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TASさんの加護【バグ技未使用魔王討伐 (2:45:36.17)】

作者: 鬼影スパナ

(たぶんまだ改善の余地があると思いますが、一旦できたので投稿します)

 俺は魔法使いのシルバ。冒険者だ。

 俺には一人、変わった友人がいる。


 そいつの名前は「A」。

 仮名じゃない、本名だ。

 名前から見て分かる通り、Aは望まれて生まれた子ではなかった。

 貴族が孕ませたメイドの子で、腹を立てた貴族が強制的に「A」という名前を付けさせたそうだ。

 さらに、当然ながら苗字を名乗る事すら許されなかった。

 なので、本来の名前は「ア」と読む。さすがに不便なので俺は「エー」と呼んでいたが。

 そんないわゆる庶子のAだが、人とは違うステータスを持っていた。


 『TASさんの加護』


 ……『TASさん』というのは何なのだろうか?

 他の人の場合はここに火の神『アグニ』や水の神『アクエリア』の名前が入ることから、神の一種だろうとは推測できるが……それまでだった。

 ちなみに俺は時の神『タイム』の加護を持っている。Aの『TASさん』ほどではないが、レアな加護だ。レア加護同士という共通点もあって、俺とAは仲良くなったんだよな。


 そんなある日。

 それはもう本当によくある晴れの日だった。

 俺とAは中央公園の広場でサンドイッチなんか食ってたんだが、晴れてた空が急に暗くなった。

 そして声が聞こえた。


『我は魔王ベ』


 声は聞こえなくなって空は晴れた。

 何だったんだ一体、と思っていたら、あたりがザワザワしていた。


「魔王ベルゼブブの復活だ!」

「ああ、なんてこと、この国はおしまいよ……」

「この世界を征服するだなんて……人間は奴隷にされるんだ!」


 おい、俺には『魔王ベ』しか聞こえなかったのに凄いなお前ら。

 というか、『魔王ベ』がどうしたんだよ。友好を結ぼうって話だったかもしれないじゃないか。


「行くぞシルバ」

「えっ、ちょ、どこいくんだよA!」

「宝物庫だ」

「宝物庫ォ?!」


 ちょっとまて、宝物庫って、城のだろ?! おい、なんだってそんなところに行くんだよ!


「今なら鍵が開いてるから」

「え、ちょ、どういうこと?」

「……」


 Aは無言で走っていく。俺はぜーはーと息を切らしながらなんとかついてく。

 こいつ、こんなにスタミナがあるやつだったっけ? くそ、早いな、しかもこいつが走る前にはなぜか人が居ない、こんな騒ぎがあったんだから多少人とぶつかってもいいだろうに、ツイてるやつだ。俺はそんなAの真後ろを走ってるから当たらないけどな。


 城の入り口の門には見張りの兵士が立っていた。


「お、おい、な、は、入れるわけ、ねーだろ、城にっ、一般人が!」

「大丈夫だ、こっちに裏口がある」


 門の少し離れたところをコンコンと2回叩くと、石レンガがぴょこっと飛び出す。

 それをさらに引っ張り、グイとひねると、階段が現れた。

 どういう仕組なんだろうな。


「っておいA、こりゃヤバくねぇか?」

「大丈夫だ、問題ない」

「いや大問題だろ……」


 きっと王族の秘密の通路とかなんだろうが、なんだってAはこんな道を知ってるんだ?

 もしかして、Aの親っていう貴族は王族だったのか?

 俺はAに言われるがままに階段を降りてついていく。地下は迷路になっていたが、Aは迷わず進んでいく。

 ああ、なんだろ、ついてっちゃいけないって分かってるはずなのに、なんかついていかなきゃいけない気がする。

 だって俺ら、仲間なんだから。仲間が間違ってたら止めるのが当然だろ? いや、止められてないんだけどさ。


「ついた。よし」

「うわ、本当に宝物庫だよ……で、どうすんだコレマジで」

「コレとコレだけ貰っていく」


 そう言ってAは高そうな魔法の短剣と、なんか豪華な護符を掴んで、来た道を戻る。


「えっ、待てお前泥棒じゃねーか、いや、ここに入り込んだ時点で今更だけどさ」

「これは魔王討伐に必要なアイテムだから」

「おまっ、それじゃ尚更もってったら不味いじゃねーか! 今ならまだ間に合う、返してくるぞ!」

「いや、この剣は俺じゃなければ使えないんだ。1万分の1の確率で即死効果が発生する『微死の短剣』だからな」


 1万分の1って。そんなん使いモノになるのか?

