句読点は軽く見れられがち
はい。
自分でも日本語を上手く使えていないのは分かっているけど、それでも言いたいので失礼します。
まず一発。
他者様の投稿作品を読ませてもらっているけど、ポンコツ文章しか書けない俺より句読点使いが下手って、本当にヤバくね? お前ら。
さあ、お勉強の時間です。
今回は句読点。
蔑ろにできない、しちゃいけない句読点。
ちょっと見直してみましょうか。
句読点です。
“。”が句点で。
“、”が読点です。
学校で勉強中に、散々使ってきたはずの句読点。
なのに作文(作品執筆)となると、なぜか使い方が怪しくなる句読点。
句読点ってどう使うんだったっけ? となって、句点を使う場所に読点をつかっちゃったり、使い方が分からなくなったから使わない……なんて暴挙に出ちゃったり。
そんな状況を感じ、使い方の確認をここで書いてみようかな?
なんてノリで書いてみる。
…………そうだ。 点といえば“…”の3点リーダーにも言うことが。
うん。
余談ではあるけど、その3点リーダーを導入部の掴みにしてみましょうか。
3点リーダーで言いたいのは、これ。
みんなピリオドやドットで“...”とか“...”とか。
中点で“・・・”って書いたり。
違うだろ? 3点リーダーだろ?
“…”で書けよ“…”で。
しかも実際に使うときは“……”って、2連で使うのが基本でしょ?
なんですが、そうなるとイチイチ“さんてんりーだー”って入力するのは面倒だ。
となる訳ですよ。
そこでコレ。
“てん”
これの漢字変換で出てくるなら、使い続けていれば変換時の学習機能で、その内変換候補の上位常連になるから使い続けること。
もし出てこないなら、マイ辞書とか辞書登録とか単語登録とか。
そんな名前の機能で“てん”と書けば“……”と変換されるようにすれば良い。
3点リーダーは2つで1セットが基本だから、最初から2つでる様にした方が手間がなくて良いかな? と思います。
そうやって登録したのは変換候補の上位に最初から出てきやすいので、最初から変換できる場合でも登録してみる価値はありますぜ。
余談終了。
では本題。
まずは句点。
これの使い方なんて、とっても簡単だ。
会話で言う、言い切ったタイミングで“。”を使えば良い。
ヲタク特有の、気が乗ったら早口でマシンガントークの表現。
あんなのとかは微妙に使い方は変わってくるけど、基本は言い切ったタイミング。
ここまでこれを読んで頂けた読者様なら、自分がどんなタイミングで句点を使っているか、感覚で掴めるんじゃないでしょうか?
それで句点を置いたら改行。
次の行で“「」や()”を使わなければ、1文字分(全角スペースひとつ分)をあけて次の行を書き始める。
以上。 基本的な句点の使い方はこんな感じ。
…………句点を使ったら改行と書いた直後に、それを無視した書き方をしたのはなぜだって?
“基本”から外れたけど、基本じゃない使い方で使うこともあると、見せただけです。
あと、改行を上手に使う方法は、別のお勉強で既に書いたので省略。
次に読点“、”ですね。
こいつってば、かなり自由な存在なんですわ。
ただし大前提で、句点を使うところに読点を置いてはならん。
なぜか有るんですよね。 句点を使った方が良い場所で、なぜか読点を使っちゃう作品。
自由とは言ったけど、句点を使った方が綺麗な文章になると思う所に読点が使われていると、なんか異物感があって好きになれないって個人的な感情。
で、なぜ読点は自由なのか?
読点 使い方
で検索して、調べてみれば分かる。
読点ってば明確な使い方が無いんですよ。
主語の後に読点を置け~なんてのも有るみたいですが、それ以外の用法もあって「このタイミングだけで使え」とはなかなか行かない。
それで皆さんの使い方で多いのが、息継ぎ……呼吸のタイミングで読点を置く使い方。
これがほとんど。
それも一つの使い方として間違いではない。
でも読点ってば、それで終わらせて良い記号じゃない。
便利なんですよぉ、この読点は。
なにせ読点の役目は単純明快。
文章を読みやすくする補助につかう記号。
なのだから。
では、その読みやすくするって、どうするの?
