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壊し屋の話  作者: 一般student
7/18

第7話 休息 rest

 土日投稿できずにすいませんでした!!


 投稿した気になっていました。

 

 第7話です。


 どうぞお進みください。


 食堂の席について食事をとっている。


 刑務所に入る前...いや、父と一緒に生活しているとき以来にまともな食事をとっている気がする。


 そんなことを思っているうちにどんどん目の前の料理は確実に減っていく。


 「しっかし、お前はほんとに美味そうに食べるよな」


 とテーブルをはさんで向かい側の席にいるルミアが話す。


 「ぅん?」


 俺はガツガツと食べる手を止めてルミアの方を見た。


 ルミアは若干引いているような哀れんだような顔をしてこちらを見ていた。


 すると料理人のメルが割烹着を脱いで髪の結びも解いて俺たちと同じプレートと料理を持ってルミアの隣の席に座った。

 

 「メル! こいつお前の料理すげぇ美味そうに食べてるぞ」


 ルミアが座ったばかりのメルに話しかける。


 「いや、ほんとに美味しい! これから毎日食えると思うと楽しみでしょうがない!」


 俺は素直な感想を食べながら少し興奮ぎみに述べた。


 「そう言ってもらえて嬉しい」


 メルはニコリとこちらに微笑んだあと「いただきます」と目の前で手を合わせて自分で作った料理を食べ始めた。

 

 どこかの誰かさんとは違いゆっくり食べ進めていくメル。


 そのようすは小鳥が餌をついばんでいるような丁寧なものだった。


 するとルミアが。


 「よし、それじゃもう少しここの部隊について話すことがあるから聞いてくれ」




 俺たち三人は食事をしながらこれからのことを話していた。その間でもメルは話している間は箸を止めていて食べながら話している誰かさんとはやはり違い礼儀が良かった。


 とりあえず分かったことは俺たちが動くときは直接隣接している滑走路に上官を乗せた司令機がやって来て作戦や導入される部隊などについて教えられるらしい。それまではここで待機となるがそれでも鍛練は怠るなということ、そしてこのBRKRs特殊作戦部隊については軍の大隊長ぐらいの階級ではないと知らない部隊なのでくれぐれも外部には秘密にとのことを話された。確かに俺が刑務所にいたときもルミアの部隊に入ると言われただけで詳しくは話されなかったなぁと思い出す。


 食べ終わった俺とルミアは二階の宿舎へと戻る。


 食事の後片付けをやると立候補したが「いや、これは私の仕事だから」とメルにはねのけられてしまった。


 戻ってすぐルミアは「風呂に行ってくる」と部屋を出ていった。替えの下着も何もない俺は風呂に入らず一人でベッドに横たわりこれからの自分について考える。とりあえずしばらくは銃の使い方とかを覚えないといけない。いざというときに使えなくては自分が死ぬことになるからな。


 後は空き時間を見つけて衣類を買いに......でも徴兵されたとはいえ元指名手配の俺が町を歩くのはまずいのでは......?


 そんなことを考えていたが姿勢を改めて気持ちもリセットする。


 戦場......まさか連合国内の国々をまたにかけて盗みをしていた俺がそんなとこに足を踏み入れることになるとはな。


 正直に言うと怖い。同じ人間と殺す殺されるのやりとりをしないといけないんだ。殺すことにためらってはダメだと自分に言い聞かせるがそれでも簡単に人を殺せるようになるようになるほど俺は素直ではない


  戦争のせいで犯罪者になった俺が戦争のおかげで刑務所から出てこれる......ハッさっきのも含めてほんとに何が起こるか分からん時代になったもんだ。


 色んなことを考えていた。俺の祖国であるヴィランは今どうなっているのかとか、この戦争はいつ終わるのかとか本当にいろいろと。


 でもやっぱり行きつくのは自分の身のことで、果たして自分は生き残れるのか。それのことばかり考えてしまう。


 そうしているうちにドアを開けてルミアが風呂から宿舎へと帰ってきた。


 銀髪の髪がきれいにおろされていて寝巻き姿でいつもとは違ってどこか色っぽい......そんな感じ


 「ふぅ~いい湯だったなぁ」

 

