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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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魔法

 次の日になり俺は自分の生き方について考える事にした。冷静に考えれば生後5〜6ヶ月の赤ん坊だから似せなくてもいいのではないかと思った。それなら、転生者だとばれないように生きるだけでいいと気づいたからだ。


 ならまずは、情報だよな。異世界の定番なら神様からチートとか貰えるんだろうけどそんな覚え無いし。


 なら、ゲームで言うステータスはあるのか確認しようとしたが喋れないので頭の中で唱えたが何も無かった。


 それから色々な事を試したが何も成果が無かった。


 ふと、昨日母に読んでもらった本をこの部屋にある本棚から遠目で探していたら興味深い本があった。


 その本には魔法の扱い方と書かれており、とても興奮した。この世界には魔法があるんだととてもはしゃいでしまい声が漏れてしまったのか母がきた。


「どうしたのアレクちゃん。」


 俺は母を見た瞬間あの本を読み聞かせてくれるかもしれないと思い行動に移す。


「あう!」


 そう言い魔法の扱い方が書いてある本を指差した。


「あら、アレクちゃんはこれが読みたいの?」


 俺は前回で学んだから母が本を持ったらはしゃぐだけにしておく。


「キャキャ!」


「本当にこれが読みたいのね。でも、アレクちゃんには難しいから辞めようか。」


 そう言い本をしまおうとしていたので俺は泣いた。俺はどうしても魔法を使ってみたいのだ。だから恥も外聞も捨て泣いた。それにより母はどうしても読みたい事が分かったのか読み聞かせてくれた。


「もう、仕方ないわね。アレクちゃんは本が好きなのかな〜。」


「あう〜?う!」


 母が近くにきていたため、本を掴む事で意思表示をしたこれなら母は気付かないだろうと思ったからだ。


「ふふ、そうなのね。なら毎日本を読んであげるわね。」


 俺にとっては思わぬ幸運が転がってきた。それから本を読んでもらい魔法がどう言うものか理解した。


 魔法とは、自分の中にある魔力を手に集めてイメージを頭の中で形づくりそれを具現化するのが魔法らしい。


 そのイメージを言葉にして直ぐイメージできるようにするために詠唱という形があるようだ。

 

 そのため魔法を使うには自分の魔力をしっかりと感知する事が大切らしく、俺にとってはとても有意義な時間だった。


「あら、もうお昼寝の時間ね。アレクちゃんしっかりと寝るのよ。」


 俺もご飯を食べて眠くなってきたから寝るか。早く成長したいな。この体はすぐに眠くなるから情報収集もままならない。そう思いながら眠りについた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 それから約一年が過ぎた。


 この一年間で色々しれた。魔法のことやこの世界のこと。何より俺が一番驚いたのは両親が冒険者で世界中を旅していたことだ。


 そして家にあった本は全て母のもので母は魔法使いと分かった。父は戦士で母と幼馴染らしい。それでいろいろな所に行けたし、ある程度稼いだから村に帰って来てのんびり暮らしているらしい。


 因みに母の名前と父の名前はリリアとジークだと分かった。


 そして俺自身が成長したこともある。まず自分の魔力を感知する事ができた事、そして喋るようになった事だ。 


 俺が喋った時はとても驚かれた。その時は久しぶりに喋ったから上手く話せなかったがちょっとずつ上手く口を動かせるようになった。それから家ではドンちゃん騒ぎで父と母はとても喜んでいた。


 そして今、俺は立とうとしている瞬間にいる。目の前には母がいて隣には父が見守っている。そしてとうとうたち上がった。


「きゃ〜貴方見て!アレクちゃんが立ったわよ!」


「そうだな!」


 両親はとても喜んでいた。因みに久しぶりに足を使ったせいかとても疲れた。だがこれで歩く事ができたら自分で動き回れると思うととても嬉しく思う。


 それから一週間歩く練習をして何とか部屋の端から端に移動する事ができた。


「アレクよくやった!」


 そう言い父は俺を抱き上げ頬をじょりじょりして来る。


「いたい。」


 そう言うと父はしょんぼりした顔をしながら離して謝ってくれた。そんな顔をされると罪悪感が湧く。


「ごめんよアレク。だけど凄いぞよく歩けるようになったな。」


「ええ、本当にそう、偉いわねアレクちゃん。」


 母は俺の頭を撫でながら俺を沢山褒めてくれた。


「それじゃご飯にしましょうか。」


「うん!」


「そうしよう。」


 そうして出されたご飯はパンにスープと野菜というとてもシンプルなものだ。この世界ではこのご飯が村人が基本的に食べるものなのだ。


 そして俺にはスープとパンか何かを潰したものが出て来た。固形物は前まで歯が無かったため食べられなかったが歯が生えたおかげで食べられるようになった。母乳は卒業したのだ。


 そうして食べ終わった後、父が畑に行く。父は冒険者の時にお金をたんまりと稼いでいるから畑仕事なんてしなくてもいいのだが、趣味としてやっているらしい。


「俺は畑に行ってくる。」


「行ってらっしゃい。」


 そうして2人はお出かけのキスをする。そうして母が見送った後、俺は少し聞きたいことがあったため母に話をした。


「ねえ、かあさん、とうさんはなにをそだてているの?」


「そうねぇ、ジャガイモやレタス、トマトにナスとかいっぱい育てているのよ。」


「へぇーそうなんだ。ならたまにおにくをもってくるのはなんで?」


「それはね、お父さんは畑仕事意外にも村を守っているのよ。」


「そうなんだ。」


 多分だが、父は村の狩人と一緒に魔物と戦っていると思う。だからたまに肉が入ったスープが出てくる。


「それじゃ、何をする?本でも読もうか?」


「うん、おねがい。」


 自分一人で読めるが最近の読み聞かせでは母さんが魔法のことをいろいろ話してくれるからとても面白い。今回の話では、魔法は理解力が必要だと教えてくれた。より理解する事でより強力な魔法になるらしい。


 そうして夜になると父が帰ってくる。昔は夜になる前に寝てしまうから起きていられなかったが。今では普通に起きていられる。そしてみんなで夜ご飯をとり、その後お風呂に入る。


 この世界では水は自分で井戸から持ってこなくてはならない。だけど例外がある。それは水魔法を使える人が身近にいる事だ。


 だから母がいれば風呂にも入れるのだが、多分一般常識を学ばせるためにわざわざ井戸から水を持ってきているのだろう。


 そして、さいわいな事に四季がこの地域には無いため夜もそこまで寒く無い。だから井戸から水を持ってくるのもそこまで大変ではなかった。そして就寝する。これが俺の今の日常だ。


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