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その21 「転移」



ソウイチ視点じゃ、ありません。






「ちょ! 部屋にいたのになんでこんなところに!?」


「はえぇ~。不思議ですね~。」


「驚くべきところなのでしょうけど、気がぬけましたわ。」


「三人共警戒しろ、脱出計画がバレたのかもしれない。」



ツバサ、ケイ、ミカゲ、ヒメカが転移させられたのは、城にある部屋の一つ、殺風景な部屋の中に四人だけしかいない。そして、一つだけある扉から、二人の人物が入ってきた。



「へぇ~。鞍馬(クラマ)の奴、なかなかやるじゃん。」


「範囲が限定されるとはいえ、範囲内のモノを自由に転移させられるって、便利だよな。」


「…………樋村(ヒムラ)笹本(ササモト)。」



扉から出てきたのは、三組の生徒二人。樋村(ヒムラ)と、笹本(ササモト)だった。その両者共に目が、濁った赤紫色になっていた。



「お前ら、何しに来たんだ?」



ツバサが、油断なく二人に問いかける。すると、二人は厭らしい笑いを浮かべて



「ギャハハハハハ! そんなの、お前らを殺しに来たに決まってるだろ? あぁ、殺すのは男だけだけどな。」


「ゲヘヘヘヘ、その通り。」


「とんだ、クズになったみたいだな。」


「えぇ、そのようですね。」



入って来た時から、殺気を放っていた二人だったので、四人は既に臨戦態勢を取っていた。

事態は、二組の生徒達が予想だにしなかった状況になっていく。それは、別の場所でも。



















「クソッ! コイツら倒しても、倒しても沸いてきやがる! さっさと、何とかしろ、頭脳ブレーン!」


「この土人形は、おそらく【土魔法】持ちの人形使い(マリオネッター)によるものです! 使役者をなんとかしないと!」


「これだけ多くちゃ、探すどころじゃないわ! ユズ! 一掃出来ない?」


「出来るけど、直ぐに復活するハズ。倒しながら、使役者を探すしかない。」



ムツキ、チアキ、ハヅキ、ユズの四人が転移させられたのは、城の中庭。地面から出てくる土人形の軍団に、苦戦していた。



「ハハハハハ! 高みの見物はいいな、最高だよ。」


石崎(イシザキ)、そろそろ魔法撃っていいか?」


「待てよ橋口(ハシグチ)。もう少し疲弊したところを狙う。」


「そうだな。」



土人形と戦う四人を城の一室から見下ろすのは、二人の人物。片方は、下の土人形を造り出している人形使い(マリオネッター)。もう一人は、魔法使いのようだ。














「むむっ! ここはいったい?」


「さっきまで部屋にいたのにな!」


「図書館………かな?」


「クックック。どうやら、妾達は強制的に転移させられたようだな。」



シンとマモル、ハナとアリスの四人は、図書館のような場所に転移させられていた。



「マモル君誰か近くにいるかい?」


「ちょっと待ってくれな。」



そう言うと、マモルが集中し始める。



「一人………いや二人だな。後、本が動く音がする…………って、うお!」



突然周りの本棚から、たくさんの本が宙に浮かびだし、魔法陣が一つ一つ、全ての本に現れた。



「ほぅ。本を媒体にした魔法か。クックック。妾の邪眼を使う時がきたか。」


「うーん。こういうのって、本をなんとかすれば魔法は発動しないよね?」


「でしょうね。やりましょう!」



四人が臨戦態勢を取ると、同時に全ての本から魔法が放たれた。



















「「うわー。どこここ?」」


「知るわけないじゃん。サムちゃんは分かる?」


「お城の中だと思いますが…………牢屋?」



双子(カイとソラ)、ユオ、サムの四人が転移させられたのは、牢屋のような場所。薄暗く、じめじめした場所だ。



「転移の兆候を感じとって」


「【魔法妨害】使ったのが」


「「いけなかったのかな~?」」


「絶対それでしょ!」



双子の言葉にツッコムサム、どうやら、双子のスキルによって敵が意図しなかった場所に、転移したようだ。


四人が周囲を警戒しつつ、歩いていると一つの牢屋にたどり着いた。どうやら、誰かが中にいるようだ。



「誰かいるみたいですね。」


「ここ廊下みたいだし、危なそうだから行こう。」


「待ってください!」



ユオがもと来た道を戻ろうとしたら、中から女性の声が聞こえて、よれよれになり薄汚れたドレスを着た女性が、鉄格子の前に現れた。



「ここからだしてください! 我が国の危機なのです!」


「その前に、どなたですか?」


「わたくしはこの国の王妃です。」


「「「「え!?」」」」



なんと、牢屋に閉じ込められていたのは、王妃だった。



「あなた方は、召喚された勇者様方ですね。この国の今の状況を話します。どうか、この国を救ってください。」



そして、王妃の口から語られたのは━━━






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