その28 「邪神プルゥトラ」
シグレ視点に戻ります。
俺を突き落とした奴を睨みつつ、どうするか考える。というか、こいつが黒幕でいいのか?
『主殿。』
おっと、夜弥から念話がはいった。
『どうした?』
『王族の方達を救出したんですが、王様が酷く衰弱しています。』
『そうか………あ、それならいいものがある。』
アイテムボックスから、活性薬を取り出す。元々は、ゲーム内で『超疲労』や『衰弱』の状態異常を治すのに使われるモノだが、こっちの世界でも効き目があると思う。
念のため、一口飲んでみる。……………ん? うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 力がみなぎってきたーーーーーー!!!
これ、かなり凄いぞ!
「ソウイチ! コレ頼む!」
活性薬をソウイチに投げ渡す。
「おっと、なんだコレ?」
「活性薬だ。ソレ持って、庭にある塔に向かってくれ。」
「なんでだ?」
「王様が衰弱しててな、ソレで治せると思う。ついでに、ヒナ達も一緒に行ってくれ。」
「やです! シグレくんを置いて行けません!」
「そうよ! 私達だって、戦うわ!」
「だぁぁぁぁぁ! とにかく、一度行ってくれ、その後なら、好きなだけ助けに来ればいいから。」
「絶対ですね? 必ず来ますからね!」
横目で、ソウイチ達が部屋から出ていくのを確認し、シア達に、塔に集まるように念話しておく。これでいいだろう。俺は、敵の殲滅といきますか。
「ククク。貴方一人で、私を倒せるとでも? 私は先ほど貴方が倒した雑魚より、強いですよ?」
「1か2の違いなんて、些細な事だと思うけどな。」
「貴様! 【邪怨獄炎】!」
俺に向かって、禍々しい炎が迫る。炎には、水だ! こちとら、『ウェポンマスター』の称号のおかげで、武器技が使い放題なんだよ!
「“刀技”『居合の型』流流舞!」
居合で炎を切り裂き、そのまま駆ける。そして、すれ違い様に、縦に両断する。おそらくだが、相手は訳もわからず死んだだろう。『俊敏性:EX』すげぇぇぇぇぇ。
「ふぅ。さてさて、こいつが黒幕なら、終わりなんだけど。」
「ふむ。ガイラスが倒されたか。」
後ろから聞こえた声に、即座に振り返る。にしても油断した、普通なら【超感覚】で分かるんだけどな。まだまだ、スキルを使いこなせていないってことだな。
後ろにいたのは、豪華な衣装を着て王冠を被った、男性。どこからどう見ても王様だけど、今王様は、衰弱してるらしいし…………あ、偽物か。
「お前が今回の黒幕だな?」
「いかにも、我が名は、邪神プルゥトラ。」
「呼びにくいな、まぁいい。黒幕なら、倒させて貰うぞ。」
「クックック。貴様にそれが出来るかな?」
そう言うと、だんだん大きくなっていくプルゥトラ。ふん! いくら大きくなっても、意味ない…………ぜ? おいおい、どんだけでかくなるんだよ!
部屋がメキメキ音をたて始めたので、窓から脱出。とりあえず、皆なの所に行くか。ダッシュで塔の所に行くと、全員塔から出ていて、口を開けて城の方を見ていた。つられるように城を見ると、城を押し潰して巨大化した、太った悪魔のようなプルゥトラがいた。
「マスター、マスター! 凄いです。大きいです!」
「あれ、どうやって倒すの?」
「…………。」
「あそこまで大きいと、刃はあまり通りそうにありませんね。」
「まぁ、やるしかないだろ。皆な武器になってくれ。」
俺の言葉に、一瞬首を傾げるシア達だが、納得した表情になって、武器化する。さぁーて、上手くいってくれよ。
スキルを発動させると、俺の周りに武器化したシア達が浮かんで、ゆっくり俺の周りを周り始めた。よしよし、上手くいったようだ。今回発動させたのは、【舞イ踊ル武器】だ。
「おい、シグレなんだそりゃ?」
「説明は全部後でする。という事で、あのデカブツ倒してくるから、サポート頼む。」
俺がそう言うと、任せろ! ってな具合に親指を突きだしてくる皆な。
ふっふっふ。見てろよ、言いにくい名前の邪神。二組のチームワーク見せてやるぜ! 双盾になったローズを足場にして、宙を駆ける。
さぁ、絶望とのラストバトルだ!
…………ローズには後で、好きな物食べさせよう。




