その7 「運命神と斧槍乙女」
新しい武器乙女が登場します。
「ふぅ。終わったな。」
「お疲れ様です。」
「おう。人間に戻ったのか。」
いつの間にか人間に戻っていたシアに、言葉を返す。
とりあえず、ゴルドマの死骸をアイテムボックスに仕舞おうとするが
「あれ?」
「どうしました?」
「いや、アイテムボックスに仕舞えない。」
「神だからじゃないですか?」
「え?」
そういえば、邪竜神とか言ってたな。
「じゃ、どうしよう。」
「神って言ってましたし、直ぐに復活しそうですね。」
「マジか。」
それはヤだな。だがしかし、ネット小説ではこういう時、別の神様が来るのがお約束だと思う。
「そ・の・と・お・り! 運命神、登場!」
なんだか、効果音がつきそうな勢いで、白いワンピースを着た、金髪ポニーテールに、深い青色の瞳をした美女が出てきた。
「綺麗な人ですね。」
「美少女に言われると、自信つくなー。」
「で、何しに来たんですか?」
運命神といえば、かなりいい神様のイメージがある。まぁ、邪神以外は、いい神様なんだけど。天変地異を防いだり、子供を救い出したり。
「実際にやったのは、私じゃなくて、聖霊ちゃん達にやってもらったんだけどね。」
「へぇー、聖霊が。って、結局何しに来たんですか?」
「あぁ、ごめんごめん。この邪神を倒しに来たんだよ。倒すというか、滅するんだけどね。」
「どうやってですか?」
「こうやって、えい☆!」
なんか、星のマークがついたような……
運命神様が何かやったのか、ゴルドマが綺麗さっぱり消えて無くなる。
「何やったんですか?」
「私もよく分かんない! ほら、理論派っていうより、感覚派だからさ!」
「あ、そうですか。」
それで、大丈夫か? と思うが、まぁ、それを補う神様が他にいるんだろうと、考えることにする。
「そうだ! シグレくんにプレゼント、はいコレ。」
「なんですか、コレ? お面?」
運命神様に渡されたのは、何も描かれていない真っ白なお面だった。
「名付けて、『無垢ナル神ノ面』! 完全隠蔽の効果をもったお面だよ。シグレくん、生きてるのバレたらまた狙われちゃうでしょ?」
「言われてみれば……」
脱出の事ばかり考えてて、その後の事考えてなかった。確かに、俺が生きてるのがバレたら狙われるだろう。
「ありがとうございます。」
「いいって、いいって、邪神倒してもらったお礼しなきゃ、だからね。ついでに、地上まで送ってあげる。」
「え?」
「いっくよー! それ!」
運命神様が腕を振るうと、一瞬で周りの景色が、暗い岩肌から、森に変わる。
あ、お面着けとこ。
お面を着けたが、あまり変わらない。ちゃんとついてるのかな?
「マスター、早速着けたんですね。」
「ちゃんと着いてるのか、よかった。あれ? 運命神様は?」
「もう行っちゃったみたいです。」
「そうか。あ、召喚やっとこ。」
「おぉ! 二人目ですね! 誰が来るのか、楽しみです。」
俺的には、八姫にでて欲しいが、期待しないでおこう。
スマホの電源をいれて、早速ランダム召喚を行う。シアを召喚した時と同様に、画面が光、目の前に、魔法陣のようなモノが現れる。そして━━
「あれ? ここは?」
「あ、アシュレちゃん!」
「シア? それにシグレ………そっか、召喚されたんだ。」
「そうゆうことだ。」
出てきたのは、黒紫色の髪を、短くツインテールにし、紫色の瞳をした。薄茶色の革鎧を着た少女。斧槍乙女アシュレだ。
「アシュレ、これから宜しくな。」
「まぁ、どうしてもって言うなら、手助けしてあげる。」
「アシュレちゃんは、相変わらずツンデレですね。」
「つ、ツンデレじゃないわよ!」
アシュレはツンデレだ。公式設定でそうなっている。まぁ、知らないふりをするのが、いいだろう。とりあえず、アシュレのステータスを見るか。
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【名称】アシュレ
【武器系統】混合系(斧・槍)
【等級・武器】神器
【等級・人間】神話英雄
『耐久値:5千万/5千万』
『攻撃力:EX』
『切れ味:SS』
『硬度:EX』
『重さ:大』
≪保有能力≫
【威力強化:神極】【硬度強化:神極】
【属性変換:地】【属性変換:獄】
【破壊強化:大】【地裂撃:威力神極】
【自己修復:大】
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さすが、攻撃力上位者、凄いな。
ちなみに、武器の種類によって、攻撃力の強さが違う。刀剣系の武器より、斧系の武器のほうが攻撃力がある。なので、攻撃力の表示が同じな、シアとアシュレだが、この場合、アシュレのほうが、攻撃力は大きい。
とりあえず、スマホを頼りに近くの町に行って、冒険者ギルドで冒険者登録しよう。シアとアシュレも、冒険者登録出来るかな? 少し気になる。そんな事を考えつつマップを開き、歩き出した。
二人目登場! 剣、斧槍、ときて、次は何かな?
以外と早めに登場するかもしれません。