例その1 【ストレートな読みやすさ】
こんなひらがなばかりのぶんしょうはとてもよみにくいとおもわないかな?
できるだけひらがなじゃないのをやってみたいけどひらがなばかりになっちゃうのだってあったりするんだよ。
ちょー読みずれぇ。
ではこれに読点を足してみましょう。
こんなひらがなばかりのぶんしょうは、とてもよみにくいと、おもわないかな?
できるだけひらがなじゃないのをやってみたいけど、ひらがなばかりになっちゃうのだって、あったりするんだよ。
少し読みやすくなったでしょ?
では逆に、読点を消して漢字変換だけしてみる。
こんな平仮名ばかりの文章はとても読みにくいと思わないかな?
出来るだけ平仮名じゃないのをやってみたいけど平仮名ばかりになっちゃうのだって有ったりするんだよ。
これでも十分と言えば十分だけど、読点を足せばどうなる?
こんな平仮名ばかりの文章は、とても読みにくいと思わないかな?
出来るだけ平仮名じゃないのをやってみたいけど、平仮名ばかりになっちゃうのだって有ったりするんだよ。
はい。 少しだけど、より読みやすくなったね。
後は、推敲した時に単純に読みにくさを感じた部分へ、読点を打つのも有り。
平仮名ばかりとか漢字が連続したからとか、そんな理由じゃなくて。
そこを部分的に書き直す手段でも良いし、さっき言った読点でも良い。
読みにくさにどう対処するのかは、作者の腕にかかっている。
技術か、知識か、持ち前のセンスか、はたまたその全てか。
全ては作者が選びとり、行き着く結末なのだから。
例その2 【区切る】
この先生きのこる
なつかしいネタ。
でもこれが分かりやすいから、つい使っちゃう。
この先、生きのこる
この先生、きのこる
きのこるって何?
そう思ったら、これの術中ですよ。
上記のみたいに、日本語には複雑さからくる面倒さがある。
読者側の読書経験や知識量や個人の資質によって、読み方や意味が変わる性質をもつ言葉があるんです。
例で言えば、この先(道)とこの先生(人物)とか。
某ナントカペディアの用法に載っている別の例なら、2人の姿が逆になる読み方になったり。
某トンチの小僧のネタで「ここではきものをぬぐべし」で、どこに読点を入れるかとか。
こう言ったのは“ぎなた読み”と呼ばれる言葉遊びだそうで。
意図しないぎなた読みを回避したい時に読点を使う方法。
○○ちゃんとしなさい。
なんて文章があったとしよう。
これはどんな意味だ? いやマジで。
○○がズボラで、ちゃんとしろよ。 って意味なのか。
○○ちゃんと、しなさい(意味深) って意味なのか。
この文章の前後の文で察しろよって?
わざわざ読み返すの? こんな程度の文章で。
しかも読み返させるって事は、読書のペースやテンポが乱れるって事よ?
あんなセリフが出る所なんて、サラッと流すようなお軽い部分だろ? そこで読む手を止めさせるの? 詰まらせるの?
お前はそれで良いの?
おまけとして、これも。
あえて句点で区切るけど、有名なのをひとつ。
「う~ん。 この香りだーっ!!」
ぎなた読みじゃないけど、同類の。 某3文字は強烈すぎて、読み間違いなんてどうでも良くなってくる奴。
「う○このケーキ美味しいっ」
区切る大切さを実感するなら、これらが最強かな。
例その3 【強調する】
上記のぎなた読みじゃないけど作中には、読者に気付かれない様にこっそり張っておきたい伏線ってのが、有ったりしますよね?
逆にここに目を向けてほしい、って部分が有ったりしますよね?
そんな時にもコレね、ミ○プルーンの苗木。
………………(ドヤ顔)
…………(困惑顔)
……(焦り顔)
失礼(滝汗)
使うのは読点です。
文字がずらずら~っと並んでいる中で、読点なんて空白部分が多いモノがポンと置かれていたら、どう思います?
そこに目がいって、その周辺もつい読んじゃいますよね?
つまり。
読点には読者の目を引き付ける効果があるんだよ!!
