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物語調の詩/短編

夢の夢

作者: 日浦海里

呼んでるの

誰かが私を


どこか遠くて

けれどはっきり

私を呼ぶ声だけが聞こえて

姿はどこにも見えないままで


誰なの

何処なの


探してる内に

不意に景色が入れ替わる


見慣れた景色

右手には窓

左手に壁

正面にはチェストがあって

右の奥には廊下への扉

間違えようもなく私の部屋で

いつの間にか横たわっているのは

眠っていたから?


さっきまでの場所は夢の中で

誰かの声は単なる夢想?


だったらいまも聞こえるこの声は何?

変わらず聞こえる私を呼ぶ声


声を頼りに扉を開ければ

見慣れたはずの景色は消えて

ふっ、と宙に浮かぶ感覚


どこまでも落ちていきそうになって

訳もわからずただ固まって

背中に何かを感じると同時に

私はそのまま飛び起きていた


あれも夢、これも夢

だとしたら今このときも夢?


遠くで誰かが私を呼んで

早くおいで、と

呼び掛けていて

手にしたこの戸の向こうには

私が私でいられるだろうか


けれど、声には抗えず

私は手にしたノブを回した

最後までお読みいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私たちが現実だと思っている世界が、本当は長い夢幻の世界なのかもしれない、そう思わせる、不思議だけれど魅力的な詩だと思います。
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