帰還
父さんはと別れた俺達は倒したゴブリンを燃やすため、来た道から戻っていた。
「アレク、本当に任せてもいいのか。私も少しは手伝えるが。」
「いえいえ、その好意だけで嬉しいですよ。それに俺達が倒したゴブリンの数くらいなら全然余裕ですから。」
「分かった。なら甘えさせて貰おう。」
「アレク、ついたよ。」
俺とリガルドさんがゴブリンを燃やす事について話していたら、ハイゴブリンがいた部屋に着いたようだ。
「ニノ、燃やすから離れてくれ。」
「うん。」
そうして俺はゴブリンを燃やしていった。ちなみにハイゴブリンも燃やした。初めての魔物の素材が睾丸なんて嫌だからな。
こんな感じで俺達は来た道を戻りながらゴブリンを燃やしていく。すると、最初に洞窟で遭遇したゴブリン達の死体の所までたどり着いた。
「お、この道は。」
「そうだ、もうすぐで出口だ。」
「やっぱりそうですか。」
俺達はそのまま進み洞窟から出たが誰もいない。
「父さん達がいると思ったんですが。いませんね。」
俺がそう言うと後ろから気配を感じ振り返ると父さん達がいた。どうやら少し遅れていたようだ。
「お前ら早かったな。俺達の方が先に着くと思ってたんだが。」
「アレクのおかげで早めに終わったんだ。それに私達の方がゴブリンの数が少なかったからだろう。」
「そうか、ならこれで終わりだな。大空達、グレン帰るぞ。」
父さんの一言で俺達はユークさんと別れた所まで向かった。
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ユークさんと別れた場所へ行くと、森のゴブリンを殲滅しに向かった人達が帰って来てたようだ。
すると俺達が帰った事を知ったユークさんがこっちに向かって来る。
「帰って来たかお前たち。」
「ユークさん達も今帰りですか?」
「ああ、森を燃やさないようにゴブリンを集めていたら遅くなってな。だから遠慮無く休んでいいぞ。」
ユークさんと話し終わった父さんが俺達に振り返って言う。
「分かりました。それじゃ、お前ら休んでいいぞ。」
父さんの言葉で冒険者達はそれぞれ座り出し、荷物の整理を始めた。
そしてリガルドさんと父さんは少し話しをしてユークさんの所へ向かった。少し聞こえた内容から洞窟のゴブリンの異常について話に行くのだろう。
周りを見て俺は何もやる事がない事に気がついた。レイさん達に話しかけようと思ったが忙しそうなので辞める事にする。
するとニノが話しかけてきた。
「アレク、体力ある。」
「あるぞ。」
「なら、戦おう。」
流石はニノ。強くなる事に貪欲だ。まあ、俺もちょっと戦いたい気分だからやるか。それに、もし世界最強になる時はニノが一番の壁になるだろうしな。
「いいぞ。だけど何で戦う?木剣なんて持ってきてないぞ。」
「剣じゃない。体術。」
俺は一瞬驚いた。ニノは剣か体術なら剣の方が好きなのに体術を選ぶとは。俺の予想では真剣を使ってやると思ってたが。
「分かった。もし真剣でやろうなんて言ったら怒るところだったが体術ならいいだろう。」
「そんな事しない。剣の危なさは良く知っている。」
「そうだよな。それならなんで体術なんだ?暇だからやると言っても帰ってからでもいいと思うが。」
「体術を上手く使えなかったから。」
「ああ、ゴブリンと戦った時か。でも必要なかっただろ。」
「上手く使えたらもっと早く倒せた。」
確かにニノの言うとおりだ。ハイゴブリンが襲ってきた時、あの時の選択肢として剣じゃ無くて体術だった。その方が安全だったし、無駄に体力を消耗する必要はなかったか。
「確かに、俺も思うところがあるな。なら、できるだけ意識しながらやるか。」
「分かった。」
「なら、場所を移そう。ここじゃ迷惑だからな。」
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俺達は場所を移すと、そこは俺とニノがいつも戦っている場所に似ていた。
「ここでいいだろう。」
「うん。」
「なら始めるか。」
そう言い俺は神経強化を発動させた。すると身体強化ランク2を発動させたニノが言った。
「アレク。血が流れてない。」
「えっ、本当か。」
俺は自分の目の下を触って見たが血が付かなかった。そういえば、シンシアさんにどこも怪我は無いかと聞かれたら時、何も言われなかったな。多分、その時から出なくなっていたんだろう。
「心配だった。」
ニノはとても安堵したようだった。俺はニノを心配させてたのか。せめて謝って感謝を言おう。
「ニノ、心配させてごめん。それとありがとうな。」
俺がそう言うとニノが少し俯いた。怒っているのか?いや、恥ずかしいのか。そういえばニノに感謝とか褒めたりすると恥ずかしがるんだよな。
俺はニノを見ながら思った。なんだろう、凄く可愛いな。まあ、これ以上感謝を言ったら怒られそうだから言わないが。
「アレク始める。」
どうやら少し落ち着いたらしい。少しニノの言葉が早かったが。
「分かった。なら始め。」
そう言うと同時に俺達は戦い始めた。
それから10分後、俺達は怒られていた。
良く考えてみれば当たり前だった。魔物が周りにいるかもしれないのに戦うとか。そして俺達に気づいたのはすぐそこから何かがぶつかる音が聞こえたかららしい。
とても大きな音だったから大型な魔物かと思い、狩人の人達と冒険者達で警戒しながら進んだらしい。そしたら俺達が戦っていたと言う事だ。
こうして俺達は怒られて村に帰る事になった。




