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林檎

作者: 冬姫0818

「林檎がひとーつ」


とある家の一室。1人の少女は、目の前に並べられているものを数えていた。


「林檎がふたーつ」


ひとつひとつ数えているそれらは、それぞれ大きさが違っている。


「林檎がみーっつ」


それらは全部、少女が手に入れたものだ。


「林檎がよーっつ」


それらは全て、人が持っていた。


「林檎がいつーつ」


赤子から老人まで、いろんな人が持っていた。


「林檎がむーっつ」


それらをとられた人は全員死んでいった。


「林檎がななーつ」


死んだ人は全員、穴が空いていた。


「林檎がやーっつ」


その穴には、何も無かった。


「林檎がここのーつ」


そう、何も。


「・・・・・うーん、9こか〜。少ないな〜」


少女はそれらの中からひとつ手に取り、1口かじる。


「美味し〜」


1口かじれば、赤い液体が溢れてくる。口についたその液体を舌で舐める。


「・・・・・これだけじゃ足りないな〜。取りに行こ」


少女は食べていたそれを机の上に置き、家を出た。



















「・・・・・ここか」



2人の警官が、ある家に訪れた。


「入るぞ」


1人がそういい、2人は家の中に入る。家の中は、血の匂いで充満していた。2人は匂いが1番濃く感じる部屋の前に立つ。


「行くぞ」


2人は部屋のドアを開ける。その先にあったのは


「!?これは!!」


机の上に転がっている、人の心臓だった。数は9つ。そのうちひとつは人にかじられた跡があった。


「いったい、誰が・・・・・」


1人がそういったのと同時だった。


「ねえ」


声がした。少し幼い、少女の声。そしてその声は次にこう言った。




お兄さん達の林檎、ちょうだい。

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