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二人で目指す世界最強  作者: カラス
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ユークさん

 あれから一年が経ち、俺は8歳になり、今では身体強化を意識しないで発動させる事が出来る様になった。


 それと一年前に俺が考えた攻撃が跳ね返る魔法は魔法も跳ね返る事が分かった。これは母さんに魔法を放って貰って証明させた。


 そしていつもの様に平和な日々を送っていたある日、事件が起きた。それは、俺がニノの所へ行こうとした昼過ぎの頃、弓を持った村人が俺達の家にやってきた。


 それを何かあったのかと思ったのか父さんが村人の元へ行った。それを気になった俺は、父さんについて行った。


「ジーク、いてくれたか。」


「何かありましたか、ユークさん。」


 2人は顔見知りなのか名前で呼び合っている。


 ユークと呼ばれていた人は髭が生えており、ガッチリとした体付きをしていた。俺はこれがイケおじと言う奴なのかと1人納得していた。イケおじが何かは知らんが。


「ああ、実はこの村の近くにゴブリンの巣が出来ている事が分かった。」


 ゴブリン、それは繁殖力が高く雑食で人間をも食べる。その為、人を襲うこともしばしばある。だけど、力は子供ほどで頭はあまり良く無い事を俺は学んでいる。


 俺は母との魔法学のついでに魔物についても教えて貰っているのだ。


「規模はどの位ですか。」


「近くにできた巣に20くらいだから。2〜300くらいだな。」


「なら、ボブが2〜30、ハイが3ジェネラルが1ですか。」


「多分そのくらいだ。それで、殲滅させる事にしたからジークの力を借りたくてな。怪我人を出さない為にも。」


「分かりました。」


「あんがとよ。ところで後ろの子供はお前が言ってた息子か?」


「ああ、うちの息子のアレクです。アレク、ユークさんだ。挨拶を。」


 2人の話しを聞いていたら、突然俺の話しになった。だけど挨拶はしっかりしないとな。


「こんにちは、ユークさん。僕の名前はアレクと言います。よろしくお願いします。」


「はあ〜、まだ若いのに立派な挨拶だな。ユークだ、よろしく。」


 そう言うとユークさんは俺の前まで来て手を出した。


「こちらこそよろしくお願いします。」


 そう言いこちらも手を出して握手をした。その後、手を離したら、父がユークさんの紹介を始めた。


「アレク、ユークさんはな弓の扱いがとても上手でこの村にいる狩人の中で一番強いんだ。」


 そうなのか、なら一番強い狩人が俺達の家に来るって、父さんは何者だよ。


「アレク坊、お前の父さんはあんな事言っているが村の中で一番強いのはお前の父さんだよ。」


 そうこっそりとユークさんは俺に教えてくれた。だけど、俺は訓練しているからわかる。ユークさんも相当な実力者だと。


「でも、ユークさんこそ強いでしょう。」


「ほう、なんでそう思うだアレク坊。」


 そんなの体を見れば分かる。体が引き締まっているし、何よりその腕の筋肉は化け物じみている。


「それは、体が戦う者の体なので。」


 俺がそう言うとユークさんは挑戦的に言ってきた。


「なら、俺は何を武器として戦っていると思う。」


 ユークさんは今、弓を背負っているがそれは違う、弓のみを使うだけならあんな筋肉量はおかしい、弓にプラスして何か重い物を振っていなければ。


「大剣ですね。それも特大の。」


 そう俺が言うと、ユークさんはニヤッとして言った。


「正確だ。それにしてもよく分かったな。普通、俺の背負っている武器が弓と見たなら弓と言うんだが。」


「まあ、僕は父さんに訓練をつけて貰っているので」


 そう俺が言うと父さんがニヤニヤしながら言ってきた。


「いや〜アレクがもし、ユークさんの使っている武器を分からなかったらどうしようかと思ったが心配なかったな。」


 そうなのだ、俺がユークさんの質問に答えている時、父さんはニヤニヤしながら俺を見ていたのだ。


「それにしてもジーク、アレク坊に訓練つけているんだってな。どんな内容だ。」


 そうユークさんが父さんに聞くと父さんが訓練内容を話すと、それを聞いたユークさんは父さんに呆れた顔をして言った。


「ジーク、それ子供泣くぞ。まあ、アレク坊なら大丈夫だと分かるけどな。」


「そうですね。俺もアレクなら大丈夫だと思ってやっていますから。」


「アレク坊、今の訓練についていけてるか。」


「ついていけてますよ。ユークさん。」


 俺の言葉を聞いたユークさんは少し考えて言った。


「もしよかったら、空いた時間に俺の技術を教えてやろうか。」


「本当ですか!教えて欲しいです。」


 ユークさんの技術なら是が非でも教えて貰いたい。


「なら、一週間に一回、太陽が真上に来てから教えてやるよ。ジークもいいか。」


「いいですよ。ユークさんの技術ならこちらから頼みたいくらいですよ。」


 そう言い2人は笑っていた。


 だか、俺は少し困っていた。午後からは俺はニノと一緒に訓練しているのだ。でもニノとは他の日に会えるし、それならユークさんの訓練を優先しよう。俺の中で結論が出た。


「少し話し込んでしまったな。それじゃジーク、ゴブリン殲滅は3日後の朝から村長宅に集合だ。それとアレク坊、教える日はアレク坊の家に行くからな。」


 そう言いユークさんは去って行った。


「さて、アレク3日後は訓練無しだ。」


「分かった。それじゃ俺は急がなきゃいけないから。」


 そう言い俺はニノが待つ所へ行った。


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