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壊し屋の話  作者: 一般student
8/18

第8話 翌朝 next morning

 第8話です!


 結構グダグダしてますねw


 


 翌朝、窓から差し込む太陽の光で目が覚めた。


 刑務所にいた頃はこんな朝日を見ることはなかったからなぜか懐かしい感じがする。


 上体を起こしてベッドの上に座る。


 横を見るとルミアがもう起きていてベッドのシーツ等を畳み、服も軍服へと着替え終わっているようだった。


 「おはよう、よく眠れたか?」


 「おう、こんなに目覚めがいい朝も久しぶりだな」


 と俺は「ふぁ~」とあくびをして背筋を伸ばす。


 「てか、別に起こしてくれても良かったんだぞ?」


 ていうか軍隊って朝遅れたら「おら! 早く起きろ!」とか言われて起こされるかと思っていた。


 だがルミアは。

 

 「いや、お前が気持ち良さそうにスヤスヤ寝てるからな。それに昨日は色々あって疲れただろうからなそっとしていた」


 「......ルミアって昨日も思ったけど時々気にかけてくれて優しいところあるよな」


 「は? そんなこと喋ってないで早く準備しろよ。私は先に食堂に行ってるからな」


 とルミアは部屋から出ていった。


 (なんだ? あいつ、人が褒めてるっていうのに)


 口にはしないがそんなことを思いながらベッドから立ち上がり準備を始める。


 (さて、最初に着替えるか)


 と自分の着ている寝巻きから軍服へと着替えをしていたとき。


 (やっぱり、気にかけてくれるじゃん)


 と、下着姿になりながら俺は思ったのと同時に着替え部屋が欲しいとも思った。


 


 ◇ ◇ ◇ ◇


 ベッドの上も一通り片付け終わった俺は部屋から出て食堂へと向かった。


 昨日の夕焼けの雰囲気とは違い朝日が廊下にも差し込んでいて違う場所のように感じた。まぁ、今は俺たちと整備の方たちぐらいしかいないので誰も見かけないが。


 食堂の前にくると昨日と同じ看板に「今日の朝食、ごはん、味噌汁、しょうが焼き、酢の物」と書かれていた。


 (いやぁ毎日違う料理を食べれるって幸せだな~!) 


 当たり前のようなことを言っていると思われるだろうが刑務所ではいつも同じ物を食べていた俺からしたら感動するほど嬉しいのだ。


 食堂のドアを開けて中へと入る。


 昨日と同じ席にルミアがおり、料理を受けとる厨房の方にはメルの姿が見えた。


 プレートを持ちながら辺りを見渡すとルミアとは離れた席におそらく整備兵であろう人たちがルミアの背中を見るように五人ほど座っていた。


 俺はメルのもとへと行き「おはよう!」と挨拶するとメルも「おはよう。」と返してくれて、朝食の品々を俺にくれた。


 うん! 見てるだけで腹が膨らむようなこの見映え! 素晴らしい!! 辺りにキラキラと星が見えるぐらいにキレイで美味しそうだ。


 料理を持って昨日と同じようにルミアと向き合うように座る。


 「ようやく来たか」


 「おう、遅くなってスマンな」


 俺はルミアに向かって両手を合わせて軽く謝る。


 「明日はもう少し早くに起きてもらおうか」


 「ぜ、善処する」


 そして、そのまま。


 「いただきます!」


 と料理へとかぶりついた。


 ルミアもそれを見るとやれやれといった顔をしていた。


 いやぁ! うまい! 非常にうまい! 


 しょうが焼きなんてあのしょうが独特の臭い香りが全くせず、しょうがの良い味だけが出てくる。酢の物だって酢の酸っぱさが強烈に強いというのではなく、野菜本来の味を感じられるようなほどよい酸っぱみでどちらも美味しい!   


 ご飯も昨日と同じように炊きたてのようなホカホカさが残っておりご飯だけでも満足できるような仕上がり。


 味噌汁は具が昨日とは違く、同じ味噌汁でもレパートリーがあることに感心する。味噌も薄すぎず、しょっぱすぎずぴったりの味だ。


 気がつくと目の前にある朝食は全てキレイになくなっていた。

 

 「美味しかったか?」


 と俺が食べ終わったのを見てルミアが尋ねてくる。


 俺はルミアの方を見てニコリと笑い。


 「おう! ごちそうさまでした!」


 と元気よく喋った。


 その時、ルミアの後ろに座っている整備兵であろう人たちがこちらの方をジロッと睨むように見ていることに気づいた。


 (なんだよ、そんな睨んでくるなんて)


 と睨まれるような理由をことを何かしたかと考える。


 (軍には雇われたが俺が元犯罪者だからか?)


 そう考えると残念だが納得してしまった。


 昨今のこんな戦時というなかで連合国内の国々を周り盗みを働いて騒がせた犯人がようやく捕まったのに、法令とはいえ、軍へと入り、こんなに美味しい飯を堂々と食べている。俺のことを知っているなら「なんでこんなところにいるの?」という感じで俺は招待をされていない客なのだろう。逆にルミアがレアなケースなのだ。こんな俺をメルの占いの結果だけを見て軍へと雇ってくれるなんて。


 俺は厄介者みたいな立ち位置なんだろうな。そんな俺のことを指揮するルミアにだって変なヘイトが溜まる可能性もある。

 

 「? どうした?」


 と不安そうな顔をして俺の顔を覗いているルミアが聞いてくる。


 「ううん、何でもねえよ。......ごめんな」

 

 少し明るく振る舞って答える。最後の謝罪の本当の意味はルミアはわからないだろうけど謝っておく。


 「まぁ、何でもないなら大丈夫だ」

 

 とルミアが姿勢を戻したかと思うと立ち上がる。


 「よし、それじゃあ食器を返して外に出るぞ。訓練の時間だ。戦場のイロハをみっちり教えてやるから覚悟しろ」

 

 とルミアがSっ気満載な目をしてこちらを見下ろす。


 こちらも立ち上がりそれに答える。


 「あぁ、よろしく頼む」

 

 プレートの上に食器をのせてルミアの後に続く。

 

 出来るだけあの整備兵たちの方は見ないようにしてメルに食器を返す。


 食堂から立ち去るときも見ないようにしてただ前を見て歩いた。


 廊下を歩いてそのまま外へと出る。


 とても広い滑走路の横を歩いて訓練場へと向かう。


 少し訓練場までは遠いので滑走路の方に視線を向ける。


 何個か格納庫があり、その中には全て遠目でよく見えないが航空機が入っていた。

 

 さっきの気分を紛らわすためにもルミアに話を聞く。


 「なぁ、俺たちって飛行機も操縦するのか?」


 「操縦するが使うのは稀だな。空から強襲する時ぐらいしか使わないよ。でも、少しは航空機の訓練もするから覚えとけよ」


 「へぇ~地上から行くだけじゃないんだな」


 と再び格納庫の方へと目を向ける。 

 

 「空を飛ぶのは大変だが速くて気持ちいいぞ」


 とルミアは空を見上げる。


 俺も死ぬまでには一度でいいから飛んでみたいなんて考えた。


 「よし、着いたぞ」


 とルミアが訓練場のドアを開けて中へと入り、俺もそれに続く。


 施設巡りの時にも見たが中には天井がなく固い壁で囲まれていて奥には人の形をした的、手前には色んな銃が置いてある。


 ルミアは手慣れた様子で一丁の銃を手にし、肩へと掛けると。


 「さあ、今の実力を見せてくれ」


 とルミアがこちらに振り返った。

 ここまで読んでくださりありがとうございました!


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