第9話 訓練 training
第9話です!
駄文駄文しぃですがよろしくお願いします!
「さあ、今の実力を見せてくれ」
ルミアにそう言われた俺は銃が置いてある場所へと進んでいった。
その場所にはハンドガンからライフルまで色々な種類の銃があった。
俺は銃を一丁適当なものを持ち上げる。
しっかりとできていいるようで持つと少しずっしりくるこの感じ。やはり最初は違和感があるが早くなれていかないとな。
するとルミアがこちらによってきて俺の持っている銃について軽く説明される。
「その銃は"felri5"というセミオートライフルだ。少し精度は良く撃ちやすいが殺傷力は低いな」
「なぁ、セミオートライフルってなんだ?」
俺は銃について知識がないに等しいのでルミアに聞く。
「そうだな~。簡単に言えば操作しなくても引き金をひく度に一発ずつ弾がでる銃だ」
とルミアは解説する。
精度は良くて、撃ちやすい......初めて撃つのはこういうのが良いかもな。
「試しに撃ってみてもいいか?」
俺はルミアに許可を求める。
「まずはお前の実力が見たいんだ。ぜひ撃ってみてくれ」
あっさり許可が出た。
俺は奥に立ててある的へと体を向ける。
ルミアから教わり銃に弾を一発だけ込めて、何にも知識のない俺が一丁前に銃を構える。
デフォルトのサイトのまま人形の的へと狙いを定める。
狙うはあの的の頭......!
指にかけてある引き金をひく。
パンッ!
軽い銃声がこの訓練場へと響き渡る。
衝撃が肩へと伝わってくるが思っていたよりも衝撃が少ない。なるほど撃ちやすいっていうのはこういう感じだからか。
撃った的を見る。狙っていた頭には当たっておらず頭から約二十センチ離れたところに着弾していた。
少しがっかりしている俺をみてルミアが声をかける。
「まぁ、初めは誰でもこんなもんだ。どうする? 違う銃に変えるか?」
「そうだな......色んな銃を撃ちたいし変えるか」
と俺はこのfelri5を元の場所へと戻し他の銃を眺める。
(おっ! これなんかどうだろう)
俺はまた一丁の銃を持ち上げる。
「お、いい銃に目につけたな。それはOtobur23というボルトアクション式の銃でなここにあるライフルの中では唯一サプレッサーを付けれる銃だ。私もよく愛用している。精度も威力も十分だ」
またルミアが簡単にこの銃について説明してくれた。
(精度も威力も良いのか)
しかし、用語が分からない俺は聞き返す。
「ボルトアクションってなんだ? あとサプレッサーとか、なんだそれ?」
「うーん、さっきの銃とは違ってな、その銃は一発撃つ度に横のレバーを操作しないと次の弾が撃てないんだ。それがボルトアクションっていう銃だ。サプレッサーっていうのは銃口のさきにつける部品でな、射撃したときの音を小さくできるんだ」
俺は手元の銃を見る。
(これがそのレバーか)
レバーをその手で引く。少し重いがなんとかなるようだ。
「そうだ、そしてそこにこの弾を入れる」
ルミアは指を指しながらそう言うと俺の持っているOtobur23に弾を二発込める。
「そしたら今度はレバーを奥へともっていけ」
ルミアに説明されたようにレバーを銃の先端の方に押す。するとガチャッという気持ちのいい音が出た。
「これで撃てるのか?」
ルミアに振り返って俺は尋ねる。
「あぁ、大丈夫だ。狙いをつけて引き金をひけ」
俺は再びデフォルトのサイトのままさっき狙っていた同じ的へと狙いを定める。
頭を狙って引き金をひく。
バンッ!
先程よりも大きな銃声が訓練場に鳴り響いた。
肩への衝撃も大きくなっている。
肝心の弾はというと......
