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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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ゴブリン殲滅4

 俺がレイさん達から冒険の話しをを聞こうとするとユークさんが声をあげる。


「準備できた奴から、列に並べ。」


 俺がレイさん達と話している間にどうやら列を作り始めたようだ。この時間は準備期間だったらしい。


 俺はレイさん達の時間を取ってしまっていたため謝った。


「すみません、レイさん、シンシアさん僕が時間を取ってしまって準備ができずに。」


 俺がそう言うとシンシアさんとレイさんは特に気にしていないように言った。


「大丈夫だよ。」


「そうだね、僕達はもう準備する事は無いから。」


 そう言うがダンさんとジャックさんが準備しているのを見てしまった。気を遣ってくれているのだろうか。


「でも、ダンさんとジャックさんが準備をしているようですけど。」


 レイさんは後ろを振り返りながら言う。


「そうだね、ジャックは道具を使う戦い方をするから、全ての武器を確認するから準備が長いし、ダンも僕達を守るためには不備がないかよく確認するんだよ。」


「ダンは几帳面だもんね。」


 どうやら、気を遣っていないようだ。それには少し安心する。


「そうですか、良かったです。ならレイさん達の準備は何をするんですか?」


「僕は剣がどうかを見るだけで特にないかな。」


「私も自分の魔力量を確認するくらいだから。」


「そうなんですね。それじゃ僕達も列に並びましょうか。」


 そう言い俺は列を指差しながら言う。そう言うと2人は驚いた表情を浮かべる。どうしたのか聞くと。


「アレクくんもこの戦いに参加するのが驚いたんだよ。」


「僕も同じだね。でも体幹もブレがなくしっかりとしているから戦いに参加する事に納得だね。」


 本物の冒険者に褒めて貰えるとは嬉しいものだな。


「褒めてくれてありがとうございます。」


「事実を言っただけだよ。それじゃ、僕はダンとジャックを呼ぶから先にシンシアと並んでいてくれ。」


 そう言うとレイさんはダンさんとジャックさんの元へ行った。


「分かったよ。行こう、アレクくん。」


 そう言い、手を出してくるシンシアさん。少し動揺したが断るのも失礼と思い手を繋ぐ。するとシンシアさんが言う。


「アレクの手凄い硬いね。」


「まあ、鍛えてますから。」


 俺は父さんとニノとの鍛錬を思い出しながら言う。


「この手は相当鍛えないとならないよ。私もレイの手を見たから分かるけど物凄い努力をしたんだね。さっき、レイがアレクくんが戦えると言った時、嘘だと思ってたけど触って分かった。本当だってね。」