ΩΩΩΩ<な、なんだってーー!?(義務)
んで、ですよ。
その注目効果を使って、文章でいちばん重要な部分としたい所に、読点を差し込んでやる方法がでてくるんですよ。
それがこの例その3の、冒頭で書いた伏線隠しにつながると。
どうでもいい会話の中に伏線を埋めたい時に、その会話を強調する様に読点を置いて、本命の伏線から目を逸らす。
馬鹿話でこいつらは仲が良いよ。 って演出なんだよ!
と認識誘導・強調しておいて、実際はコッソリと……ってね。
例その4 【基本的に行で使う読点は2つ前後】
多すぎるとクドいんですよね。
例えば、こうして、ちまちまと、細かく区切って、読点を置いていくなんて、何の得があるのか、まったく、分からない事に、ならないように。
どうでしょうか? 読点を乱打するとクドいでしょ?
単純に読みにくいでしょ?
なので、一般的にクドく感じにくいのが、一行で2つ前後とされている。
……らしい。 なにがソースなのか記憶にも残っていない元ネタからの受け売りなので、どこまで本当の話なのかに自信はありませんが。
でも逆に、そのクドさを利用する方法だって有るのです。
それは例その3にもすこし関わってくるのですが。
細かく読点を打ち込んで、暑苦しく熱血な叫びとして演出します。
俺は書きたいんだ! 承認欲求なんてどうでもいい!
俺の、ペンを握る手が、腕が、目の前にある原稿用紙が、握るペンが、物語をこの世に産み出せと、訴えかけてくる!
俺の脳が、心が、人生が、存在そのものが、新しい物語を紡げと叫んでる!!
点数なんか関係ねえ、感想なんか知ったこっちゃねえ、PV数が無いからなんだ、俺は文章を、物語を、作品を書きたいんだっ!!
うん。 暑苦しい。
でもまあ、分かって頂けたかと。
ああ、別に暑苦しくする以外にも使えますよ。
次は逆に気分が最悪の状態の描写を例文で。
一歩、また一歩と、目の前にある階段を、俯いて、ゆっくりと踏みしめるように、のぼる。
7段目、8、9、10……。
……13段。
この階段は13段で終わった。
終わってしまった。
段数を数えていれば、その数に集中していれば、聞かずに済んでいた音が耳に飛び込んでくる。
――――よくもまあ今まで、散々に苦しめてくれたな!
――――私の子供達を返して!
――――この無能!!
私を、この王だった者を罵倒する声。
責める声、死を求める声、既に死した者を思い嘆く声、声、声、声。
そう。
私は無能な王だ。
善政を施こうと努力した。
が。
悪臣に唆された。
悪徳貴族の甘言に乗せられた。
王妃を大切にしようと、王妃が求めるままに応じて贅沢させ過ぎた。
跡取りの大切な息子をのびのび健やかに育てられればと思い、出来るだけ好きにさせ過ぎた。
周辺国との関係を見直して、国の未来がもっと良くなるようにと、家臣達と何度も話し合い、戦争にも踏み切った。
そして息子のためと思って、国で一番栄えている領地を治める公爵家の娘を、息子の婚約者に迎えた。
結果はどうだ?
