺はそう考えたがどうするかはニノの自由だし、ニノが話すことを考えているのならその面倒ごとは一緒に解決するつもりだ。


 俺は考え中のニノに聞いた。


「それで、ニノはどうするんだ。俺はニノの選択を尊重するし、力にもなるぞ。だから安心して考えてくれ。」


「私は…。」


 結果ニノの考えは俺と同じものになった。まあそうだわな。いくら名声が欲しいからと言って面倒事はごめんだ。その考えは俺とニノは同じであった。


「そう、私もそれがいいと思うわね。ただ、まだニノちゃんが勇者と決まった訳では無いからそんな無理に考え無くていいわよ。」


 そう母さんは言ったがニノが勇者なのはほぼ確実だろう。いや、母さんも分かっていてあえて言ったのかもしれないが。


 母さんが言い終わると魔道具を片付けている。俺はその時間を利用してニノに話しかけた。


「俺はニノが勇者だと確信している。」


 俺はもう自分の中でニノが勇者だと確定しているからそのまま、聞いた。


「私もそう思う。」


 どうやらニノも自分が勇者だと確信しているようだ。まあ、身体強化のレベルアップなんて周りに誰もいないんだからそう思うしかないよな。


「ニノも確信していたか。なら勇者となった今、どうするんだ?」


「魔法は練習するけど、他はいつもと変わらない。」


「まあ、そうだよな。もし勇者になったから世界の困っている人々を救うとか言い出したらどうしようかと思ったよ。」


 ニノは相変わらずの無表情で言う。


「そんな事はしない。私は知っている、全てを救える事はできないと。」


「ニノ…その言葉、本の主人公が言っていた言葉だろう。」


 俺が呆れながら言うとニノは少しドヤ顔をした。


「アレクならわかると思ってた。」


 こうしてニノが勇者だと分かり魔力適性の検査が終わった。


この世界での成人は15歳からです。

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