 どうやら、シンシアさんは俺が戦えると思っていなかったらしい。


 無理もないか、俺もまだ8歳の子供が戦えるなんて思わないしな。そう考えるとこの世界には戦えないと思って油断してたら痛い目に遭いそうだな。


「褒めてくれてありがとうございます。ただ俺よりも凄い奴がいるのでまだまだだと思いますけどね。」


 俺はニノを思い出しながら言う。ニノを超えるにはまだ努力が足りないくらいだ。


「そっちが素なんだね。」


「えっ?」


「今、俺って言ったでしょ。そこが素だと思って、違うかな。」


 どうやらニノを思い出した事で少し素が出てたようだ。不快な思いをさせたと思い直ぐに謝った。


「すみません、不快な思いをさせてしまって。」


「不快な思いなんてしてないよ。ただ、私的にはそっちの方が嬉しいかな。」


 そう、笑顔で言うシンシアさん。


「分かりました。少しくだけますね。」


「敬語をやめてくれてもいいんだよ。」


「流石にそれは、目上の方には敬語を使う方が落ち着くので。」


「そっかー、それじゃ仕方ないね。なら、アレクって呼んでもいい?」


 残念そうに言うシンシアさん。ただ切り返して来た。


 この切り返しはうまい、要求グレードを少し下げて要求を通りやすくしている。


 ただ、俺には特に困った事は無いから別にいいけどな。


「別にいいですよ。」


「なら、アレクって呼ぶね。」


 それから、少し話していると俺たちは列に着いた。


「シンシアさん、列に着きましたけど、どこに並ぶんですか?」


 列には沢山の人が並んでいる。話している人達がいたり、荷馬車を引いてる人もいる。


 この時この村に馬がいるのを、初めて知った。


「確か、道中の荷馬車を護衛するのも入っていたから荷馬車の近くに居ればいいよ。」


 俺とシンシアさんは一緒に荷馬車まで歩いて行く。近くで見ると荷馬車は結構大きい事が分かった。


「大きいですね。」


「そうだね。」


 シンシアさんはよく見ている様だから特に変わった様子は無いが俺は普通に感動していた。


 転生前はこんなもの見たこともなかったからな。これが異世界の移動手段か。


 俺とシンシアさんが待っているとレイさん達が来た。


「待たせてごめんよ。」


 レイさんが申し訳なさそうに言う。


「本当だよ。私とアレク、暇すぎて手遊びしてたくらいだよ。」


 俺は静かに待つのも良かったがシンシアさんに誘われて手遊びをしていた。


 俺をアレクとシンシアさんが呼んでいるのにレイさんは少し驚いているようだ。


「アレクくん、呼び方はいいのかい。」


 レイさんは俺が父さん、ジークの息子だから変に気遣っていた様だ。


「別にいいですよ、俺がいいって言いましたし。なのでレイさんもアレクと呼んでください。」


「そうかい、ならアレクと呼ばせてもらうよ。それと紹介するよ。2人ともこっちに来てくれ、ダンとジャックだ。」


 2人はシンシアさんと話していた様だ。ジャックさんは口が隠れていたから喋っていたかは分からないが。


 2人がこちらに来たのを確認して、俺から自己紹介をする。


「僕はアレクと言います。よろしくお願いします。」


 俺は軽く会釈をしながら手を出す。それに応える様に2人とも自己紹介をしてくれた。


「ダンだよろしく。それと俺にも言葉はくだけていい。俺もアレクと呼ばせてもらおう。」


 そう言い固く握手をしてくれるダンさん。とても男らしい人だと思った。俺が握手をし終わるとジャックさんが自己紹介してくれた。


「ジャックだ。」


 そう言い握手をしてくれる。あまり喋らくて顔があまり動かないが、何年もニノと喋っている俺からすれば感情がよく分かる。


「ジャックさんも俺の事はアレクと呼んでください。」


 ジャックさんは驚いたようだ。ジャックさんは俺にダンさんと同じ扱いをして貰いたいと考えていたのが分かったから俺はくだけた口調で言ったのだ。


 近くでジャックさんの言いたい事を教えてくれようとした3人も驚いてる。するとダンさんが聞いて来た。


「アレクはジャックの言いたい事が分かったのか。」


「はい、わかりやすかったので。」


 俺がそう言うと4人とも更に驚いたようだ。


「そうか、ジャックはよく勘違いされるがいい奴でな。」


 そう言うのはダンさん。


「うんうん、ジャックは影ながら私達の事を助けてくれてるからね。」


 続いてシンシアさん。


「そうだね。だから、アレクには勘違いをして欲しくなかったんだよ。」


 最後にレイさん。と言うかジャックさんは皆んなから愛されてるな。


「ジャックさんは愛されてますね。」


 俺はジャックさんにそう言うと顔を背けてしまった。どうやら照れてしまったらしい。


「そう言えばアレクはどうしてジャックの言いたい事が分かったの?」


 そうシンシアさんが言うと他の3人も気になるのかこちらを見て来た。


「それは俺の友達が表情を全く動かさない奴で何年も一緒に過ごしているうちにいつのまにか分かるようになったんですよ。」


「だからジャックのことも分かったんだね。」


 そう俺達が話していると噂をすれば何とやら。ニノとリガルドさんが来た。


「大空達、この後の話しなんだが…アレクくん?」


「リガルドさん、何か用があるんですか。」


「ああそうだ。それも大空達に話しがあったんだが、話し中なら後ででもいいんだが。」


 どうやらリガルドさんは気を遣ってくれた様だ。ニノは多分リガルドさんが冒険者達の所に行くとか言ってついて来たのだろう。


 リガルドさんの話しを聞いてレイさんが言う。


「なら、僕が行きますよ。」


 レイさんの話しを聞いて少し考え込むリガルドさん。だか別にいいという結論に辿り着いたのだろう。


「分かった。まあ、リーダーだけでいいだろう。」


「と、言う訳で僕は言ってくるよ。」


「分かったわ。」


 リガルドさんの前だからか、シンシアさんは猫を被っているようだ。流石に苦笑いが少し溢れた。


「ニノはどうする?アレクくんとここにいるかい。」


「うん。」


 リガルドさんの問いに相変わらず無表情で応えるニノ。ただ、少し喜んでいるようだ。


「分かった、なら一緒にいなさい。行こうかレイくん。」


「分かりました。」


 そう言うと2人は去って行った。


 残された俺達は取り敢えず自己紹介をする事にした。


「皆さん、こちらが俺の友人のニノです。」


「よろしくお願いします。」


 すると3人はそれぞれ自己紹介をする。


「シンシアだよ。よろしくね。」


「ダンだ。よろしくな。」


「ジャック。よろしく。」


 3人の自己紹介が終わると少し、沈黙が続く。俺はこの気まずさを変えるために俺から話しを展開する。


「えっーと、自己紹介も終わったし、何か聞きたい事はあるか?ニノ。」


 するとニノは即答する。


「冒険の話し。」


 相変わらずの無表情だが、俺の気遣いを察したのかシンシアさんが話しをしてくれる。


「ニノちゃんは冒険の話しが好きなんだね。」


「そう。」


 ニノ、相変わらずの無表情。これには感情が分からず、少し困るシンシアさん。俺は助け舟を出す事にした。


「シンシアさん、ニノは本当に冒険者の話しが好きで冒険者に憧れてるんだよ。だから冒険の話しを聞かせて欲しいかな、俺も聞きたいし。それにシンシアさんの視点だけじゃなく、ダンさんやジャックさんの視点も聞きたいかな、冒険はその人の視点によって変わるからね。」


 シンシアさんの冒険の話しを始めダンさんとジャックさんの話しも聞きより少し仲良くなれた気がする。


 あれから時間が経ち、俺達が話しをしているとレイさんとリガルドさんが来た。どうやら用事が済んだらしい。


「リガルドさんとレイさん、用事は済みましたか。」


「終わったとも。」


「終わったよ。」


 2人ともそう返事をする。


「そうですか。それでそろそろ出発ですか。」


「ああ、もう行く事になった。それとジークが心配していた。」


 そうリガルドさんに言われ、俺は父さんの事を思い出した。今のいままですっかり忘れていた。


「あっ。」


「忘れていたのか。でも、私から言っておいたから心配しなくても大丈夫だ。」


「そうですか、ありがとうございます。」


「気にするな。」


 すると先頭のユークさんが大きな声でこの場に集まった皆んなに言う。


「行くぞ!」


『おう!』


ユークさんがそう言い、狩人達が一斉に反応し、俺はとうとうゴブリン殲滅戦へと出発した。


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