先程よりも狙っていた的の頭には近づいていたが命中はしていないようだ。
俺の撃った様子を見ると「今度はこれをつけて撃ってみろ」とルミアが何かを持ってこちらに近づいてきた
ルミアの手を見ると黒いちくわのようなものが。
「それがさっき言ってたサプレッサーか?」
「そうだ。ちょっと貸してみろ」
俺はOtobur23をルミアへ手渡す。
ルミアは銃口にちくわを......いやサプレッサーをとりつける
「ほら、これで大丈夫だ」
手元へ銃が返される。
俺はそれを再び構えてみる。
銃口までの距離が長くなったみたいだ。
的に集中しているのに黒いサプレッサーに目がいく。
それでも照準を定めて引き金をひくこうとしたその時。
「おいおい、忘れてないか?」
ルミアが何かを思い出させるように話しかけてくる。
「? あ、そうか」
俺は的から手元の銃へと視線を移しレバーをひく。
するとチャリーンと中から先程撃った弾の薬莢が出てくる。
「全く、今教えたばかりなのに」
とルミアが頭を抱える。
俺は中にまだ一発弾が入っているのを確認すると弾を隠すようにレバーを奥へとひいた。
またガチャッという気持ちのいい音が鳴る。
的の頭へと狙いを定めて今度こそ引き金をひく。
が、今度はパシュッと先程とは全然違い音がほとんどしなかった。
(すごいな、ここまで音がなくなるとは)と心の中で感心する
しかし的を見ると先程と同じくらい的から離れたところに弾は着弾していた。
「まぁ、三発撃ってこんなもんならまだ良い方だろう」とルミアが話す
それから俺は色んな銃を回して試し撃ちしていった。
ハンドガン、サブマシンガン、さっきとは違う種類のライフルなど撃ってみたがなかなか的へと当たらない。着弾点は確実に的へと近づいているんだが決定的な何かが足りない。
一通り撃ち終わったあと俺はルミアに話しかけた。
「なぁ、ルミア、撃ってみてくれないか?」
「私がか?」
「そうだ。ルミアの撃つところを見て参考にしたい。」
「まぁそんなことなら構わんが」
と快く引き受けてくれた。
するとルミアは銃が置いてあるところに行き、素早く一丁の銃を手にした。
手に取ったのはOtobur23。さっき最初の方に俺が使っていた銃だ。
ルミアはさらにサプレッサーも付けて弾を一発だけ込めて、レバーをひいた。
ルミアが素早く銃を構える。その一瞬、ルミアのキレイな銀髪がふわっと動いた。しかし目は集中しており、ルミアの赤い瞳は少し離れた的をしっかりと見据えていた。ルミアは口で軽く呼吸をしたあと息を止める。
その姿に見とれてポカンしているうちにルミアはパシュッと一発、銃を撃った。
ハッと我に帰り、的を見ると人形の的の頭のちょうど真ん中に綺麗な穴が空いていた。
「どうだ? 少しは参考になったか?」
撃ち終わったルミアがどうだ? と言わんばかりに俺に聞いてくる。
さすがに「見とれていてよく見てなかった」なんて言えないので「一瞬すぎてよく分からなかった」とルミアに告げる。
「そうか、ちょっとこっち来い」
ルミアが手招きする。
ルミアの元へと向かうと。
「構えてみろ」
ルミアが今使っていた銃を渡された
それを受け取り俺はぎこちないながらも銃を構える。
すると。
「ちょっと失礼」
とルミアが俺に体を密着させて俺の構えについて指摘しはじめた。
「力は無駄に入れないで銃を支える力だけでいい」
俺の耳に囁くように話してきて吐息がもろにかかってきてゾワゾワする。
それどころか俺の背中にもルミアの柔らかい二つのものが当たってくる。
「ちょ、ちょっとルミア?」
さすがに俺も指摘しようとするが。
「いいから、黙って話を聞け」
とまた耳元で囁かれて止められる。
結局ルミアに言われるがまま構えを直していった。
「よし、あとはゆっくり深呼吸して引き金をひけ」
俺はこの煩悩を捨て去るためにもしっかり深呼吸する。
ルミアが俺の体から離れて見守る。
照準を定めて俺は引き金を引いた。
パシュッと小さい音が響く。
弾は......
的の頭に命中した。
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