 1秒間に1回切りつけたとして、1万秒、つまりで3時間弱斬り続けて1回死ぬ確率だ。普通にダメージ与えて殺した方が早いと思う。


「そっちの護符は?」

「『速度上昇の護符』だ。パーティー単位での移動速度を倍にする……」

「うん、それでさっきからなんか怖い速度で迷路を走り抜けてるわけだ。っておい!」

「なんだ? おっと、すまんが会話イベントだ、スキップするからあとにしてくれ」


「おい! おま」


「チッ、6文字もかかったか。魔王の挨拶は5文字でスキップできたんだが……さすが門番の兵士だ、強敵だった。で、なんだってシルバ? 話なら移動しながらなら聞こう」

「うん、色々言いたいことはあるんだが、今何したの? っていうかここお城の中だよね?」

「そうだ、これから王様に謁見して魔王討伐の許可をもらう……おっと、また会話イベントだ、ちょっと待て」


「お」


「よし、今ので宝物庫から3つのアイテムを持ち出す許可を得たから、さっさと町を出るぞ」

「えっ、ちょ、今の王様だよね? 『お』しか言ってないけど! っていうかもう1個なにかもらえんの?!」

「馬鹿を言うな、これ以上もらったらタイムロスだ。必要ない」

「は? タイムロス……何言ってるんだ」

「本来宝物庫は謁見の後でないといけないが、裏道を通れば先に行ける。『速度上昇の護符』があればこの逆回りルートの方が1分は早いからな」

「なぁ、俺にはお前がさっきから何を言っているのかさっぱりわからんのだが」

「説明しよう。……今の俺は、『TASさんの加護』が発動している」

「なっ?! ついにあのわけのわからん加護が発動したのか! で、それがどう関係してるんだ?」

「『TASさんの加護』が発動していると、自分が何をすればいいのかというものが解る……というか、そうしなければならない、と体が勝手に理解して動く。そういう加護みたいだ。俺も正直なんで宝物庫に走って行ったのか分からなかったが、確信だけがあった。魔王を倒すにはこれが最速だと」


 俺は納得した。いや、納得することにした。Aが嘘をついているとは思えないしな。


「分かった。……だが、俺も行くぞ。お前ひとりに苦労はさせないさ」

「ああ。安心してくれシルバ。君は『タイマー』だと俺の加護が言っている。しっかりついて来てくれ」


 うん? 俺は確かに時の神『タイム』の加護を得てはいるが。


  *


 道中、モンスターが現れることなく近くの村まで来ていた。

 普段ですら野犬やゴブリンくらいは出るのに、魔王におびえて引き籠っているとかだったんだろうか?


「つ、つーか……ノンストップで走り抜けるとか……護符がなければ絶対置いてかれてた……」

「おい村人」

「は」

「よし、それじゃ行くぞ」


 俺が一息ついている間にAは村人に一言だけ話しかけていた。そしてすぐに出るらしい。訳が分からないよ……


「解説してくれ……移動中でいいから」

「ああ。この村に先日から喋る魔物が出て生贄を要求していったらしい。正体は悪魔だ。Lvは30、実は魔王軍の幹部だ」

「Lv30?! おい、俺たちじゃ瞬殺されるだろそんなの!」

「大丈夫だ」


 そう言ってAは常にダッシュでどこかへ向かって行く。あーもう! つーか、場所分かってんのか?!

 と、1分ほど全力疾走で移動したところに洞窟があった。Aは迷うことなく入っていく。罠とかあったらどうするんだよオイ!


