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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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ゴブリン殲滅戦2

 俺達が互いに自己紹介をしていると、村長の家の前にあった台の上に50代くらいの人が立った。


「父さん、あの人は誰?」


「あの人はこの村の村長だ。それと俺とリガルドは村長の所に行ってくる。」


 そう言うと父さん達は人混みに消えて行った。俺は村長の方に目を移すと台の横にはユークさんと5人の冒険者らしき人達が並んでいるのが見えた。


 俺が並んでいる冒険者を見ていると隣にいたニノに話しかけられる。


「アレク、あの人達。」


 そう言うとニノは冒険者を指差した。どうやら憧れの冒険者を見て興奮している様だ。


「多分、冒険者だろうな。」


「やっぱり。」


「あの人達の中に父さんの知り合いがいるらしいから、話す機会があるかもな。」


 俺は父さんに聞いたグレンと言う冒険者を思い出しながら言った。


「楽しみ。」


「そうだな。俺も冒険の話とか聞いてみたいし。」


 俺達が話し終わると同時に村長さんが大声で言った。


「静かに!」


 そう言うとこの広場に集まった人、全員が静かになった。村長が静かになったのを確認すると話し出す。


「さて、これからゴブリン殲滅に行く前に、いくつか話しをしよう。まず、ゴブリンの数に誤りが有った。その数約600匹だ。」


 そう村長が話すとざわめきがうまれた。どうやらこの話は父さん達以外には言ってなかった様だ。


「静かに、不安がるのも無理は無い。だが安心しろゴブリンどもを殲滅するために冒険者を呼んだ。」


 村長がそう言うと4人の冒険者達が少し前に出た。すると4人の中の1人が代表して言う。


 そのリーダーらしき人物は青髪青目の優しそうな顔をしていて武器は直剣だ。


「Bランクパーティの大空のリーダーをやっているレイだ。そして僕の隣がシンシアだ。」


 シンシアと紹介された女性は髪がピンクで修道着みたいな服をきていて杖を持っている。


「怪我をしたら言ってね。」


 そう言うとシンシアさん軽く手を振った。


「シンシアの隣がジャックだ。無口だが頼れる奴だ。」


 ジャックと紹介された男性は黒髪のヘソ出しの薄い服を着ていて腰にナイフが2本と色々なアイテムが付いている。


 紹介されるとジャックさんは軽く頭を下げた。


「最後にダンだ。」


 ダンと紹介された男性は赤髪で大柄で鎧に大楯と重装備だ。


「ダンだよろしく。」


 ダンさんはそう淡々と挨拶をした。


 大空の紹介が終わると最後の冒険者が自己紹介をした。


 父さんくらいの体格の赤髪で大剣を背負っている。多分だけどこの人がグレンさんか。


「Aランク冒険者のグレンだ。よろしく頼む。」


 そう言うとグレンさんは軽く頭を下げた。


 父さんの話を聞いて乱暴そうだと思ったら案外まともで驚いた。父さんに負けたのが効いたのかな。


 冒険者全員の紹介が終わると村長が話し出した。


「この5人が依頼を出してたった1日で来てくれた冒険者達だ。最後に殲滅戦の話しをユークにしてもらう。」


 村長がそう言うと台から降りてユークさんが台に上がった。


「さて、お前ら!これからゴブリン殲滅戦の話しをする。まず、ゴブリン達の場所についてだ。ここから10キロ先の森の中に巣がある。そしてそこから1キロ離れた場所に洞窟が有り、その中にゴブリンが約300匹いる。続いて配置だが、森の中の巣は俺たち狩人がやる。指揮は俺だ。洞窟内は冒険者達に任せる。そこにジークとリガルドが入る。話は以上。何か質問は?」


そうユークさんが纏めるとレイさんが手を上げた。それを確認したユークさんが質問を許可する。


「質問を失礼、話に出たジークさんとリガルドさんの力量を教えて貰いたい。」


 まあ、最もな質問だな。力量が分からないと困るしな。


「そうだな、ジークはAランク冒険者でリガルドは

元スレイド王国第三騎士団長だ。」


「なっ!それは本当ですか。」


「本当だ。」


「そ、そうですか疑って申し訳ない。」


 レイさんはユークさんが言っていることが本当だと思ったのだろう。


 ただ俺は驚いていた。ニノの父さんが騎士団長と言うことに。俺はニノを見るとニノもこちらを見て驚いていた。


 どうしたのか聞こうとする前に肩を掴まれながら真剣な顔で言われた。


「アレクのお父さんが冒険者って本当。」


「い、言ってなかったっけ。」


「言ってない。」


 そう言うとニノの力が強まって肩から変な音が鳴り始めた。


「ニノ、痛い痛い。」


「あっ、ごめん。」


 そう言うと手を離してくれた。


「それよりもニノの父さんが騎士団長って本当。」


「本当。」


 本当なのか。ニノの父さんが騎士だとは思ってたけど騎士団長だったとは驚きだ。


「だからニノの教え方がうまかったのか。」


「話しを逸らさないで。」


 ちっ!駄目だったか、上手くいったと思ったのに。冒険者が憧れのニノが俺の父さんが冒険者だと知ったらどうなるかなんて、分かっていたから黙っていたのに。


「はあ、それで何が知りたいんだ。」


「全て。どんな所に行ったかどんな冒険をしたか。」


「分かった、ゴブリン殲滅が終わったらな。俺が聞いた父さんと母さんの冒険を話すよ。」


「お母さんも冒険者?」


「あっ!」


 しまった口が滑った。


「なら、その話しも。」


「はいはい、分かったよ。」


「約束。」


「約束な。」


 こうして変な約束が増えてゴブリン殲滅に行くことになった。

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