その29 「終わりは呆気なく」
さてさて、プルゥトラを倒す事にして、宙に躍り出たのはいいが、どうやって倒そうかな? ここは、ゴルドマを倒した時みたいに、シアの奥義で仕留めるかな? いや、被害が酷いことになるな。あれ? プルゥトラに壊されてるから、いまさらなのか?
『グハハハハ! ちっぽけな人間風情が、神に勝てると思うなよ。』
「え? 前にも邪神倒した事あるけど、そんなに強くなかったぞ。」
『グハハハハ! はったりは我には効かんぞ。』
はったりか。本当の事なんだが、どうするかねぇ、どのくらいの攻撃で、どの程度ダメージが与えられるか分かれば、被害を少なく出来るんだけど………
《マスターの願いを受諾。ウィンドウ拡張をします。》
そんな無機質な声とともに、俺の視界の隅に半透明のパネルが現れる。なんじゃこりゃ?
《続いて、戦闘体制に移行。敵情報スキャン……………………情報確認完了。敵の体力及び魔力を表示します。敵の攻撃の予測及び、攻撃範囲を表示します。》
再び声がして、プルゥトラの顔の横辺りに、緑のゲージと、その下に青いゲージが現れる。さらに、視界の隅に『十秒後【邪怨竜巻】』という文字が出る。とりあえず、それに従い。双盾の【城盾結界】を発動させる。
「【邪怨竜巻】!」
きっちり十秒後に、プルゥトラが魔法を放ってきた。凄いな、おそらくだが、【叡智の異界箱】の能力だろう。いつの間に、こんな能力でたんだよ。
そんな事を思いつつ、剣を装備。
「【飛燕斬】!」
『ぐぁっ!?』
ゲージを見て見ると、緑ゲージが十分の一程減っていて、青いゲージもミリ単位で減っていた。あ、緑ゲージじわじわ回復してる。
ということで、忍刀を装備。双盾を足場にして、プルゥトラに突撃。すれ違い様に、首を撫でるように斬りつける。
あらかじめ移動させておいた双盾に着地して、プルゥトラのほうを見ると、首筋から毒々しい紫色の血が大量に出ていた。緑ゲージは半分以下に。
………………あれ? もう倒せるんじゃね? 斧槍を装備。体力ゼロにすれば、倒せるかね? 双盾をサーフボードのようにして、プルゥトラに突撃。
『貴様! ただですむと━━━ッ!?』
「【地獄への一方通行便】!」
はい。アシュレの奥義を発動させたんですが、選択肢間違えた。
プルゥトラの頭上に降り下ろされた斧槍は、プルゥトラを一瞬で肉塊に変え、その衝撃が大地を砕き揺らした。そして、肉塊になったプルゥトラは、光になって消えた。視界の隅に、見知った金髪ポニテの美女が見えた気がしたが、スルーしよう。
現実をそろそろ見よう。城は元の原型が分からないくらい壊れてるし、地面は亀裂とかで酷い事になってる。うん。やり過ぎた! てへぺろ♪
◇
どうも皆さん、プルゥトラを倒した後、皆なの所に戻ったのだが、正座させられて、説教を受けています。主に説教をしてるのは、アシュレと、委員長と、ハヅキの三人です。ちなみに、はたから見たら、凄い絵になってると思う。何故なら、俺が戻った時に、ヒナが抱きついてきて、それに対抗したシアまで抱きついてきた。
お分かりいただけただろうか?
俺は今、右腕にヒナが抱きついていて、左腕にシアが抱きついている状況で、三人の女の子から説教を受けているのだ。シュールだろ?
「聞いてるのシグレ?」
「上本くん? 反省してるんですか?」
「シグレ、分かってるの?」
「いやでも、倒すために仕方なく………」
「こっちのアシュレが言うには、あそこまでする事なくても倒せたようだけど?」
「いやー。それは、その…………」
俺もやり過ぎたとは思ってるんですけどね。終わった事をぐちぐち言ってても仕方なくないですか? まぁ、言ったら殺されるだろうから、言わないけども。
「その辺でいいんじゃないの、三人共。」
「結果的には皆な無事ですし…………」
おお! 女神! 女神が降臨なされた、ありがとうユオ、サム! 痛たたたたたッッ!
「シグレくん? 変な事考えてませんでした?」
「へ?」
「マスター! 私をもっとかまってくださいよ!」
戦いが終わって安心したのは分かるけどさぁ、カオスすぎだろ!