 と気の抜けたような言い方でルミアが話す。


 そんな姿のルミアを見てるとさっきまで深刻そうにしていた自分がバカらしく思えた。


 俺はベッドで横になっている姿勢から身体を起こしてベッドの上で胡座の姿勢をとる。


 すると。


 「ん? お前何してたんだ?」


 と聞かれる。

 

 「いや、ちょっと考えごとしてただけだ」


 「ふぅ~ん。ていうかずっと刑務所にいたんだからお前、風呂に入ったらどうだ?」


 「いや、俺、下着とか持ってきてないし」


 「? 自分の机の中見てないのか?」


 「机の中..,,,.?」と呟きながら俺は立ち上がり自分の机の引き出しを開ける


 そこにはしっかりと畳まれた軍服とルミアの着ているような寝巻き、そして男性用の下着が何着か入っていた。


 「え、何これ?」


 俺はルミアの方を見て尋ねる。


 「いや、何これもなにもお前のために送られてきた軍からの支給品だぞ」


 「おぉ! ありがたや~!」


 俺は机の中の物を取り出す。


 さっき見たものの他にも折り畳み式のカバンだったり小物を携行するための腰にかける入れ物など作戦で使うようなものたちがたくさん入っていた。よく見ると机の下の奥には軍靴もあった。 


 「ほら、早く風呂に行ってこい」

 

 「おう! 超久しぶりの風呂だ~!」


 と寝巻きと下着を片手に俺はステップを踏んで風呂場まで直行した。


 

 風呂場は女湯と男湯とで別れており間違うことなく男湯へ入った。


 衣類を脱いでガララッとドアを開けて浴場へと入る。


 相変わらずの木製で少し狭かったがしっかりとした風呂だ。


 早速体を一通り洗い浴槽に浸かる。


 「いやぁ~極楽、極楽」


 思わずそう呟く。


 ひとしきり堪能すると俺は浴場から出てきた。


 これまでの汚れをしっかりと落とすことができてよかった。刑務所では風呂も入らせてもらえなかったしなぁと思い出す。


 下着を履き寝巻きに着替え風呂場から出る。


 気持ちよかったしもちろんこれから毎日使えると思うと気分も高まった。


 宿舎に戻るとルミアはもうベッドへと横になっていた。

  

 ルミアなりに俺を気遣ってくれているんだろう眩しいばずなのに明かりはついたままだった。


 ルミアのためにも早く寝ようと支度を整え電気を消してベッドに潜る。


 「風呂は気持ち良かったか?」と反対側から声がした。


 音をたてないように気をつけていたが起こしてしまったかと思いながら俺は答える。


 「あぁ、気持ち良かった」


 「それは良かった。刑務所どころか盗人生活してたらろくに入れてないんじゃないかと思ってな」


 全くもってそのとおりである。


 「そういえば、これからはルミアのことはこれから"隊長"って呼べばいいのか?」

 

 「いや、私とお前の二人だけだから今みたいな呼び捨てでも気にしないよ」


 軍隊ってそんなもんなのか? てっきり階級社会だと思ってたんだが。まぁここの連中だけなのかもしれないけど。


 「そうか、んじゃルミアでいいや」


 「それじゃ私も......って思ったがやっぱり"お前"の方がしっくりくるな」


 「おう、そうか」


 ちょっと悲しいがルミアが言いやすいならしょうがないな。


 ルミアが少し間を置いて話してきた。


 「そうと決まれば早く寝ろよ"輝"。明日は訓練漬けだ。」


 「お手柔らかにお願いします......」


 そう言うといつの間にか眠くなった俺はゆっくり目を閉じた。


 

 ここまで読んでくださりありがとうございました!


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