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その5 「奈落の底の扉」




奈落の底は光が届かないため、もの凄く暗い。時折、淡く光る石があるので、歩くのに苦労はしない。まぁ、なくても大丈夫なんだけど。


多分、スキル【超感覚】のおかげなのか、周囲に何があるのかなんとなく分かる。この状況では、とてもありがたいスキルだ。



「にしても、SPがどんどん貯まるな。」


『ここの魔物は、強いほうみたいですね。』



そう、この奈落の底に出てくる魔物は強いほうなのか、SPがかなり手に入る。強いほうといっても、一撃で倒せるんだけど。



『あ、また出てきましたよ。』


「今度は、なんだ?」



暗がりから出てきたのは、三つの首を持った蛇だった。



多頭蛇ヒュドラかな?」


『ですね、倒すには三つの頭をさっさと切り落とすのが、正攻法ですよ。』


「んじゃ、縦に両断しよう。」


『私が言った事聞いてました!?』



力強く地面を踏み込んで、多頭蛇ヒュドラの目の前に行き、そのままシアを振り下ろし、両断する。そして、動かなくなる多頭蛇ヒュドラ



「普通に倒せたな。」


『見事なオーバーキルです。』



多頭蛇ヒュドラの死骸をアイテムボックスに収納し、先に進む。



『そういえば、ずっと気になってたんですけど。』


「何をだ?」


『マスターは魔物の死骸見て、平気なんですか? 普通気分が悪くなると思うんですが。』


「あぁ、その事か。」



俺も前々から、ネット小説で異世界召喚モノや、異世界転移モノで、主人公なんかがグロいの見ても平気そうにしていて、不思議に思ってたんだよな。普通の日本人なら気分が悪くなって、吐いたりすると思うんだけど。それで、何故俺が平気なのかというと



「称号『異世界人』のおかげらしい。」


『え? その称号って、翻訳とかだけなんじゃ?』


「それもだけど、精神強化もあるらしい。」


『成る程。』



雑談をしながら先に進む。これ、他の人から見たら剣と話すヤツか、一人で話してる痛いヤツだな。





















「ふっ!」


『ほいっ!』


「しっ!」


『はいっ!』



気がつくと、魔物に囲まれてました。多頭蛇ヒュドラやら、ミノタウロスやらたくさん集まってきた。



「【飛燕斬】!」


『いっけー!』



まぁ、一撃でどいつもこいつも沈むので、苦にはならない。ただ、数が多い。正直に言おう、面倒くさい。



「シアは全体技覚えてないからなぁ。」


『マスターが、“アーツ”を使えばいいんじゃないですか?』


「はっ! 言われてみれば。というか、使えるかな?」



アーツ”というのは、俺がやっていたゲームで主人公が使えるもので、各武器ごとにいくつもある。総“アーツ”数はなんと、1000を越えるのだ。



「んじゃ、いくぞ【サークル・スラッシュ】!」


『一気に倒しますよ!』



【サークル・スラッシュ】は、刀剣系の周囲を攻撃できる、最初の“アーツ”だ。もっと上位の“アーツ”もあるが、これで十分だろう。

シアの刀身が輝く。どうやら、問題なく使えるようだ。



「しっ!」



そのまま、身体を回転させる。さらに



『合わせ手、【飛燕斬・輪】!』



シアが自ら、能力を使う。使い手と武器、それぞれが別の技を使う事で、威力や攻撃範囲が広がる。それが“合わせ手”。ゲームではたまにしか発動しないけど、現実になった事で、関係無しに発動出来るようだ。


俺を中心として、光輝く輪状の斬撃が飛んでいき、周囲にいた魔物達が全滅する。



「“合わせ手”がこんなに簡単に出来るとはな。」


『コレ、出たら勝ち確定のあの“合わせ手”も、できるんじゃないですか?』


「かもな。」



“合わせ手”の中には、これが出たら勝ちみたいな、超広範囲全滅技も存在する。まぁ、現実でやったら敵味方関係なく全滅しちゃいそうだけど。



「にしても、魔物が多いな。」


『でも、もうすぐたどり着きますよ。あれ?』


「ん?」



俺は、目の前のモノを見て、足を止めてしまう。



『この先って、大きな空洞がある場所ですよね。』


「あぁ、その先に脱出出来そうな場所があるから、進まないとなんだけど。」


『扉ですよね、コレ。』


「あぁ、扉だな。」



何故か、奈落の底に扉があった。だが、もの凄く嫌な感じがする。何か不味いモノがいそうな……



「まぁ、進むしかないよな。」


『ですね! まぁ、私とマスターがいれば、何がいても余裕ですよ!』


「油断大敵だぞ。」


『分かってますよ!』



覚悟を決めた俺達は、扉を開けた。そして、その先にいたのは━━━





扉の先にはいったいナニが!?

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