「おい、もしかしてここにいるのか? その、悪魔って」

「そうだ。いたぞ」


 Aの目線を追うと、そこには紫色の悪魔が立っていた。……つーかこっち気付かれてるよなコレ。


「フハハハ! エサが自ら来るとは殊勝なヤツ、1撃だけ攻撃させてやろう!」

「では遠慮なく」


 悪魔に、Aは容赦なく『微死の短剣』を突き刺した。


 【『微死の短剣』の効果発動! 悪魔は死亡した!】


「は? え、1万回に1回つってたよな……?」

「その1回がここで発動した、それだけだ」


 悪魔は死んだ。……そしてなにか鍵を手に入れた。


「じゃあ次の町へ行こうか」

「え? 村へは戻らないのか?」

「戻る必要はない。必要なのはこの鍵だからな」

「……え? まじで?」


 こうして悪魔を倒した俺たちは旅路を急ぐのだった。


  *


 そんなこんなで俺達は次々と魔王軍の幹部を刺し殺し、ついに魔王城までたどり着いた。


「……なぁ、その剣って本当に1万回に1回しか死なないのか?」

「そういう効果だ」

「その割には……今まで8回刺して、その8回ともに全部相手は即死してたよな」

「ああ、乱数調整したからな」

「……もしかしてあのへんな踊りか? ランスーチョーセイって名前のダンスなのかあれは。祈りの儀式か」


 こいつは、洞窟の入り口や幹部の部屋の前、あまつさえ幹部の目の前ですら踊っていた。

 手を上げたり下げたり、反復横跳びしたり、その場でぐるぐる回ってみたりと変な踊りだった。邪神に祈って死を呼び込んでいたとしか思えない動きだった。


「あながち間違いじゃない。露骨な乱数調整だったな。本来は最初の幹部の時のように乱数調整は途中でさりげなく済ませるのが一番早いんだが、どうしても後ろの方になると調整が難しくてな」

「そうか。俺はお前が何を言ってるか分からないが、まぁとにかく魔王城に来たんだ。魔王もその剣で一撃なんだろ? さっさとカタつけて帰ろうぜ」

「いや、この剣はもう使わない。あいにく魔王には即死耐性があってな。この剣は効かないんだ」


 そして、あろうことかAはその場に剣を捨てた。

 おい、使わないにしてもその剣国の宝の一つだろ、捨てんなよ。


「えっと、それじゃあどうやって魔王を倒すんだ?」

「正面から殴り殺す」

「えっ」

「正面から殴り殺す。武器は魔王城で最強武器を回収する」

「……ええと」

「それじゃ行くぞ。今まで通り、付いてきてくれ」

「……ああもう! くっそわかったよ、行きゃぁいいんだろ! チクショウ!」


 そして、全力疾走するAに俺はついて行くのがやっとではあるが、なんとか置いて行かれずにすんだ。

 それにしてもなんで魔物が一匹も出てこないんだ? 途中、Aが急に止まっていたのと何か関係があるんだろうか。あれもランスーチョーセイだろうか。


「いいや。これはエンカキャンセルだ。今までもやってたが、さすがに魔王城はエンカ率が高いな」

「そうかい」


 はぁ、コイツが何考えてるのかさっぱり分からん。それもこれも『TASさんの加護』ってやつの仕業に違いない。なんだよもう。


「よし、着いたぞ」

「……マジで来ちゃったかぁ。はぁ、まじで……なんで俺ついて来ちゃったかなぁ」

「シルバは俺の相棒だからな。むしろ来なかったら困る」

「そうかい。ところで、頭叩かないでくれないか。それもランスーチョーセイなのか?」

「ん? ああ、これはラップを取ってただけだ。今後のために一応な」


 ラップってなんだよ。俺の頭にそんなのついてたのか?