今のボロボロな私を見れば分かるだろう。
それに見せしめに罪人を引き回す用の馬車に乗せられた。
そんな私には、良い食事や住環境なぞ望めない。
悪環境で体調を崩すのは普通。
逃走を防止する騎士達からは、逃げる素振りを見せなくても、逃げる気力さえ無くても、問答無用で殴られる。
死ななければ、私に何をやっても良い。 そんな状況で、ボロボロにならない方が不思議だ。
国内を半年近く回ってきたので国の様子も見せられた。
地方を治める土地持ち貴族達に搾取され、どこもかしこも民は困窮していた。
しかも先の戦争で男手の多くは戦死していて、女子供だけでは大変な作業もあるだろう。
町並みは散々。 だが反対に、貴族達は肥え太っていた。
悪政に次ぐ悪政、悪臣達の好きにさせた結果、我が国はまるで地獄そのもの。
既に言ったが、家臣や貴族のほとんどは腐っていて、悪心を持っているものばかりだった。
王妃も王妃の仕事をしない。
息子も好きにさせていた結果、周囲の悪心に染まった。
戦争は相手国と通じていた者達によって、情報が筒抜けで惨敗ばかり。
国唯一の希望だった、国に残っていた良心である、息子と婚約をさせていた公爵家にも悲劇があった。
よりにもよって、息子の馬鹿で。
とある男爵家の養子と恋仲になり、公爵家の娘と結婚したくなくなった息子が、その恋仲やとある悪徳貴族と共謀して暗殺を企んだ。
私に断りを入れず、勝手に婚約破棄しただけでは飽きたらずに。
これによって我が国から、全ての良心は消えた。
公爵家は国を見限り、他国へ亡命。
良心的なストッパーを無くした国に、良い未来など無い。
だから、私の結末は決まっていた。
今までの悪政を私の責任として、全ての罪を擦りつけて私を葬る。
民は悪政の元凶(と言う触れ込み)たる私が処されることで、鬱屈とした暗い世の中から、いつかは明るい未来がやって来るだろうと期待する。
つまり民の不満を和らげる効果を狙う。
これでまた貴族達はしばらく、悪事を好きに行える環境となるだろう。
「何を立ち止まっている。 まさか今さら、王としての責任から逃げようってんじゃないだろうな?」
死刑囚の監視者から、肩を叩かれた。
それには答えず、私は俯いていた顔を上げる。
「ちっ、つまんねえ」
監視者の言葉なんか気にしない。
目の前には、大きな断頭台。
そしてそれからすこし視線を逸らせば、見えてしまう観衆。
これから起こる事に期待する顔、私を憎む顔、刑罰の執行を直視したくはないが怖いもの見たさでいる顔、執行を機会にこの国が良くなる様に願う顔、顔、顔、顔、顔。
そう。 これが私の罪であり、罰なのだ。
どうにもならなくなるまで気付けなかった、私が無能だったから。
私が国王として、良い国へ導けなかったから。
跡継ぎとなる息子は、既に悪臣の手で教育済みであり、良い未来を望めない。
私が死んでも、どうにもならない状況にしてしまったから。
誰か、この国を頼む。
誰か、この国を良くしてくれ。
誰か、誰か、誰か、本当に誰でもいい。
どうかお願いだ。
罰は私が受けている。 この限界を迎えた体で。
最期の罰は、もうすぐ受ける。
この世を去ってからの天罰だって、全て私が受けよう。
神より永遠の苦しみを申し付けられても、喜んで受けよう。
だから。 だから、だから、だから、だからどうか本当にお願いだ。
国はこんな惨状だが、私にとっては大切な国なのだ。
この地に、国に、どうか救いを。
ほい。
重っ苦しい例文でした。
あ、補足……になるのかな? 例文中で私と言っていた人は、男性です。
それでどうでしょう?
読点を何度も重ねた迫力を、これで体感できましたか?
読点を上手いこと使えれば、文章は、作品はもっと良くなります。
読点をどう捉えるか。
読点をどう使うか。 使えるか。
読点でどんな空気を作れるか。
読点は読みやすくする点。
読点は空気を、流れを読ませる点。
句点も大事だけど、今は句点より読点だ。
使えると便利だよ、読点は。
本当に上手く使うのは、大変だけど。
自分でも使いこなせてるなんて、はっきりとした自信を持てないけど。
SNSなんかの、少ない文字数にばかり触れてるからなんでしょうかね?
句読点の使い方が分からないってのは。
そうだったなら、あっちとは文章の組み方が違うのに、同じ使い方しちゃあ、そりゃあ下手(小説には不適切の意)な文になりますわ。
どうでしたか?
句読点をうまく使えれば、物書きとしての表現力は明らかに上がります。
句読点を大切にしていますか?
上手に使えればキレイに。
下手に使えば読みにくく。
句読点は馬鹿にできないぞ?
句読点はいいぞ。
こいつを上手く使えるだけで、作品として伝えたい事を、より素直に伝えられる。
狙った場所へ読者を誘導する一助になる。
使い方だ。
こいつの使い方は万華鏡だ。
もう一度。
句読点はいいぞ。