その3 「奈落の底と剣乙女」
「……う、ん?」
目を開けると、薄暗い中光る石が見える。そうか、崖下に突き落とされて……なんで、生きてんだ?
「うぅん? どこも痛くないし、怪我すらしてないな。」
いったいどうなってんだ?
「とりあえず、ここから脱出……出来るわけないか。」
こんな場所から脱出なんて、出来るわけない。崖を登るのは論外。先に進むのもたぶんヤバい魔物がいるだろうから、無理。
「詰んだな。」
どうせ死ぬな。なら、ゲームでもするか。スマホを取り出すが、使えない事を思い出す。
「どうすりゃいいんだよ。」
視線を落とすと、スマホの画面が目に入る。
「ん?」
スマホの画面には何故か、文字が映っていた。それがこちら。
《共有率98%》
共有率ってなんだ? 考えていると99%に変わった。とりあえず、100%になるまで待つか。
十分後。
《共有率100%》
《これより二次能力の解放と、能力値の書き換えを行います。》
《スキル【魔力操作】を獲得しました。スキル【武器強化】を獲得しました。スキル【武器修復】を獲得しました。スキル【舞イ踊ル武器】を獲得しました。》
《能力値の書き換えが終わりました。》
《【叡智の異界箱】と【全域干渉】をリンクさせます。》
なんか、色々獲得した。【叡智の異界箱】ってなんだよ。
「いや、なんで!?」
驚きながらも、スマホ使えるんじゃね? と思い。スマホの電源をいれる。すると
■■■■■■■■■■■■
━━━『ステータス』New
━━━『アイテムボックス』New
━━━『鑑定解析』New
━━━『ゲームキャラ召喚』New
━━━『Q&A』New
■■■■■■■■■■■■
色々変わってるが、使えるな。とりあえず、ステータスを見てみるか。
ん? 自分のステータスと、仲間のステータスどちらか選べるのか。自分のステータスだな。
■■■■■■
【名前】上本 時雨 (シグレ・ウエモト)
【性別】男
【種族】人族
【年齢】17
『攻撃力:SSS』
『防御力:S』
『知力:A』
『精神力:S』
『俊敏性:EX』
『器用:SS』
≪スキル≫
【武器術:Lv10】【超感覚:Lv8】
【思考拡張:Lv8】【自己再生:Lv10】
【魔力操作:Lv8】【武器強化:Lv10】
【武器修復:Lv10】【舞イ踊ル武器:Lv━】
【全域干渉:Lv━】【叡智の異界箱:Lv━】
≪称号≫
『運命神の寵愛』『武器神の寵愛』
『創造神の加護』『異世界人』
『ウェポンマスター』『無限域の干渉者』
■■■■■■
「強くなりすぎだろ!?」
スキルと能力値がおかしな事になってるぞ!?
まぁ、ひとまず置いておくか、それより気になるのが、『ゲームキャラ召喚』の方だ。よし
■■■■■■
登録ゲーム『武器変化! 乙女戦記』
━━━『ランダム召喚:100SP』
━━━『指名召喚・下位:1000SP』
━━━『指名召喚・上位:10000SP』
━━━『指名召喚・最上位:1兆SP』
━━━『新人召喚:10SP』
残SP:100
■■■■■■
え? これ、俺がやってたゲームのキャラ召喚出来るの? マジで!?
「きたぁぁぁぁぁぁ!!!」
キタコレ!! でも、ランダム召喚一回か、新人召喚十回のどちらかか…………ランダム召喚だな。
「八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。八姫こい。」
狂気じみてる? それぐらいきて欲しいんだよ!
「八姫こーーい!」
ランダム召喚をタップ。そして、『本当にこれでいいですか? YES NO』のYESをタップ。画面が光、目の前に、魔法陣のようなモノが現れる。そして━━━
「呼ばれて参上! 剣乙女シア、マスターの喚び声に疾風のように駆けつけました!」
銀髪をサイドテールにし、青い瞳をした。蒼銀色の軽鎧を着た少女、剣乙女シアが現れた。
「八姫じゃねぇのかよ……(orz)」
「なんですかその反応は! いくらマスターといえど、失礼ですよ!」
シアがポカポカ殴ってくるが、俺の推しキャラは八姫なのだ。まぁ、シアは、俺がゲームで一番最初の仲間にしたキャラだから、かなり強い。なので、この状況では心強い。
「そういえば、この世界の知識とか持ってるのか?」
元々はゲームのキャラだし、知識とかないと思うんだが。
「マスターの能力のおかげで、皆な知識がありますよ! この世界と、マスターのいた世界の知識を持っています。」
「へぇー。」
「それで、ここは何処ですか?」
シアにこうなった経緯を説明すると
「マスターを突き落とした? その人は、切り殺すの決定ですね。」
黒い笑顔を浮かべながら、そんな言葉を発するシア。こいつこんな性格だったっけ?
その後は、『Q&A』を利用して色々な事を調べる。
先ずはSPだが、“スマホポイント”と読むらしい。入手方法は、通貨をSPに変換する方法。俺または、仲間が魔物を倒す方法。素材をSPに変換する方法。以上だ。
アイテムボックスを調べると、何故か、俺がやってたゲームで所持していたアイテムが入っていた。とりあえず、シアに砥石飴玉を渡す。
「んん~♪ 美味しいです!」
「次は、シアのステータスを見てみるか。」
スマホを操作して、シアのステータスを見てみる。それが、こちら。
■■■■■■
【名称】シア
【武器系統】刀剣系
【等級・武器】神器
【等級・人間】神話英雄
『耐久値:1千万/1千万』
『攻撃力:EX』
『切れ味:EX』
『硬度:SSS』
『重さ:中』
≪保有能力≫
【斬撃強化:神極】【硬度強化:神極】
【属性変換:聖】【属性変換:天】
【絶対切断】【飛燕斬:威力神極】
【自己修復:大】
■■■■■■
うん。ゲームと同じだな、なら、そこら辺の魔物なんか一撃だろうな。これはマジで心強い。
というか、オーバーキルになる気がしてきた。少し不安を感じながら、前に進む事にした。
やっとこ一人目の武器乙女を出せた! これからも少しづつ出していきます。