 ってか、今後のためにって。なんか知らんがこれから魔王とご対面だっていうのに余裕だなぁコイツ。


「はぁ、もうお前なら正面切って魔王を倒せると思うよ」

「俺もそのつもりだ。それじゃ、イベントの待機時間も終わったし行こうか」


 イベント? 何か催し物でもやってたのかな。比喩だろうけど。



「よくぞ来た勇者よ。我は魔王ベ」

「クリティカルヒット! クリティカルヒット!」


 おいコイツ、魔王が喋ってるところに会心の不意打ちを入れやがった。しかもこの魔王城で回収した1度に2回攻撃できる『双翼の剣』でだ。

 さすがに不意打ちされては魔王も話を切り上げざるを得なかったのだろう。魔王べ……べ、なんとかさんはAに向かって爪を突き立てる。


 が、ひらりとAはそれをかわした。いや、受け流したのだろうか? 魔王の攻撃がAを避けたように見えたぞ。


「当たらなければ、どうということは無いからな。それクリティカルヒットの連続攻撃を存分に喰らえ」

「まさか、剣と一緒に置いてあった鎧や盾を無視したのは、回避に徹するため!? 防具があると甘えが出るとかなんとかなのか!」

「いや、単に不要なだけだ。とるとタイムロスだからな」

「そ、そうか」


 魔王の攻撃は紙一重で当たらず、Aの攻撃は常にクリティカルヒット。

 こいつ、こんなに強かったのか。


 なんてもったいない、とか思ってたのはここだけの秘密だ。

 しかし、魔王との戦闘を見ているしかできない俺に話を返す余裕もあるようだ。

 ……うーん、なんというか次元が違う。つーか俺、コイツについて行くのがやっとで別段レベルが上がったりはしてないんだよな。せいぜい足が速くなってスタミナがついたくらいか。


 と、ここで魔王が大きく息を吸い込んだ。そして、炎を吐く。


「なんだ? 今まで殴ってしか来なかったのに……って、え、A! Aー!」

「ぐっ……!」


 そして、Aはその炎をもろに浴びていた。

 たまらず片膝をつくA。一撃喰らっただけで瀕死じゃないか!

 くそっ、俺は何をしていたんだ。Aが戦ってるのをぼーっと見てるだけの、ただの役立たずじゃないか!

 Aが死んだら、俺だって魔王に殺される。それくらいなら、俺が1回だけでも盾になってAにすべてを託すべきだったんだ!


「安心しろシルバ……これで終わりだ!」


 Aは、ズタボロの体で『双翼の剣』を高く上げ――魔王に振り下ろした。


「グワァアアアアア……!! 勇者よ……これで終わったと、思うな……よ!」


 魔王の悲鳴。これが断末魔だということに俺が気付いたのは、倒れ伏した魔王がさらさらと灰になって散って行ってからだった。

 残されたのは、床に倒れ伏したA。


「……か、勝った、のか?」

「ああ……」

「A! 大丈夫か、今、薬草を……って、なんで一個も持ってないんだ薬草! 旅の必需品だろ! くそ、俺が回復魔法を使えればっ!」

「……大丈夫、大丈夫だ。それよりも、時間を……教えてくれ……」

「バカ野郎! いまそんな状況じゃねぇだろ、このままじゃお前が死んじまう!」

「頼む、シルバ……俺の……最後の願いだ……時間を教えて、くれ……」

「くっそ……すまねぇ、俺が、俺がもっと色々役立てれば……わかった、俺がお前にできるせめてものことだ。『2時間45分36秒17』……ん? あれ、なんだこの時間。いつもなら12時とか17時とかなのに」

「……ふむ、世界記録を0.2秒更新した……な……」

「世界記録? 何言ってんだ、魔王を倒したのはお前だ、お前だけの偉業だろ!」


 ふふ、とAは笑う。


「少し……休ませてくれ……ここまで走ってきて、さすがに疲れた……」


 そう言って、Aは目を閉じた。


「A……Aぇえーーーー!」

「……耳元で叫ばれると眠れないんだが」

「あ、すまん」


 やっぱり案外大丈夫そうだった。


  *


「お、目が覚めたかA」

「む……おはよう、シルバ。どうやら俺の『TASの加護』は終了したようだ」

「そうかよ。……まったく、わけわかんないうちに世界救っちまいやがって。体は大丈夫か?」

「ああ。……シルバがやってくれたのか?」

「まぁな」


 俺は、目を覚ましたAに安堵した。

 一時は死ぬかもと慌てたが、魔王の部屋をあさって最上級の回復アイテムを見つけた俺は迷わずAに使ったのだ。おかげで今はもうすっかり傷も癒え、Aは万全の状態となっていた。


