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サイボーグ・シンディー  作者: ドンキー
6/55

作戦

「暗殺団?」

 聞き耳を立てるシンディーにジャスティンは、自らの力の全てを持ってしてその情報を正確に伝えた。それによると暗殺団は、数が多く多方面から同時にやって来ている。

「随分、大勢だな」

 シンディーは、顎に手を乗せ、どう迎え撃つべきか考えている。やがて考えがまとまったところで言った。

「いいだろう。連中をおびき寄せよう」

 シンディー達は、宇宙の狭い領域におびき寄せて返り討ちにする作戦を立てた。地図を画面に引っ張り出すアルフにシンディーが、指差した。

「ここだ」

 そこは、先の大戦で破棄された宇宙船のスクラップが放置されている場所で、少数で多数を迎え撃つのに絶好の場所だった。

「よし行こう」

 アルフは、すぐさまエンジンをふかし、その場所へと宇宙船を走らせた。その間も暗殺団は刻一刻とシンディー達のもとに迫っている。

「このオンボロでギリギリだな」

 シンディーが自嘲する横でアルフが言った。

「オンボロだがエンジンだけは、この銀河で最速だ。なんせ僕が作ったからね」

 メカニックの自負を見せるアルフにシンディーもうなずき、その星域へと向かって行った。


 宇宙船の残骸が散らばる地帯へと飛び込んだシンディー達を追うのは、ドーラセブンに雇われた暗殺団である。

「いいカモだ」

 暗殺団の構成員達は、互いに顔を合わせにんまり笑った。既にシンディー達を討ち取った後の銭勘定までしている者もいる。やがて、シンディー達の宇宙船がある場所で姿を眩ませた。

「この一帯に逃げ込んだのだろう」

 暗殺団の構成員の一人がほくそ笑んで言った。

「これで隠れているつもりなのだ。全くお笑いだ」

「いいだろう。奴らを血祭りにあげてやろう」

 やがて、目的の星域まで来た暗殺団は、破棄された宇宙船の残骸の中に身を隠すシンディー達を襲うべく、部隊を展開させた。そんな暗殺団の前に突然、シンディーが姿を現した。

「ほら、こっちだぜ」

 見るとシンディーが暗殺団に身を晒して、挑発している。それを見た暗殺団の構成員がシンディーに銃口を向けた。

「待てっ!」

 別の構成員が止めようとするのも虚しく、その構成員は引き金を引いた。と同時にそこに撒き散らされていたガスに引火し、爆発が起こり構成員達は爆風によって、吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。

 隊形が崩れたところを狙ってシンディーは、一気に距離を詰め、格闘術で持ってして次々に暗殺団の構成員達をなぎ倒して行った。

「くそが……」

 暗殺団は、シンディー達による思わぬ抵抗に面食らったものの数に物を言わせて、包囲を縮めようと試みた。だがその数を統率するための無線が使えない。

「なんだ。無線が使えないぞ」

「どうしたんだ」

 暗殺団の構成員達は、互いに喚きあった。ジャスティンによって辺り一体の周波数がジャミングされたのだ。この程度の電子戦などジャスティンにとてはお手の物だ。たちまち大混乱陥っていく暗殺団は次々にシンディー達の張ったトラップの餌食になった。

「くそ、こっちにもトラップが……」

「どこにいやがる!」

 疑心暗鬼に陥る暗殺団をシンディーは、死角から一人、また一人と着実に狩って行った。狭い領域に押し込まれ戦闘の指揮系統を剥奪され、身動きもままならず、ろくに機能することなく、シンディーの手によって葬られて行く様は、完全なるワンサイドゲームと化した。

 何せ暗殺団にはシンディーの情報が分からないものの、シンディーには暗殺団の全ての構成員の位置情報がジャスティンの能力によって手に取るように分かるのだ。情報戦を完全に制したシンディー達の前に破れ去った暗殺団は、這々の体で逃げ去って行った。

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