「さ、帰ろうぜ。俺たちの国へよ」

「ああ」


 俺は、Aの手を掴んで起こす。――これから、こいつは英雄だ。俺はせいぜいAの活躍を歌う吟遊詩人がいいところだろう。こう見えて弾き語りは自信があるんだ、リズム感はいいからな。


「む……」

「ん? どうしたA。渋い顔して……これからお前は英雄として国へ凱旋するってのに」

「敵が現れた……」

「敵? まさか魔物の生き残りか。おい、どうすれば」

「ちがう。新たなルートが見つかって、さっき更新した世界記録がもう抜かれたんだ。しかも3秒も! 信じられるかシルバ、3秒もだぞ! ああくそ、幹部は全員倒さなくてもあそこで稼ぎをいれればそんなに早くなるのか……!」


 3秒の何が凄いんだろう。俺にはよく分からんが――ってこれは。


「おいA。お前、まさかまた『TASさんの加護』が……?」

「ああ。そうみたいだな。……よし、()()()、シルバ」

「え、ああうん。国へ戻らないとな。……また走るの?」

「いや、そうじゃない……ん? 再走だからそうであってるのか。まぁいいシルバ。『リセット』と一言いってくれ」

「は? それって魔法の呪文か何かか?」

「まぁそんなところだ。……これは時の神『タイム』の加護を持つシルバにしかできない魔法だからな」

「うーん、まぁいいけど。『リセット』。はい、これでいいか――」



 そして世界は暗転した。



  ******************************



 俺は魔法使いのシルバ。冒険者だ。

 俺には一人、変わった友人がいる。


 そいつの名前は「A」。

 仮名じゃない、本名だ。

 名前から見て分かる通り、Aは望まれて生まれた子ではなかった。

 貴族が孕ませたメイドの子で、腹を立てた貴族が強制的に「A」という名前を付けさせたそうだ。

 さらに、当然ながら苗字を名乗る事すら許されなかった。

 なので、本来の名前は「ア」と読む。さすがに不便なので俺は「エー」と呼んでいたが。


 そんなある日。

 それはもう本当によくある晴れの日だった。

 俺とAは中央公園の広場でサンドイッチなんか食ってたんだが、晴れてた空が急に暗くなった。

 そして声が聞こえた。


『我は魔王』


 声は聞こえなくなって空は晴れた。

 何だったんだ一体、と思っていたら、あたりがザワザワしていた。


「魔王ベルゼブブの復活だ!」

「ああ、なんてこと、この国はおしまいよ……」

「この世界を征服するだなんて……人間は奴隷にされるんだ!」


 おい、俺には『魔王』しか聞こえなかったのになんで名前知ってんだよ。黒幕か。

 というか、『魔王』がどうしたんだよ。友好を結ぼうって話だったかもしれないじゃないか。


「行くぞシルバ」

「えっ、ちょ、どこいくんだよA!」

また(・・)世界を縮めにな」


 それから俺達は宝物個に行き、魔王の幹部を一人だけ残して全員即死させてから魔王に挑むのだが、それはまた別のお話。


(時間はプレイ時間で、サンドイッチから計測開始して魔王が灰になるところでタイマーストップです。

 魔王のブレスは回避不能なので、事前のパラメータ調整でHPを1残せるようにしておきます。


 尚、シルバ君はタイマーなのでストーリーの影響は受けません)

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― 新着の感想 ―
[良い点] また読んだ、面白かった。
[一言] バグ無しだとやっぱきついよなー、バグありなら1時間切れるんだがなー
[一言] 定期的に読みたくなるんですよね。
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